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プチ炎上?突っ込まれまくりYouTuberさんの防音DIY遮音性能を検証してみた!

公開日:
防音アドバイザー 並木 勇一 株式会社Budscene代表取締役
防音室・ホームシアターの専門家として、防音室の設計デザインから音響空間のデザインまで手掛けています。 音に関するお悩みを解決するきっかけになればと考え、正しい情報を元に防音に関するノウハウや情報を発信しています。

皆さん、こんにちは。
防音アドバイザーBudscene並木です。

突然ですが、「生活改善動画」や「仕事辞めてバイクで日本一周ツーリング動画」などで人気を博しているYouTuber・トーマスガジェマガさんをご存知でしょうか。
このトーマスさんが防音DIYにチャレンジしたところ、「そんなやり方じゃ意味ない」「吸音だけじゃ防音にならない」などなど、コメント欄が突っ込みの嵐になってしまいまして。
リベンジで再度防音DIY動画を挙げたら、そちらもまたまた厳しい突っ込みが💦

そこで通りすがりの防音アドバイザー私・並木が、トーマスさんと同じDIYを再現して「実際はどのくらいの遮音性能を確保できるのか」を検証してみようと思います。
(もちろん、トーマスさんも応援してくれています♪)

はてさて、どのような結果になるのか、皆さまもぜひご一緒に確認ください。

トーマス_1

トーマスさんの1回目の防音チャレンジ動画はこちらです。
壁に吸音パネルを貼っています。
【【賃貸】壁面DIYで吸音、調湿、防臭効果を俺は得たい【sotto】】

2回目の防音リベンジ動画はこちらです。
壁に遮音シートを貼った上に1回目の吸音パネルを重ねています。
【【吸音と防音は違う】遮音シート × 吸音パネルで賃貸防音リベンジ】

トーマスガジェマガさんのDIYを再現・検証

それでは早速、トーマスさんのDIYを再現してみましょう。

トーマスさんと同じ「遮音シート」と「スリット状の吸音パネル」を買って、いざ出陣です!

検証方法

検証方法は次の通りです。

  1. ピンクノイズを防音室の外で流す
  2. ピンクノイズの音量を防音室内外で測定(測定音域:125・250・500・1,000・2,000 Hzの5オクターブ)
  3. 防音室内外の音量の差(室間音圧レベル差)から遮音性能を算出

まずは、防音室の外で発生させるピンクノイズの音量から。

トーマス_2

 

音源であるピンクノイズの音量は上の画像の青色部分(室外音圧Lv)の通りでした。

次に、防音室内(ドアの遮音性能D-35)での音量を測定します。
集合住宅(トーマスさんの家)の隣家との遮音性能はD-35~40なので、この検証場所はトーマスさんの家とほぼ同等の遮音性能であるとみなせます。

トーマス_3

測定が終わりました。
防音室内で測定した音量は上の画像のピンク部分、「防音室」の遮音性能は赤部分の通りでした。

この赤部分の防音室の遮音性能が、今からDIYで貼る遮音シートや吸音パネルでどのくらい遮音効果がアップしたかの基準値になります。

DIY施工

吸音パネル

いよいよ、トーマスさんと同じDIYを防音室内に施します。

1回目の防音チャレンジと同じように、釘で吸音パネルを固定してドアを覆っていきます。

トーマス_4

 

施工終了!
さて、吸音パネルだけで一体どのくらい改善されるでしょうか。

トーマス_5

 

測定が終わりました。
「壁(ドア)+吸音パネル」の遮音性能は上の画像の緑部分、「吸音パネルのみ」の遮音性能は赤部分でした。

遮音性能に関して、125・250・500 Hzの低音域の数値は、コレただの数値のブレですね💦
低音ほど波長が長いので数値にブレがでやすく、高音ほど波長が短いので数値のブレが少ないんです。
壁面1ヶ所のみのデータということもあり、低音の数値のブレを騒音計が拾ってしまったのかな、という感じがします。
1000・2000 Hzの高音域の数値も誤差の範囲です💧

遮音シート

次は、トーマスさん2回目の防音リベンジと同じDIYを行います。
「吸音は防音じゃない!」というコメントを受けて、トーマスさんは吸音パネルと壁の間に遮音シートを挟んでいます。

ということで、私も一旦吸音パネルをはずして、遮音シートを貼っていきます。

トーマス_6

 

寸法を測って、遮音シートをカットして・・・。
この遮音シート10 mロールで、石膏ボード900 mm×1800 mmの5枚分くらいの面積、2枚分くらいの重さです。
カットするだけでも結構大変ですよ💦
ロールなので、カットする時バタンバタンと床に倒れてしまいます。
集合住宅だと下階に迷惑をかけないように、取り扱いには注意しないといけませんね。

固定はタッカーでします。
トーマスさんはタッカーをカッチャンカッチャン打つときに「お隣さん、ごめんなさい」と言いながらされているんですよ。
優しさがでていますよね!
確かに、お隣からすれば壁を叩いているのと同じですもんね。

トーマス_7

 

測定が終わりました。
「壁(ドア)+遮音シート」の遮音性能は上の画像の朱色部分、「遮音シートのみ」の遮音性能は赤部分でした。

データをみると、改善されたのは2000 Hzの高音域ですかね。
高音域のすごく細かい波長を抑えるには、遮音シートのようなゴムが効果的なんです。

遮音シート+吸音パネル

今度は、先ほどの吸音パネルを遮音シートの上に貼っていきます。

トーマス_8

 

釘を打つのが面倒だったので、とうとうビスで固定してしまいました。
弊社の建物なのでビスを打ってもOKです(笑)

吸音パネルを3枚貼るだけでも結構ハァハァします💧
壁全面に貼ったトーマスさん、凄すぎです!

トーマス_9

 

測定が終わりました。
「壁(ドア)+遮音シート+吸音パネル」の遮音性能は上の画像のピンク部分、「遮音シート+吸音パネル」での遮音性能は赤部分でした。

データをみると、遮音性能が明らかによくなるのは、やはり高音域の2,000 Hzですね。
2,000 Hzより上の周波数域であれば波長が細かいので、かなり効果がでると思ってよいでしょう。

結果

各DIYでの遮音性能を表1.に、遮音性能の向上値を表2.にまとめました。

表1. 各DIYでの遮音性能

周波数
[Hz]
壁(ドア)のみ
[dB]
壁+吸音パネル
[dB]
壁+遮音シート
[dB]
壁+遮音シート+吸音パネル
[dB]
125 約22.3 23.3 22.3 22.3
250 約25.7 26.0 26.0 26.7
500 約37.7 38.0 38.0 38.3
1,000 約40.0 41.7 42.3 42.3
2,000 約40.3 41.3 46.0 48.3

 

表2. 各DIYでの遮音性能の向上値

周波数
[Hz]
壁(ドア)のみ
[dB]
壁+吸音パネル
[dB]
②-①
壁+遮音シート
[dB]
③-①
壁+遮音シート+吸音パネル
[dB]
④-①
125 +1.0 +0.0 +0.0
250 +0.3 +0.3 +1.0
500 +0.3 +0.3 +0.6
1,000 +1.7 +2.3 +2.3
2,000 +1.0 +5.7 +8.0

 

壁に遮音シートと吸音パネルを貼って、ようやく2,000 Hzの高音域で8 dBほどの減衰が得られました。
こんなに苦労したのに、改善されたのは僅か8 dB、しかも高音域のみ、という結果でした💧

高音の聞こえ方

ピンクノイズを流しながらDIYを解体していきます。

遮音シートを貼っていた時は低音が際立っていたのですが、遮音シートを剥がしたことにより、今まで防がれていた高音域が目立ってきます。

実際に音の聞こえ方がどんな風に変わるのか、下記動画でぜひ聞いてみてください。
【Youtubeで再生されてる防音対策の商品を検証してみた!10:42】

まとめ

トーマスさんのDIYでの遮音性能を検証してみました。
各DIYでの遮音性能をグラフで示します。

<壁(ドア)+吸音パネル>

トーマス_10

<壁(ドア)+遮音シート>

トーマス_11

 

<壁(ドア)+遮音シート+吸音パネル>

トーマス_12

 

結果をみると、トーマスさんのDIYはコメントで突っ込まれていた通り、残念ながら防音性能の向上にあまりつながりませんでした💧

私たちが常々発信している「複構造(直貼りではなく空気層を設ける)」がいかに重要か、おわかりいただけたでしょうか。
防音のやり方を間違えると、頑張ってかけたお金・時間・労力が全て無駄になってしまいます。
効率よく防音するためには、情報収集とその精査が大切となります。

私たちBudsceneは音に関する正しい情報を発信することで、音の悩みの問題解決をコミットしています。
音について心配ごと・トラブル・疑問などありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。
トーマスさんも検証のご快諾、ありがとうございました。

防音アドバイザーBudscene並木でした。

質問コーナー

Q. 検証では、音源に対する遮音シートと吸音パネルの順番がトーマスガジェマガさんのDIYと逆ですが、この点は結果に影響しないのですか?
・トーマスさん:音源→吸音パネル→遮音シート
・貴社の検証:音源→遮音シート→吸音パネル
A. 弊社の構造上、順番が逆じゃないと施工できないんですよね。
ただ、遮音シートと吸音パネルのどちらが音源側でも、
部屋の容積に大きな差がない限り、低中域の音の場合には遮音性能に違いはでません。
高音域の違いも微々たるものなので、検証は問題ないと考えています。

Q. 貴社の相談窓口を教えてください。
A. 次のどの方法でもご連絡いただけます。

Q. トーマスガジェマガさんのYouTubeチャンネルを教えてください。
A. こちらになります。【トーマスガジェマガ】
色々なことにチャレンジしている面白いチャンネルで、トーマスさんもとても気さくでお茶目な方なので、ぜひ訪れてみてください。

関連動画

【Youtubeで再生されてる防音対策の商品を検証してみた!】

【防音アドバイザー 並木勇一チャンネル】

検証の発端となったトーマスさん動画はこちら↓↓↓

【【賃貸】壁面DIYで吸音、調湿、防臭効果を俺は得たい【sotto】】
【【吸音と防音は違う】遮音シート × 吸音パネルで賃貸防音リベンジ】

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