コレこそが防音室だ!!防音アドバイザーの主張
皆さん、こんにちは。
防音アドバイザーBudscene並木です。
巷には防音室と「名付けられた」商品が溢れています。
しかしその性能はピンキリで、皆さんのニーズには応えられないような品質の量産品から、正しい計画に基づいた設計・施工により快適な空間として提供される特注品まで実に様々です。
そこで今回は、Budsceneが定義する防音室とはどんなものなのか、私の主張を皆さんに聞いていただきたいと思っております!
どうぞお付き合いください^^
目次
Budsceneの提唱する防音室の定義
私たちが提唱する防音室の定義とは、ズバリ
①防ぐ音量を数値化し、設計から施工まで計画的に実施されている
②防音性能が証明されている
の2つです。
「どんな音をどこに対してどれだけ防ぎたいか」というゴールから材料や工法を逆算し、施工後にはお客様のご要望通りの性能が満たされているかをきちんと確認する。そこまでを終えて初めて防音室完成と胸を張れると考えております。
防音アドバイザーの悩み
私たちは、お客様の音への困りごとを減らしたい!と日々真摯に防音室作りや情報の発信に取り組んでいます。
しかしこの頃はそれが高じて、苦々しく思うことが生じてきてしまいました💦
それは、私たちが手掛けた防音室もお金儲けのために適当に作って売られている名ばかり防音室も、同じ「防音室」というくくりにされてしまうということです。
同じくくりに入れて欲しくないケースは次の3つです。是非私の心の叫びを聞いてください!
たまたま音が漏れにくくなっている部屋
「たまたま音が漏れにくくなっている部屋を防音室とはカウントしないぞー!(>o<)」
たまたま音が漏れにくい部屋とは、例えば鉄筋コンクリート造の地下室や窓がない納戸などのことです。
このようなスペースの場合、結果的に音を防げてもそれは偶然であって、計画的に設計・施工されているわけではありません。もちろん防ぎたい音量を数値化してもいないし性能保証も行われていません。防音室の定義(Budscene版)のどちらも満たしておらず、一般的にも防音室とは到底呼べないでしょう。
量産品のユニット式防音ルーム
「ユニット式防音ルームは実際の遮音性能を記載していないから、記載されている遮音性能の数値を信じて買うと問題が解決しないことがあるぞー!」
ユニット式防音ルームとは、市販の組み立て式の防音ブースのことです。有名メーカーからも販売されており、便利そうということで利用を考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかしユニット式防音ルームは、皆さんの1件1件の防音ニーズに個別に対応するようには作られておりません。つまり計画性がないのです。
さらに、記載されてある防音性能も「透過損失値」という理想の条件下での遮音性能であり、実際に利用した際に再現できる数値ではありません。(記載する遮音性能を透過損失値ではなく実測値にすると、性能が著しく低く見えてしまいメーカー側に不都合なため、今後も透過損失値の記載はなくならないでしょう。)
もちろん組み立てた後に性能保証をしてくれるわけでもないので、個々のニーズを満たせずに安物買いの銭失いになってしまうケースも珍しくありません。
私としてはそういった量産品と、一生懸命丁寧に一人一人の状況に合わせて創った防音室とを一緒にしないで欲しい!という気持ちが強くあります(^^;)
ユニット式防音ルームに記載されている防音性能についてはこちらに詳しく記載しました。
【ユニット式防音ルームに潜む罠!重さで防音性能を見極めよう】
どうぞご参照ください。
性能保証されていない部屋
「『作りっぱなしで後は放置』は防音室として認めんぞー!」
防音室作りを依頼しても、業者によっては性能測定が実施されずに終わるケースが多々あります。
こういった場合も個人的には防音室のくくりに含めたくないと思っています。
このような業者が性能を保証していない理由は、施工に不安があって効果を保証したくないからと考えるのが妥当です。
プロとしての誇り
弊社Budsceneは、皆さまの音のお悩みに誠実に向き合い、防音に対して誇りを持って取り組んでいます。
そのため具体的には次のようなことを心掛け、実際に行っています。
- 実測値で勝負
- 誠実な対応・公正な発信
創業から15年間、Budsceneでは防音室施工後に必ず性能保証を行い、お客様が納得・安心して過ごせるような防音室を提供しています。
ありがたいことに性能クレームゼロであり、お客様側にもご満足いただいているのではないかと自負しております。
また、私は防音アドバイザーとして音に関する相談を色々と受けてきていますが、お話を伺っていると世の中には信頼できない情報・業者・商品が本当にたくさん出回っています。
隙あらばカモにしようと積極的に狙ってくる、「誤解してくれたら儲けもの」とばかりに意図的に曖昧な表現を使う、知識不足で誤った説明を平気でする・・・と挙げたらキリがありません。
そういった悪徳業者とは一線を画すために弊社ではお客様に対する誠実な対応をモットーとし、メリットだけでなくデメリットも含めた正確な情報の開示をしています。例えば「工期は3週間以上かかります」といったようなことも事前にきちんとお伝えして、不都合なことを隠すようなことは致しません。
お客様の状況をお聞きして、防音室が不要な場合やそれほど性能を高くしなくてもよい場合にも正直にお伝えしています。無駄に性能(=価格)を高く見積もることはしませんので、そこもご安心くださいね。
まとめ
私たちは防音室の定義を、「防ぐ音量を数値化し、設計から施工まで計画的に実施されている」「防音性能が証明されている」部屋であると提唱します。
防音室施工のプロとして誇りを持っているからこそ、これらを満たしていない部屋は防音室のくくりに入れないで欲しい!と切に願っています。
これからも責任を持って、安心して音を楽しめる空間、もしくは静寂を満喫できる心地よい空間をご提供したいと考えています。
音について心配ごと・トラブル・疑問などありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
防音アドバイザーBudscene並木でした。
質問コーナー
Q. カラオケルームは防音室と考えてよいのですか?
A. むむむ・・・
なかなか微妙なラインですね・・・💦
ある程度の防音性を確保しようと計画的に作られている点では防音室と言えるかもしれませんね。
しかし、性能検証はされていないと思うので・・・ギリギリアウトですかね?!
Q. 近所の焼肉屋の排気ダクトの音や夜間のバイク騒音が不快であり、「まどまど(※1)」や「ラミシャット(※2)」を設置しました。
(※1 まどまど・・・AGC株式会社が製造・販売する内窓。※2 ラミシャット・・・AGC株式会社が製造・販売する防音ガラス。)
さらに遮音カーテンで対策しましたが、排気ダクトの音への改善もほとんどみられません。それどころか、バイク騒音や車のドアの開け閉め音が今まで以上に響く感じでうるさくなりました。せっかく高額で対策したのに、本当に悔しくて涙が出ます。
防音対策して効果がないどころか、さらにうるさく聞こえてしまうのは何故なのでしょうか?
A. 防音対策は音の特性上、高い周波数には効果が得られやすいのですが、低い周波数では効果を得にくくなります。実施された対策法で高い周波数への効果は十分得られているはずですが、低い周波数への効果は僅かであるために、低音が際立って聴こえてしまっているのではないでしょうか。
内窓や防音ガラスを設置していたら、遮音カーテン程度の防音性能では防音効果には影響ないでしょう。あってもなくても変わらないはずです。(吸音効果は別です。)
そして内窓や防音ガラスを設置しても、壁以上の防音性を確保することはできません。戸建て住宅であれば、建物自体の遮音性能は30~35 dB減衰です。隣接道路を走るバイクや車は80 dB以上の音が出ているはずなので、内窓や防音ガラスを設置しても家の中では45~50 dB聞こえるでしょう。焼肉屋さんの換気扇の音が70 dB程だとして、家の中では35~40 dB聞こえるはずです。これは音として十分認識できる音量です。
現状以上の改善をご希望であれば、まずは騒音の音量を測定して何dB減衰させるのかゴールを定めた上で、DIYでの施策や防音工事が必要になってくると考えます。
下記を参考にしてください。
【プロが教えます!必要な防音性能を確実に調べる方法とは】
【外がうるさい!防音したい!】
【スマホの騒音計アプリで防音対策!】
【音漏れ確認や防音DIYの目安の簡易測定に利用できる【ピンクノイズ】】
Q. 電子ドラム用の乾式防振浮床を作ろうと思っています。
鉄骨鉄筋コンクリート造の集合住宅で、下には他の方が住んでいます。
床の遮音性能をLH-50程まで下げたいのですが、防振性能を上げる方法がありましたら教えてください。
A. 集合住宅でのドラム演奏の場合、最大レベルの遮音性能を確保しなければなりません。
床だけではなく壁や天井から伝わる音もあるので、上下階及び隣居室に聞こえないようにすることはほぼ不可能でしょう。
電子ドラムでも下階に対して振動音を聴こえないようにするのはなかなか難しいですよ。
DIYでできる防振床なら、こちらのTwitterアカウントで実施されている方法が効果があると考えられます。
https://twitter.com/openbouonshitsu
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