打楽器の防音事情について和太鼓奏者・山田純平さんにインタビュー!
皆さん、こんにちは。
防音アドバイザーBudscene並木です。
今回はゲストをお呼びしています。
和太鼓奏者・山田純平さんです。
山田純平さんってどんな人?と思われた方へ。
プロフィールを↓にご紹介しますね♪
純平さんとのご縁は、2013年に純平さんの和太鼓スタジオを弊社で施工させていただいたのが始まりです。
今回は和太鼓スタジオの防音事情について純平さんへ色々とインタビューをしていきます。
どうぞお付き合いください。(インタビューでは敬称略。)
和太鼓奏者・山田純平さんへインタビュー♪
並木「今日はよろしくお願いします。」
純平「こちらこそ、よろしくお願いします。」
質問1.「Budsceneへご依頼の経緯を教えてください。」
純平「名古屋にある『シロクマスタジオ』さんがきっかけです。個人宅に和太鼓の防音スタジオができたというので『そこで本当に太鼓を打って大丈夫なのか?』と思って、一回使わせてもらったんです。そうしたら民家なのに音が漏れてなくて、衝撃を受けまして。それで施工会社を紹介していただいたのがBudsceneさんとの出会いです。」
並木「そうだったんですね。純平さんの和太鼓スタジオを施工する前は、弊社の実績はまだ2件だったんですよ。
1件目は富士見の2階建ての木造住宅で、もともと店舗だった1階を和太鼓スタジオにしたいと和太鼓チームから依頼を受けまして。そこはたまたま2階にゆっくりできるスペースがあったので、和太鼓演奏者の映画を作る時にロケ地として使われたこともあるんです。
2件目がシロクマスタジオさんで、3件目が純平さんのところです。」
純平「色々なホームページを見たんですけど、当時は『太鼓の実績』があってさらに『音が漏れたら保証します』というところがBudsceneさんしかなかったんです。もうすがるような思いで相談しました。」
並木「ありがたいです!」
純平「11年前は『和太鼓のスタジオを個人で作る』というのがまだまだない時代だったんですよね。うちは当時の”和太鼓用防音室の先駆け”のような存在だったと思います。だから、僕自身もすごく不安で。施工会社選びも『こんなことできる業者さんはいるのか?』っていうところから始まりまして。」
純平「シロクマスタジオさんでも、大きな太鼓がたくさんあるわけではなかったんですよね。うちはものすごく大きな500 kgあるような太鼓も打つので本当に心配でしたね・・・。でも無事に立派な防音室を創っていただいたので、僕の選択は間違っていなかったんだ、と。ありがとうございました。」
並木「いえいえ。こちらこそ、そこから色んなご縁を繋いでいただいて各地で和太鼓スタジオを施工できましたし、本当に感謝しています。ありがとうございます!」
質問2.「予算内に収めるために工夫されたことはありますか?」
純平「予算がカツカツのところで施工していただいたので、防音の仕様をワンランク落としたんですよね。将来防音強化できるように床だけはしっかり作っていただいて。
照明もギリギリの数しか入れられなかったんです。だからだいぶ暗いんですけど。
中でも一番悩んだのが吸音ですね。外への音漏れを防ぐことを優先して、吸音材を一切なしにしたんです。耳は我慢しようって。でも吸音材なしにしても、意外と大丈夫でした。吸音材があるスタジオも何ヶ所か経験したことあるんですけど、うちとの違いがよくわからないくらいです。」
並木「それはきっと、打楽器スタジオの環境だからですね。和太鼓の低いドーンという音は元から吸音されにくい音域なんです。吸音材は高音や中音域によく効くので、和太鼓やドラムなど打楽器の音には吸音材の効果が感じにくいのかもしれません。
あとは純平さんのスタジオは人や物が多いから、何もない空間よりも音が跳ね返ったり吸収されたりして段々弱くなりやすいのもあると思います。」
純平「そういうことだったんですね💡打楽器スタジオの場合に限っていえば、値段の高い吸音材を入れるなら毛布やティッシュの耳栓でもいいかもしれません(笑)ティッシュなら大きさも調整きくし。
人数も和太鼓教室を運営しているので、一週間で200~300人くらいが入れ替わり立ち替わり出入りしていますね。」
並木「すごいですね!年齢層は幅広いんですか?」
純平「下は3歳から上は80代の方までいます。
太鼓の音って『お母さんの心臓の鼓動』にすごく似ているらしいんですよ。赤ちゃんとか太鼓の音の横で本当に寝ますからね。あの大きい音で。だからか小さい子も結構いますよ。」
並木「和太鼓の生の音って気持ちいいですもんね。」
純平「そうですね!うちのスタジオは壁の端から端までで9~10 mくらいなんですが、屋内だと跳ね返ってくる音が近いので叩いている実感がわくんですよ。でもオープンな空間だと、音の跳ね返りがないので叩いても叩いても鳴ってる気がしなくて。だからスタジオで練習した後に野外に行くと『あれ?!鳴らない?』みたいな感覚に陥っちゃうんです(笑)」
並木「打楽器あるあるですね!」
質問3.「近隣から苦情が来たことはありますか?」
純平「お陰さまで今のところ11年間、苦情はゼロなんです。」
並木「それはすごい!何か気をつけていることはあるんですか?」
純平「駐車場などで車が夜に出入りする時は、人が溜まったりしないように気をつけていますね。」
並木「建物内部は私たち防音室施工会社が保証できても、出入りの時や建物外は各々の気遣いが必要になってきますよね。私、何度か純平さんのスタジオにお邪魔しているんですが、生徒さん達みんな気配りが行き届いていて挨拶が素晴らしいんですよ。」
純平「きちんと挨拶しているようで安心しました。ご近所さんに対しても気持ちよく挨拶しているのとしていないのでは大分印象が変わりますしね。」
並木「何かあった時、対応が全然違うはずですよ。音だって全く漏れていないわけではなく、漏れているといえば少しは漏れているじゃないですか。」
純平「確かに耳を澄ませば聞こえるくらいには漏れていますね。ご近所さんがそこは受け入れてくださっていてありがたいです。」
並木「苦情ゼロは純平さんの生徒さんへの指導の賜物ですね!」
質問4. 「長年使っていてトラブルはありましたか?」
純平「トラブルといいますか、やはり200~300人出入りするので、たまにドアノブをガリガリってやる子供がいて・・・」
並木「あ~、塗装が剥げてしまうパターンですね?!」
純平「そうです、そうです。最初の頃は、それを見るたびに心が沈んで・・・(笑)」
純平「今はもう日常茶飯事で慣れたんですけど(笑)説明しても、『トイレ行きたい!』って急いでいる子は、どうしてもガリガリってしてしまいますね。あそこはうまいこと修理できるんですか?塗装部分を塗ってもいいものか、鉄板つけてもいいものか?何か対策があれば・・・。」
並木「グッと握らないと回らないドアハンドルがあるんですよ。でも、そうすると本当に開けるのが難しくなってしまって(笑)慌てている時に困るかもしれません。そういう理由で、あのドアノブを選択しています。
うちで施行している中で純平さんの防音スタジオはドアの開閉数がトップクラスに多いかもしれません。なので劣化も早いんですよね💧」
純平「そうなんですね。プラスチックの樹脂の部分もドンドン削れていくんですよ💦
純平「何度かそこの部品を届けるためだけに、並木さんに愛知県まで来ていただきましたよね💦」
並木「単純に純平さんに会いたくて行っただけですので(笑)」
並木「今回は色々と貴重なお話をありがとうございました!」
まとめ
今回は、山田純平さんに和太鼓奏者として、また和太鼓スタジオのオーナーとして、和太鼓教室の指導者として、普段なかなか聞けない体験をお話しいただきました。
- 施工前の心配ごととして、たくさんの大きな和太鼓に対して防音実績がある会社がなかった
- 予算がカツカツで、照明や吸音材に関して費用を切り詰めた
- 和太鼓教室運営にはご近所づきあいが大切
- ドアノブの消耗が激しい
といったことをお聞きしました。
防音について何か疑問・質問がありましたら、皆さまも是非弊社にお気軽にご相談ください。
連絡先はこちらになります。
- TEL:03-4400-7678
- メールフォーム:https://budscene.co.jp/contact/
E-Mail:info@budscene.co.jp - LINE QRコード:
最後までご覧いただきありがとうございました。
防音アドバイザーBudscene並木でした。
質問コーナー
Q. 山田純平さんの和太鼓演奏を聞いてみたいです。
A. 2025年1月10日(金)に、山田純平さん主催の和太鼓の東京公演が開催されます。
https://nekkyo-dagaku.com/schedule/post2412
ご興味のある方は是非聞きに行ってみてください♪
- 日時:2025年1月10日(金) 18:15~20:30
- 場所:文京シビックホール
- 料金:前売り券6,000円、当日券6,500円
Q. 太鼓の大きなイベントにはどういうものがあるのですか?
A. 私も参加したことがありますが、愛知県西尾市で5年に1回開催される「千人太鼓」が圧巻ですよ。
こちらのイベントも山田純平さん主催で、第1回は2014年3月、第2回は2019年3月、第3回は2024年3月に開催されました。2029年3月開催予定の第4回も今から楽しみです^^
Q. 防音室のドアノブは丸いドアノブやレバーハンドル ·、プッシュプルハンドルではないのですか?
A. はい。
防音性を高めたい場合は、気密性を高めるためにドアと壁の隙間を少なくするローラー付きのグレモンハンドルを使います。
逆にいうと、グレモンハンドルでない部屋は防音性が低いといえます。
部屋の防音性を見極めたい場合は、ドアノブの種類も一つの目安とするとよいですよ。
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