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【集合住宅】防音活動のススメ

更新日:

皆さん、こんにちは。
防音アドバイザーBudscene並木です。

巷には就活をはじめ、婚活・妊活・推し活など色々な〇活があふれていますね!
温活や眠活というのまであるんだとか。

〇活

そこで私も防音活動を普及させるべく愛称を考えてみました(* ̄∇ ̄*)

ボウオン活動だから略してボン活はどうでしょう?!
え?トンカツみたい?

では静活はいかがでしょう?!
読み方がセイカツかシズカツで迷いますね。

うーん、何かナイスな愛称ありませんかね?!

今回は防音活動、略して静活(仮)についてお話していきます。

生活音に配慮しよう

集合住宅での悩みとしてよく耳にするのが、近隣住人からの騒音です。
特に床や壁への直接の衝撃音は、聞こえる側では対策しにくいためトラブルにつながるケースもあります。

そこで、普段から防音活動=静活を暮らしの中に取り入れ、予めトラブルを予防していくことが大切になります。

「対策しやすい音」と「対策しにくい音」

音は振動なので、伝える媒質(音を伝える物質、例えば空気や床の木材、壁のコンクリートなど)の密度が高いほど弱まりにくく遠くまで速く伝わります。

そのため、媒質の状態で音の弱まり方も異なり、音の弱まりやすさは密度の低い順に、気体>液体>固体の順となります。

声や楽器演奏のような気体(空気)を伝わって届く音は弱まりやすく、足音や物を落とした時のような固体(床や壁)を伝わって届く音は減衰しにくいのです。

言い換えると、弱まりやすい音=対策しやすい音、弱まりにくい音=対策しにくい音でもあります。

つまり、固体を伝わる音=弱まりにくい音=対策しにくい音であるため、固体を伝わる音への対策は、音が聞こえてくる側では難しくなります

従って、音を出す側の方で周囲に配慮して生活する「静活」が大切になります。

聞こえる側では対策しにくい

実際に、音を出す音源側と音が聞こえる側とでは、音源側の方が少ない負担で対処できます

例えば、上下階で下階の住人Bが上階の住人Aの足音に困っている場合を考えてみましょう。

Aが足音を発生させないようにする対策としては、床に防振シートや絨毯を敷いたり、歩くときにスリッパを履いたりする、という方法が考えられます。

一方、Bが音を防ごうとすると居住空間全体に防音対策を施さないと効果がありません。
建物は躯体構造でつながっているので、足音は上階の床、下階の天井はもちろん、下階の壁や床からも伝わってくるからです。

伝播音2

 

そのため、防音対策は一ヶ所だけ重点的にしても意味がなく、全体の防音性能を均一にしないと無駄になってしまいます。

詳しくはこちらをご参照ください。
【「防音室の風呂桶理論」その音、漏れてますよ!】

費用にしても、本格的に防音室を設置しようとしたら100万円単位でのコストがかかってしまいます。
後から防音室工事をするなら、最初から家賃が月に1万円高い物件に住む方が総合的に安くなるかもしれません。

このように、Aが予め気を配って音自体を発生させないようにするのと、Bが発生した音を防ごうとするのでは、後者の方が圧倒的に費用・時間・手間がかかります

具体的な静活法

そこで、音を発生させる側の静活への意識が大切になってきます。

何気ない暮らしの中で、周囲に音で迷惑をかけないように一手間かけて工夫しましょう。

例えば

足音 → よく歩く場所にはカーペットを敷き、スリッパを履くようにする
・ドアの開閉音 → ドアとドア枠の当たる部分にパッキンやフェルトを貼る
・食器の音 → テーブルの上にランチョンマットを敷く
・椅子をひく音 → 椅子の足にカバーをする

静活

これだけでも周囲への効果は随分違うはずです。

実際に静活を試行錯誤し、多くの人が困っている「子供の足音」に対して満足の行く手法にたどり着いた例をご紹介します。

子供の足音のような、重いものを床に落下させたときの音(重量床衝撃音)は、近隣からの騒音の中でも特に対策しにくく厄介です。

それに対して周りへの配慮を怠らず、工夫を重ねて自分の住環境を改善しようとする姿勢は是非見習いたいものですね!

ただし一点だけ、上記発信で触れられていない部分に関する注意点があります。
それは隣室とのドアの開閉です。

重量床衝撃音への対策は、衝撃を受ける部分と床の間にどれだけ空間を設けられるかにかかってくるので、どうしても厚みが必要になります。
そのため、プレイマットをそのまま自宅で敷いたり、一般的なパネル式のクッションマットを重ねたりすると、状況次第ではドアの開閉が不自由になってしまうことがあります。

そこで色々な生活の知恵・アイディアを自宅の環境と相談しつつ工夫しながら取り入れていくことが大切になります

重量床衝撃音に対しては、この他にも

  • 表面的に衝撃を吸収しそうな素材を敷き詰める
  • 2重床にする

というような選択肢もあるので、検討してみてください。

最も効果的な静活とは

最も効果的な静活は、ズバリ!
引っ越しの時点でその物件の生活音に関して知っておくことです。

可能なら、契約前に1~2時間ほど部屋で過ごさせてもらい、騒音の具合を確かめてみましょう。
建具、壁、床の遮音性能を表すT値、D値、L値についても意識してみるとよいでしょう。

T値、D値、L値についてはこちらをご参照ください。
【【集合住宅】防音しやすい音と防音しにくい音の違いと対策方法】

築年数が古かったり、木造の集合住宅であったりすると想像以上に音が漏れて聞こえます。
入居した後に気づいても「時すでに遅し」です。
自分でDIYなどで何とかするには難しく、かといって専門業者に依頼して防音室を作るとなると高額な費用がかかります。さらに撤去の問題もあります。

後悔しない物件を選びたいのなら、建物自体の防音性能、周囲の環境(主要道路や線路が近いかなど)、集合住宅内の位置(角部屋や階層など)といった条件をしっかりと契約前に確認しましょう。

まとめ

集合住宅では、自分の気づかないところで近隣に迷惑をかけていることがあるかもしれません。
快適に暮らすには、お互いに配慮しあうことが大切です。
是非、日々の暮らしに防音活動=静活を取り入れて、周りへの配慮を怠らないようにしてください。

私たちBudsceneは暮らしの中での音との上手な付き合いを応援しています。
これからも、皆さまが少しでも快適に過ごせるような空間を提案していきたいと思います。
音について心配ごと・トラブル・疑問などありましたら、いつでも気軽にご相談ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。
防音アドバイザーBudscene並木でした。

質問コーナー

Q. 階下から足音に関して苦情が来たのですが、我が家に心当たりがなく、むしろ我が家もさらに上階の足音に我慢している状況です。このような場合、階をまたいで足音が響いていることはありますか?
A. 1階またいで足音が聞こえるというのは通常は考えにくい状態です。しかし建物全体が躯体構造でつながっているので、振動があまりにも大きい場合は影響が出ることもあり得ます。
また、斜め上(自身に対しては隣)の足音であれば、充分聞こえる可能性があります。
階下の住人に何日・何時ごろに音が聞こえたかメモしてもらい、騒音の元凶でないことを証明しみてはいかがでしょうか。

Q. 上階の洗濯機の音で悩んでいますが、中々苦情を伝えられません。
A. 残念ながら上階の洗濯機側での処置が一番効果的でしょう。
ご自身側で実施することとしては、生活スペースを防音室で囲うのが最適ですが、費用が高くなってしまいます。
周波数が合えば、ノイズキャンセリングのイヤフォンで対処する、といった方法もあります。

Q. ドアを防音強化したいのですが、どうすればいいですか?
A. 一般的な建築商材としての防音ドアはD-35減衰を再現するにもドア2枚が必要になってしまいます。
自作の場合では
ドア本体の質量で40 ㎏/㎡
・ゴムパッキン(中空のネオプレンゴムを推奨)は4方利用
・グレモンハンドル(ローラーハンドル)にて4方締め付け
が必須条件です。
目安として弊社仕様の防音ドアを例にあげますと、スチール製のオリジナル商品で価格はD-35仕様で35万円~となっております。

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【【賃貸防音】賃貸住宅などで生活音を防ぐための工事は無駄?対策についてプロが解説!】

【防音アドバイザー 並木勇一チャンネル】

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並木 勇一 株式会社Budscene代表取締役
防音室・ホームシアターの専門家として、防音室の設計デザインから音響空間のデザインまで手掛けています。 音に関するお悩みを解決するきっかけになればと考え、正しい情報を元に防音に関するノウハウや情報を発信しています。
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