【事例37】-8帖の和室を防音DIY-
戸建て住宅の防音DIYをする予定です。
Google検索で貴社を知り、YouTubeから LINE相談に辿り着きました。
防音のお悩み相談・質問コーナー。
今回のゲストは、自宅の和室を防音室に改造したいjさんです。
では、ご相談・ご質問をどうぞ!
はじめまして。
貴社をGoogle検索で知り、YoutubeチャンネルからこのLINE相談に辿り着きました。
戸建てマイホームの和室をつぶして防音室をつくりたいのですが、相談にのっていただけるでしょうか。
はじめまして。
防音室の用途や間取りを教えていただけますか?
はい。
■用途:楽器演奏(電子ドラム、エレキギター、ボーカル等のリハーサル&レコーディングスタジオ)
■間取り:戸建て持家の1階・和室8畳(6畳+押入+床間)
です。
音量の測定はまだしていませんが、隣家に迷惑がかからない程度の防音を考えています。
貴社のブログや動画を拝見し、「浮き構造でないとダメかな」と考えています。
200〜300万はかけられないので、予算30〜50万程度でDIYで対策しようと考えています。
承知しました。
現在はどのようなDIY方法をお考えですか?
次の2案のどちらかにしようかと考えています。
A. 今の床(畳)の上に厚さ10 mmのゴムマットを敷き詰め、その上に既存壁から離して防音ブースを作る。
B. ゴムマットを敷き詰めるのではなく、防音ブースの柱の基礎部分に防振ゴムを設置し、床組みをしてグラスウール等を充填する。
質量則でいけばA案の厚さ10 mmのゴムマットを敷き詰める方が、B案のグラスウールよりも重くてよいのではと思っているのですが、いかがでしょうか。
検索してもDIYでは1畳程度の防音室しか出てこなく、DIYで1部屋丸ごと防音室が見つからないのでご質問させていただきました。
よろしくお願いいたします。
音を遮る遮音は質量が影響するのですが、揺らさないようにする防振は質量則とは関係ないんですよ^^
「重さで音を跳ね返し(遮音)、創り方(防振)や太鼓現象防止の吸音材充填で重さを最大限に活用する。」
これが防音室のセオリーです。
近隣がどのような環境かわかりませんが、ご希望の内容を弊社でシュミレーションする際の参考資料を送らせていただきます。
電子楽器はボリューム調整できますので、必要な防音性能の数値を把握して、しっかりゴールセッティングを行ってくださいね。
【防音を考える際に最も重要な事はゴールセッティング!】
創り方や材料についても触れている箇所があるので、こちらも参考にしてみてください。
【施工実績/施工動画】
早々のご返信ありがとうございます!
質量則は防振には関係ないのですね。理解しました。
簡易の騒音測定を行いました。
<ピンクノイズ音量>
・室内:60 dB
・廊下:30.2 dB
・屋外:29.6 dB
でした。
廊下も屋外も現状約30 dB減衰ほどの防音性能のようです。
●周囲の環境
図面でいう下(南面)と右(東面)に隣家があります。
日中はエアコンの室外機など環境ノイズが30〜40 dBあるので、その音量まで下げることをゴールと考えています。
電子ドラムの音量は80〜90 dB程度、現状の防音性能が30 dB減衰ほどなので、DIYであと20 dB減衰ほどを目指したいと思っています。
質量則だけでは難しい、というのは貴社の動画で学びました。
しかし床を抜いてRC打設までは考えておらず、次の案を計画しています。
<計画案>
・床 → 「畳の上にゴムマット10 mm厚で防振」+「ベニヤor石膏ボード12.5 mm厚」+「タイルカーペット」
・壁 → 「ゴム床上に軸組」+「グラスウール」+「石膏ボード12.5 mm厚×2枚(手に入ればスーパーハード))
・天井 → 「既存天井下・新規柱上部に梁を通して天井下地組(既存天井下とは触れず)」+「グラスウール」+「石膏ボード」+「岩綿吸音板」
・窓 → 全て塞ぐ
・ドア → 引き戸を撤去、木建具フラッシュ、簡易グレモンハンドルをDIYの記事を参考に設置
●質問
そもそも、上記計画案で20 dB減衰は不可能な数字でしょうか?
それとも狙える数字でしょうか?
お答えできる範囲で構わないのでお願いいたします。
20 dB減衰なら、浮構造をしっかりと保って1 m2あたり40 kg以上の質量をかければ実現はできるかもしれません。
ただし、これはあくまでもスピーカーなどから出る音圧に対してですので、エレキドラムの振動音などはお考えの床よりも更に強化しないといけないでしょう。
丁寧なご回答ありがとうございます。
非常に参考になります。
壁を普通の石膏ボード3重張りで考えると、壁・床・天井で約100枚1.2 t程度になります。
8畳を11 m2で換算すると1 m2あたり109 kgなので、床が保つか心配です・・・💦
壁より床の防振対策を強化する方が重要ですか?
ドラムの下にマットを置くなどすればよいでしょうか?
質量に対する床の強度はしっかりと調べないといけませんね。
お考えの防振くらいだと、建物自体にドラムペダルの振動音が伝わっていくので、さらに防振台の設置も必要になってきます。
マットのような小手先の対応では効果は得られないでしょう。
的確な回答ありがとうございます。
耐荷重について調べたら一般住宅で180 kg/m2で、考えていた石膏ボード3重張りでは、機材や人間の重量も加えると不安です。
壁は石膏ボード2重張りにして、床は防振ゴムマットとパーティクルボード20 mm厚で組み、壁天井の荷重を面で受けられるように対策しようと思います。
ペダルの振動に関しては、私も心配していました。
防振台について調べてみましたが、ドラムの下のみ防振対策をとれば部屋全体の荷重を落とすことができそうですね。
YouTubeで見た動画では、平板などを使った防振台が効果があるようで、自作できそうでした。
ドラムは4歳の息子が叩くので当分はペダルの振動も大人ほどはでないと思いますが、お陰様で対策のイメージができてきました。
ありがとうございます!
とりあえずDIYでできるところまでやってみます。
全く効果がなければ改めてご相談させていただくかもしれません💦
その時はよろしくお願いいたします。
電子機器はボリューム調整がきくので夜間は70 dBほどに抑えて、気にならなくなるまで防振を加えていけば、求めている環境になりそうですね。
~3か月後~
以前LINEより防音室についてご質問させて頂きましたjです。
お陰さまで防音室DIYが完成致しましたのでご報告させていただきます。
壁・床・天井全て浮き構造で作りました。
実測値で60 dB減衰ほど確保できたので満足しております。
その節は丁寧なご返答ありがとうございました。
とても参考になりました。
ご報告ありがとうございます!
多くの方の参考になると思いますので、よろしければご自身での取り組みや施工店との擦り合わせの内容など発信してみてください。
実際に耳で音量を聞いて騒音レベルを確認したのでDIYとしては満足してますが、各周波数での実測はできていないので、発信する時はそこ気をつけます。
今回はすべてDIYですか?
はい、施工は全て1人で材料はホームセンターとAmazonのみでDIYしました。
総費用は45万円かかりました。
DIYでここまではなかなかできませんよ!
素晴らしいですね!
本当にありがとうございました!
これからも音に悩んだら、お気軽にご連絡ください!