【事例53】-低音域の残響を減らしたい-
リビングの窓から低い周波数の騒音が入ってきます。
少しでも小さくしたいのですが、どうすればよいでしょうか?
防音のお悩み相談・質問コーナー。
今回のゲストは、リビング窓からの騒音に困っているzさんです。
では、ご相談・ご質問をどうぞ!
こんにちは。
鉄骨RC造マンションの1F角部屋に住んでいます。
リビングに対して外からの騒音を抑えたく、窓の防音動画を参考に、腰高窓用にはめ込み型の防音パネルを製作しました。
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お陰さまで窓方向からの音の侵入はやや低減できました。
しかし、まだ低音のノイズがあります。
ノイズの音量は
・40 Hzで67 dB
・50 Hzで72 dB
くらいです。
騒音が室内で定在波(※1)となりやすく、卓越周波数(※2)を含む強い音になっています。
そのため、侵入する音を弱くするだけでなく、吸音についても相談にのっていただきたく連絡いたしました。
音源と思われる屋外施設は100 mほど離れており目視できます。
よろしくお願いします
※1 定在波・・・波長・振動数・振幅・速さが同じで進行方向が互いに逆向きの2つの波が重なり合うことによってできる、波形が進行せずその場に止まって振動しているようにみえる波
※2 卓越周波数・・・不規則な振動がある時に、最も揺れる時の振動数
こんにちは。
リビングに侵入してくる低音に困っておられるのですね。
まず、吸音では残響時間に変化がでるだけで、音量には変化がありません。
吸音率が上がっても音量が小さくなるまでの時間が短くなるだけで、音量自体が小さくなるわけではないんです。
そのため、侵入してきている音に対しては、吸音ではなく防音での対処が有効かと思われます。
それに、125 Hz以下の低音域の吸音率を上げるのは非常に難しく、吸音材だけではほぼ効果は得られません。
こちらの吸音率を見ていただくとわかるとおり、厚みや密度を変えても125 Hzでは0.2程度の吸音率です。
薄いベニア板などで、少しでも吸音率を上げるためにチャレンジするのはよいかもしれませんが・・・。
早速のご回答ありがとうございます。
低音を防音するのは、ハードルが高そうですね💧
メンブレン方式(※3)かヘルムホルツ共鳴(※4)を利用したバストラップ(低音吸収剤)を考えてみたいと思います。
※3 メンブレン方式・・・薄いゴム膜(メンブレン)の層が重なった構造
※4 ヘルムホルツ共鳴・・・空気がばねのような役割を果たして発生した音による共鳴。共鳴している音を中心に、音の運動エネルギーを吸い取る効果があり、この特性を活かして音を打ち消すことができる。
扱いの難しい波長なので、色々と試しつつ対策したいと思います。
ありがとうございました!
防音性を向上させるのが難しい場合は、室内の騒音を紛らわせる方法がおすすめです。
音楽や自然音などを流すのが簡単で効果的な方法かと思いますよ。
サウンドマスキング(※6)はトライしましたが、音域幅が狭く、またサウンドマスキング自体の音が大きくないと効果がないので、実用的ではありませんでした。
※6 サウンドマスキング・・・音で他の音を隠すこと
サウンドマスキングの考え方ではなく、人の耳は高音に引き寄せられるという特性を利用するといいですよ。
個人差はありますが、高音が流れていると、低音を意識しにくくなります。
同じ音量が漏れる部屋で、
①片方は無音に近い状態
②片方は雑音が聞こえる状態
であれば、
②の雑音が聞こえる状態の方が低い周波数の騒音を感じにくくなります。
下記のような音源をそこそこ品質のよいスピーカーで流すと、低音の音量を大きくしても、あまりうるさいと感じませんよ。
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そういうことだったのですね💡
ただ、学生の頃にPA(Public Adress、音響機器)をかじっていたからか、違和感のある音をみつけて拾ってしまうくせがありまして・・・。
なるほど、そうなると残響時間を短くしていく方向がいいのかもしれませんね。
どうしても低音域の吸音を行いたい場合は、吸音材の容積に対して表面積を増やすと残響時間が多少短くなるでしょう。
例えばファブリック(※5)の椅子のような商品を置くなどしてみてください。
※5 ファブリック・・・綿・ポリエステル・ナイロンなどの繊維を織り込んだ布製の張地
容積に対する表面積はまだまだ工夫の余地がありそうです。
改善の視点になります。
現在の部屋の残響音の伸び時間は、
・50 Hz → 0.86秒
・63 Hz → 0.48秒
・250Hz以上 → 0.2~0.3秒前後
でした。
今現在の室内も、吸音材の利用でかなり吸音率は高めになっているようですね。
そうでないと残響時間が0.2秒にはならないので。
ここまで残響時間が短いと、ご自身の呼吸音や声、服が擦れる音などもサッと消えてしまうので、逆に騒音は際立って聞こえているかもしれません。
厚さ2.5 mmの薄ベニアパネル(薄ベニアの後方には150 mm程の空気層かグラスウール充填)を置くなどすれば、変化がでる可能性があります。
薄ベニア板をトランポリンのようにして表面に衝突した音を吸音させることを目的としているので、フレームに対して薄ベニア板の固定はしっかりしなくてOKです。
スペースに余裕があるなら、薄ベニア板を天井から何枚か吊るすのもよいかもしれません。
薄いベニヤ板の設置にトライしてみます。
その場合、薄ベニヤの背後の空気層に充填するグラスウールは個人で扱うには後処理に困るので、代替として再生ポリエステルの使用を考えています。
まずは空気層に何も充填せずに試してみてください。
ポワンポワンした薄ベニア板により吸音率向上が期待できるはずですよ。
わかりました。
ありがとうございます。
アドバイスをもとに、300 mm×600 mmの厚さ2.5 mmの薄ベニヤ板3枚を購入して、配置パターンを変えながら試しました。
背後の空気層なしのため大幅な音の伸びの減衰は確認できませんでしたが、振動波の腹になっていそうな部分を狙って配置した時に、わずかですが減衰したことを確認できました。
ご報告ありがとうございます。
試行錯誤なさって尽力されているのですね。
理想の環境が手に入るように、応援しています。


