ヴァイオリン演奏 防音室
【ご家族の想いが詰まった防音室】
初回の打ち合わせからご夫婦、お子様のご家族4名でお越しくださいました。
ご家族が思い描く新居に防音室を施工したいという希望をたくさんお聞かせいただきました。 お子様がいつでもヴァイオリンの演奏ができるようにすることが防音室のミッション。
つまり、早朝でも深夜でも演奏したいと思った時に練習でき、近隣住宅に音が聞こえないようにする防音室はもちろんのこと、生活しているご家族から練習風景が見えた方が良いか、見えない方が良いか?も細かく模索しました。
現在小学生のお子様なので、今はご家族に練習風景を見てもらった方が安心かもしれませんが、中学、高校と成長するにつれて、練習風景を見られたくなくなる可能性も考えられます。
通常、 防音室の施工だけで、防音室の中を見せるか見せないかを検討すると、防音ドアに窓をつけるかつけないか、という選択肢しかありません。
ただ、今回はバドシーンにご相談いただいたので、建物の設計に関わる部分も考慮していただき、 防音室と廊下の間に前室を設け、防音室の出入り口には大型のガラスサッシ、廊下からの入り口には木製建具を配置することで、防音室の中を見せるか見せないかはご家族が選択できるようにデザインしました。
【ご夫婦の最大の心配は近隣住民】
お子様は熱心に数時間続けて練習することもあり、早朝や深夜に練習することもよくあるとのこと。
いつでも気兼ねなく演奏ができるよう、安心できる防音室が必要でした。
新築住宅のため、土地、建物、家財、引っ越しなど費用がかさみ、防音室にかけられる予算は限られています。 この予算の中で機能性も充実させる部屋を目指して、打ち合わせを重ねていきます。お引越しの準備、現在の家の退去、など様々な心配事がある中、バドシーンにお越しいただいた時には防音室に集中してお部屋の構成を組み上げていきました。
【大型サッシを上手に使う】
防音室の出入り口のガラスサッシは2重サッシを採用。
防音ペアガラスと異厚ペアガラスを利用して30dB以上の減衰値を確保しました。
防音室の中からみて右側は階段下収納、左側が出入り口になっています。
区切られた2つの空間に対して、2つの扉をつけるのではなく、1セットのサッシで前室へつながる出入口と収納への出入りを可能にしています。
防音ドアをそれぞれ2ヵ所に利用するよりも、はるかに予算を抑えられる設計です。
階段下の収納が見えないように、右側の収納側にくるサッシには目隠しフィルムを貼っています。
そして、このお部屋にはもう一つ、道路側に面する小さなサッシがあります。
このガラスサッシは木造の外部窓に2重の内窓を加えて、遮音性能を確保しています。
外部窓は曇りガラスになっているので、昼間はシャッターを開けて、日の光を取り込みながら演奏する事もできます。
写真からも大型サッシと外部サッシのバランスが良く見えるのではないでしょうか。
【内装デザインはお子様が担当】
壁紙、床材、椅子生地、などのサンプルをご家族にお渡しし、
時間をかけて内装デザインを決めていきました。
演奏するお子様にとって、お気に入りのお部屋になるよう、好きなものをバランス良く散りばめていきました。
映像を観ながらの練習もあるとのことで、壁掛けの可動式TVを設置できるよう、配管や下地を組んでいます。
【お引っ越し後も続くサポート】
新居が完成する前から防音室の打ち合わせを進めてきたため、完成までの間に家の中についてお話しする機会もありました。
LAN配線やTVの設置場所などもアドバイスさせていただきました。
最終的には、宅内ネットワークやWi-Fiの設定、各部屋の壁掛けTVの施工などにも関わらせていただきました。
お引越し後にもお邪魔させていただいたので、お子様の練習風景や、普段どれだけ防音室の利用がされているかなども確認でき、改めて防音室の価値を実感することができました。
余談としては・・・・・・
工事の音についてクレームをいただいくケースもあったと
建築会社からお聞きしていたので、防音室の工事中も注意事項を徹底し、作業を進めておりました。このようなリフォーム工事による近隣トラブルのケースは少なくありません。
工事を行う私たちはお部屋が完成すれば工事完了となりますが、お客様はそこに住み続けることになるのります。トラブルには発展しないように細心の注意を払いながら進めるのは当然のことです。
ちょっとしたことで指摘を受ける場合もあり、職人さんから「こんな事があった」という報告の電話を受けることも。
その内容をご夫婦にも伝えないととは思いつつも、あまり心配を掛けないようにと大まかにまとめて報告をしておりました。
お引っ越し後は、近隣住民の方とのトラブルは発生していないとお聞きして、とても安心しております。