身近な家具で防音!本棚やタンスの防音力はどのくらい?!
皆さん、こんにちは。
防音アドバイザーBudscene並木です。
「なるべく安く、手軽に防音したい!」とは、誰もが願うことですよね!
そんなニーズにお応えして、身近なもの・家の中にある本棚やタンスを使った防音について考えていきたいと思います。
今回は、講堂のような広い空間をパーテーションでスペースA・スペースBと区切り、パーテーションをさらに防音強化した場合に、どのくらいの防音性能があるのかを検証してみました。
パーテーションがあると、用途に合わせて広さを変えられるので便利なんですよね♪
ただ一般的な壁よりは防音性能が劣るので、そこをどうやって補っていこうかと色々工夫しています。
壁のような可動式ラック型収納を構築!
検証のために、デザイナーさんにお願いして次のような可動式ラック型収納を創っていただきました。
どうでしょう、圧巻じゃないですか?
可動式ラック型収納の特徴と設置状況は次の通りです。
<可動式ラック型収納の特徴>
- 可動式(パーテーションの開閉に合わせて移動可能)
- 中に紙・本を詰めている(遮音性能のため重さUP)
<設置状況>
講堂をパーテーションでスペースAとスペースBに区切り、パーテーションのA側・B側にそれぞれ可動式ラック型収納を設置しました。
設置ポイントとしては、
- 音が漏れないように、隙間は必要最低限
にしています。
見てください!
テトリスみたいでしょう?!
パーテーションの防音性能は低いので、隙間からの音漏れを少なくするために徹底的にこだわっています。
スペースA側・スペースB側の可動式ラック型収納の目地(隙間)が重ならないように、縦・横共に、ラックやその中の収納物を互い違いに(隙間部分には逆側の収納の真ん中が来るように)ズラして配置しているんですよ。
また、ダンボールサイズを調整してラックと天井の間も本当にギリギリまで詰めています。
もちろんキャスターとキャスターの間も埋めていっています。
ただし、ラックを移動させるときに指を入れる取っ掛かりがないと引っ張れないので、ラックとラックの間には意図的に若干の隙間を設けています。
皆さまがご自宅で防音する場合には本棚やタンスを移動しなくてもよく、意図的に隙間を空ける必要がないので、より高い防音性能を期待できるはずです。
防音性能の測定
では、さっそく可動式ラック型収納の防音性能を測定してみましょう。
測定方法
測定手順は、次の通りです。
- スペースAでピンクノイズを発生させる
- パーテーションと可動式ラック型収納で間仕切りをした状態で、1の音量をスペースA・スペースBにおいて測定
- 防音性能=(スペースBでの音量)-(スペースAでの音量)により、
パーテーションのみの防音性能①、パーテーション+可動式ラック型収納の防音性能②を算出 - 可動式ラック型収納のみの防音性能=②-①を算出
測定方法を表1. に示します。
表1. 測定方法
| 測定音 | ピンクノイズ |
| 測定音域 | 125、250、500、1,000、2,000 Hzの5オクターブバンド |
| 騒音計 | 精密騒音計、C特性 |
測定結果
防音性能は表2.の通りでした。(実際の音量はこちらからご確認いただけます。)
表2. 遮音性能
| 周波数 [Hz] |
パーテーションのみの防音性能① [dB] |
パーテーション+可動式ラック型収納の防音性能② [dB] |
可動式ラック型収納の防音性能(②-①) [dB] |
| 125 | 15.3 | 25 | 9.7 |
| 250 | 14.3 | 38.3 | 24 |
| 500 | 14.7 | 43.3 | 28.6 |
| 1,000 | 26 | 51 | 25 |
| 2,000 | 25 | 51.3 | 26.3 |
一般的には防音性能は500 Hzの周波数で考えることが多いのですが、500 Hzをみてみると約28 dBも音を減衰できています。
これは建材メーカーの「防音性能38 dBと記載」の防音ドア(実際は28 dB減衰)に相当します。
そのドアをバーッと並べているイメージです。
この可動式ラック型収納で、メチャクチャ防音性能が上がっていることが確認できました!
低音域に比べて高音域はもっと改善されてもいい気がしますが、性能があまり伸びない理由は隙間です。
高音って波長が短いので、ちょっとした隙間でも通れるんです。
でも低音は波長が長くて隙間を通れないため、隙間があってもあまり影響がないんですよね。
だから、収納を動かさなくてよいご自宅での防音ならもっと隙間をなくせるため、高音域の防音性能にもさらに効果があるでしょう。
人の声でも検証
この講堂ではスペースAで幼児向けの教室を、スペースBで大人向けのセミナーを同時に行うので、人の声でもデータをとってみましょう。
発生する音量は、熱の入った元気な声=80 dBぐらいを想定します。
子供の声
スペースAで、YouTubeで見つけた子供の声を80 dB超でだしています。
スペースBでは約30 dBくらいですね。(実際の音量はこちらからご確認いただけます。)
子供の高い声、500 Hz以上の高音域でも十分効果があることがわかりました。
並木の声
次は成人男性の声代表で、私の声も試してみましょう。
スペースAで、私のYouTubeチャンネルの声を80 dBくらいでだします。
スペースBでは約30 dBくらいですね。(実際の音量はこちらからご確認いただけます。)
500Hzで50 dB以上減衰しているので、かなり防音性を保てているかと思います。
イメージでいうと、鉄筋コンクリート造(RC造)マンションでのお隣に対する遮音性能ぐらいです。
声での測定でも、かなりよい結果がでました。
子供の高い声から成人男性の低い声まで、高い効果が期待できるでしょう。
まとめ
今回は、収納での防音を検証しました。
「パーテーション+可動式ラック型収納」で合わせて500 Hzで40 dB以上の音量の減衰を実現しましたが、これは中々に高い効果といえます。
「本格的なDIYや専門業者への依頼はハードルが高い!」「家の中にあるもので安く手軽に防音したい!」という方には、収納防音が役に立つのではないでしょうか。
本棚やタンスなどを活用して、是非試してみてください。
私たちBudsceneは皆様が暮らしの中で音と上手に付き合っていけるように応援しています。
音にお悩みの方がいらっしゃいましたらご相談・ご依頼などいつでも承りますので、どうぞお気軽にご連絡ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
防音アドバイザーBudscene並木でした。
質問コーナー
Q. 収納として詰めた中身が紙ではなく、Tシャツやセーターといった服でもOKですか?自宅で考えた場合に、本よりも服のほうがたくさんありそうだな・・・と
A. 書籍より衣類の方が軽いので、本棚と比較すると衣類タンスの方が性能は劣ってしまうかもしれません。
しかし、元々の壁からプラスアルファする防音性になるので、大差が生まれるほどではないはずです!
Q. 本を詰めるととても重くなると思うのですが、家は潰れないでしょうか。
A. 住宅の耐荷重は1 m2あたり180 kgです。その範囲内で取り組めば大丈夫です。
Q. パーテーションと可動式ラック型収納の間に「数cmの空間+グラスウール」を挟めば、性能はさらに上がるでしょうか?
A. 既に書籍や衣類、そして段ボールも吸音効果を発揮しているので、吸音材を加えても変化はないと思われます。
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