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防音室の改良を目指して!試行錯誤の裏側を紹介

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皆さん、こんにちは。
防音アドバイザーBudscene並木です。

昨今、IT技術が高度に発達し、シミュレーション精度も向上してきました。
しかし、防音室の性能や使い勝手を向上させるに当たって、シミュレーションだけではまだ机上の空論になってしまう部分があると思うんですよね。

実際に手を動かして、目で見て、耳で聞いて、体験して・・・と試行錯誤するアナログ検証の工程が重要になってくるのではないかと。

その信念からBudsceneでは数多くの実験を行い、そこで得ることができた様々なデータを防音室創りに活かしています。

今回は、弊社が今までどんな検証・実験をしてきたかについて具体的に紹介させていただきます。

重さとの戦い

遮断材料が重ければ重いほど空気を伝わる音への防音性が向上します。

従って「いかに防音室の重さを重くするか」もしくは「できるだけ軽く防音性能を確保するか」が防音室創りのカギとなります。
そのため私たちは、常に材料や構造に工夫をこらしながら、重さとの戦いに頭を悩ませています。

総合的に満足度の高い防音室を実現するには材料自体の特性をしっかりと把握することが重要になってくるのですが、実験の甲斐あって味方も開拓できました♪

それがスチールです。

鉄やスチールはステンレスと同等の重さで、アルミより重量がありながら、両者より価格が安いという優れものです。ドアやその他の部材としての役割を安心して任せられます。

budsceneスチール防音ドア

 

今までの実験では他にも印象深かったことが多いのですが、今回は2つ、試行錯誤の例を紹介させていただきます。

具体例1. パネルの中に水を入れてみた

スチールのパネルを作ってプラモデル式で部屋を作る施工方法を試していた時のことです。
性能は高いまま軽い防音室を作れないものか、色々考えていたら閃きました!

「パネルの中に水を入れたらどうだろう?!」

結果は・・・防音性能はよかったんですよ。

水が漏れないようにするのがすごく大変だったんです。
あとは、重たくなりすぎて運べないことが欠点でした(><)

具体例2. ハニカムコアに充填する砂の割合を変えてみた

防音室作成中、構成するパネルの強度を保つために鉄板と鉄板の間に「ハニカムコア」という六角形の穴が開いている蜂の巣みたいな芯材を挟み込んでいく工程があります。

ハニカムコアは段ボールやアルミでできていて比較的軽いのですが、今度は具体例1とは逆に、どうにかして効果的に重さをかけられないか?と考えていました。

そこで、ハニカムコアの小さな穴の中に砂を充填して、その割合を20%、40%、100%と変えてみたんです。

性能測定の結果、砂の割合が100%と40%で防音性能が同じという結果が出ました。

理由を考えてみたところ

  • 100% → 砂がギッチリ詰まっているので音を跳ね返す
  • 40% → 砂が中で動くので音の振動で摩擦が生じ、音を吸収する

という効果を得られているのではないかと推測しています。

砂入れ案も、パネル1枚だったら2日間くらいで終了しますが、防音室単位となると途方もない時間がかかってしまうので断念しました・・・(; ;)

試作品の作成

こんな風に、私たちは少しでも満足いただける防音室を創るために日々試行錯誤を繰り返しながら制作にあたっています。

お客様へ防音室を提供する際にも、ぶっつけ本番では創り始めず、試作品を作成して改善・修正するという工程を挟んでいます。

また、防音室工事が終了した後に必ず性能測定を行い、性能を保証したうえで完成とみなしております。

そのため、今まで性能に関するクレームを受けたことはなく、満足度の高い防音室を提供できているのではないかと自負しております。

まとめ

防音室の性能や使い勝手を向上させるため、私たちは今まで様々な実験を行い試行錯誤を重ねてきました。そして、得たデータは私たちの宝物ともいえ、防音室創りの財産となっています。

皆様に提供いたします防音室にはこの実験結果に基づいたノウハウ・知識・技術を余すところなく注ぎ込んでいますので、是非お気軽に問い合わせいただければと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。
防音アドバイザーBudscene並木でした。

質問コーナー

Q.  鉄、鋼、スチール、ステンレスの違いを教えてください。
A. 鋼は鉄(Fe)を主原料として微量な元素を混ぜた合金のことで、鋼=スチールです。
鋼は炭素(C)2.0%以下を混ぜた普通鋼と、さらに他の元素(マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)など)を混ぜた特殊鋼に分類されます。
特殊鋼は添加される元素の種類で性質を変え、ステンレスはクロム(Cr)含有率が11%以上の特殊鋼の1種となります。

Q. Budsceneプロデュースで色々なサイズの防音室キット(ドア・床・側面・天井)を販売してくれると、自宅で組み立てられてありがたいです。
A. パネルタイプにすればプラモデルのように組み立てることも可能ではあります。ただ、プロ仕様として監修すると、どうしてもパネル1枚1枚が1人では持ち運べない重さになってしまうのです。

材料のみを我々が発送手配し、受け取りから加工をご自身で行っていただくような流れは組めると思います。

Q. パネル内に水を入れる検証では、ゲル化剤を入れたら漏れないのではないですか?
A. 水と化学物質を利用して部屋を囲う!水も腐らない!メンテフリー!には是非チャレンジしたいですね。

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並木 勇一 株式会社Budscene代表取締役
防音室・ホームシアターの専門家として、防音室の設計デザインから音響空間のデザインまで手掛けています。 音に関するお悩みを解決するきっかけになればと考え、正しい情報を元に防音に関するノウハウや情報を発信しています。
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