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効果のある防音材はどれ?吸音パネルや遮音シートは本当に効果があるの?

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皆さんこんにちは。防音アドバイザーBudscene並木です。
今回は、防音対策として世に広まっている情報が本当なのか?について解説します。
また、最も効果的で確実に防音対策ができる方法もご紹介します。
周囲へ音が出てしまうことが気になっている方はお勧めの情報なので、是非御覧ください。

防音方法その1:吸音パネルで防音

吸音パネルで音が防げると一般的には思われています。

残念ながら
吸音パネルでは音を防ぐことはできません。

よく動画やブログで、「吸音パネルで防音できる」と紹介されています。

それらが

・本当に音を防ぐ素材として使われているか
・実証されているか

確認してみてください。

我々は、音を防ぐ素材として正しく実証されている動画・ブログを見つけられませんでした。
吸音パネルとは防音のための素材ではなく、部屋の中の音の響き方を調整する素材なのです。この点を多くの方が誤解をしていて、誤解したまま情報を発信しているのが現状なのです。

■吸音パネルの防音性能

吸音パネルは、音をまったく防がないというわけではありません。

例えば

・ふすまを吸音パネルに置き換える
・部屋を2つの空間に分ける など

何もない空間に吸音パネルで壁をつくる場合、わずかな効果はあります。

しかし、既にお部屋として完成している場合
床・壁・天井の性能を上げるために吸音パネルを使っても、性能の向上は期待できません。

吸音パネルは防音材として使うには軽すぎます。防音効果はその素材が持っている重量にほぼ比例するからです。
元々ある程度の遮音性能がある場合、吸音パネルを追加しても防音効果の期待はできません。ほとんど無意味です。

正しい吸音材の使い方

吸音材は、空間の音を調整することが主な役割です。
代表的な2つのパターンをご紹介します。

■パターン1:壁の中

ロックウールやグラスウールなどの吸音材を、壁の中に充填します。

壁と壁の間に隙間があると、音が太鼓のように跳ね返る「太鼓現象」が起きます。
この「太鼓現象」を抑えるための役割があります。

防音に利用する材料の性能を引き出すために使うのです。

■パターン2:見える場所

お部屋の音を調整するために、吸音パネルを使います。
物が少ない空間では、音が反響します。

人が会話する時、聞こえている音は
約60%が直接音、約40%が跳ね返って聞こえる反射音 です。

吸音パネルは、反射する音の響きを抑える効果があると考えてください。

弊社、防音室ショールームの吸音パネル

 

防音方法その2:遮音シートで防音

遮音シートを壁に貼るだけで防音できるとお考えの方も多いのですが実際はどうでしょうか?

答えは、できません。

■遮音シートの性能

名前からして音を防げそうな素材と思うかもしれません。
しかし実際は、皆さんが期待するほど音を防げる素材ではありません。

Budsceneの防音室施工では、遮音シートを使いません。
なぜなら、防音室を構成する床・壁・天井の素材よりはるかに軽い素材だからです。前述した通り、防音効果はその素材が持っている重量にほぼ比例するからです。

音を防ぐために必要な重さは、遮音シートだけでは圧倒的に不十分なのです。

■遮音シートをアパート・賃貸の遮音に使用した場合

音にお悩みの方で特に多いのが、アパート・賃貸住宅の生活音。

賃貸物件における隣の部屋との遮音性能は、30dB程度の減衰であるケースが多いです。
そこから逆算すると、そもそも壁の重さは1平米あたり30キロ程であると想定されます。

1平米あたり30キロの壁に3〜5キロの遮音シートを貼り付けても、ほとんど効果は上がりません。

防音方法その3:遮音シートと吸音パネルで防音

遮音シートと吸音パネルで防音できるという情報があります。
壁に遮音シートと吸音パネルだけ貼った時の性能は、こちらの検証動画をご覧ください。

【検証】遮音シート+吸音パネル=防音性能は?

多くの方にとって、音のお悩みを解決できるほどの効果は得られないことがおわかりいただけるかと思います。

防音方法その4:防音商品で防音

防音カーテンや防音パネル、様々な商品が存在します。
しかし、防音商品を買って何とかしようと考えること自体、間違っています

■防音商品の性能

その商品が、「どんな音に対して・どんな条件で効果がでるか」をチェックしてください。
ほとんどの防音商品が、皆さまの求めている性能には満たないことが分かると思います。

■「ある程度」防げればいい

防音商品を買って、ある程度音を防げればいいというお問い合わせも多いです。

例えば、苦情がきた場合
ある程度、音を防いだだけで苦情はこなくなりますか?

防音商品を取り付けてすぐは、効果があると感じるかもしれません。
しかし、耳が慣れてきてしばらくすると「思ったよりも聞こえる」と感じるようになります。
防音商品の多くが音を防ぐ性能をほとんど持っていないので、当然のことです。

【防音DIYの前に】プロが語るアドバイス

 

確実に防音性能を上げる方法

YouTubeチャンネルにて投稿している「間仕切り強化DIY」

間仕切り強化DIY

この間仕切りは、プロが行う性能測定と同じ方法でデータを取っています。

プロが行う性能測定をご覧いただくと、吸音パネルで防音できるという実証データが、どれだけ信憑性がないものか、お分かりいただけると思います。

■コスパ◎:石膏ボード

間仕切り強化DIYでも使用している、防音対策で最もコスパのいい石膏ボードと遮音シートを比較します。

【重さ】
石膏ボードは、1平米あたり9キロほどの重さがあります。
遮音シートは、1平米あたり3〜5キロになります。

【キロ単価】
石膏ボード(厚み:12.5mm)は、38円/kgです。
遮音シートは、175円/kgです。

遮音シートのいいところは、扱いやすいことですが、コスパの良さでは、石膏ボードが優れていることがお分かりいただけると思います。

※屑・ゴミは『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』に基づいて適切に処理してください。

石膏ボード+遮音シートで防音

1枚の石膏ボードだけでは防音性能が不足する場合の方法です。
石膏ボードを2枚貼り合わせるとしたら、その間に遮音シートを挟み、性能を向上させることが期待できます。

遮音シートは単体で使うのではなく、組み合わせて使うことが望ましいです。

まとめ

今回は、DIYの防音対策として世に広まっている方法について解説しました。
音のお悩み解決のために、ご活用いただければ幸いです。

【今回の内容】

【防音アドバイザー 並木勇一チャンネル】
https://www.youtube.com/c/budscene_yuichi_namiki/featured

並木 勇一 株式会社Budscene代表取締役
防音室・ホームシアターの専門家として、防音室の設計デザインから音響空間のデザインまで手掛けています。 音に関するお悩みを解決するきっかけになればと考え、正しい情報を元に防音に関するノウハウや情報を発信しています。
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