強力な防音商品はどうやって選ぶ?!秘訣は〇〇です。
皆さん、こんにちは。
防音アドバイザーBudscene並木です。
防音DIYの際に防音商品を探そうとすると、種類がたくさんありすぎて、どれを選べばよいのか迷ってしまいませんか?!
そういった方たちのために、今回は防音材を選ぶポイントをお伝えします。
重さに着目!
木材・グラスウール・石膏ボード・遮音シートなど、防音材にも様々なものがあります。
インターネットで購入しようとすると、市場に出回っている商品の多さに「どれを選べばいいの?」と愕然(がくぜん)としてしまう方も多いでしょう。
そんな時は重さに着目です!
重い防音材ほど、効率的に音を遮ってくれます。
音は振動なので、伝わる時に物体を揺らしながら進みます。
そのため、揺れにくいもの=重いものが空気を伝わる音を跳ね返しやすく、音を防ぐ効果が高いのです。
「重い」の基準は?
「重い」といっても、どのくらいの重さが「重い」のでしょうか。
同じ重さでも人によって感じ方は違いますよね。
基準を設けて同じ条件で比較しないと重さの判定ができません。
そこで、重さを考える時は「単位体積あたりの重さ=密度[g/cm3]」の値で比較することにします。
密度の単位[g/cm3]=[kg/m2・mm] と書き換えることができ、これはつまり商品の面積1 m2・厚さ1 mmあたりの重さを表しています。
防音材は、壁や天井・床などに対して板状で使うことが多いので、面積1 m2・厚さ1 mmあたりの重さの値(=密度)が大きいほど遮音性が優れているといえます。
コスパを比較
それでは今度は、防音材のコスパのよさを比較してみましょう。
コスパのよさは、同じ重さを確保するのに費用がどのくらいかかるか、つまり1 kgあたりの価格の低さと考えることができます。
主な防音材の「1 kgあたりの価格[円/kg]=コスパ」を表1.に示します。
表1. 主な防音材のコスパ
| ① 材質の密度 [kg/m2・mm] |
② 商品の厚み [mm] |
③商品1 m2あたりの重さ [kg/m2](③=①×②) |
④ 商品の面積 [m 2] |
⑤ 商品の重 さ [kg](⑤=③×④) |
⑥商品の値段 [円] |
⑦コスパ=1kgあたりの価格 [円/kg]
(⑦=⑥÷⑤) |
|
| 鉛シート | 11.3 | 0.3 | 3.4 | 0.46 | 1.56 | 7,000 | 4,500 |
| 吸音材(グラスウール) | 0.032 (32 K) |
50 | 1.6 | 1.0 | 1.6 | 9,500 | 6,000 |
| 防音カーテン | – | – | – | 3 | 30,000 | 10,000 | |
| 遮音シート | 1.75 | 1.2 | 2.1 | 9.4 | 19.7 | 7,000 | 360 |
| 石膏ボード | 0.67 | 12.5 | 8.4 | 1.66 | 14 | 580 | 42 |
表1の⑦をみると石膏ボードがズバ抜けて低い価格であり、コスパがよいというのが一目瞭然です。
弊社で石膏ボードを推奨しているのも、こういった理由からです。
予算や部屋のスペースに限りがある中での防音対策には、コスパのよい石膏ボードがおすすめですよ♪
最強の防音材については、こちらもご参照ください。
【コスパ最強の防音材はこれ!】
【コスパ最強の防音材はこれ!防音材のメリット・デメリット -2024年7月Ver.-】
注意点
さて、ここで防音上の注意点が2つあります。
1つ目は「材料が重ければ必ず防音が成功するわけではない」という点です。
防音では、材料の重さに加えて作り方も重要な鍵となります。
適当で効率の悪いやり方だと、せっかく材料がよくても宝の持ち腐れです。
作り方に関してはこちらをご参照ください。
【防音効果を最大限まで高める方法とは?】
2つ目は「重い材料であればあるほど防音に適しているわけではない」という点です。
確かに重ければ重いほど遮音性能は上がるのですが、重いと今度は運搬や施工上での問題がでてきます。
重くて持ち運べない場合は運搬費がかかり、施工時も落ちたり剥がれたりしやすくなります。
そのため、運べる重さかどうかも考慮して材料を選ぶ必要があります。
防音材の購入方法
インターネットで石膏ボードを買う場合は、アウンワークスやモノタロウが種類豊富でおすすめです。
ただし、別途送料がかかるんですよね💧
Amazonや楽天市場はあまり選択肢がありません。
送料を抑えたい時はホームセンターで材料を購入して軽トラックを借りると、レンタル無料なはずなのでお得ですよ♪
まとめ
今回は、防音材を選ぶポイントと材料のコスパに焦点を当てました。
音を遮る材料が重ければ重いほど遮音効果は高くなります。
そのため、より密度の高い防音材を安価で買えればコスパよく防音できます。
防音材1枚ならほんの少しの価格の違いでも、実際の施工では何枚も必要になるので、総額の差は侮れません。
少しでも費用を抑えて、コスパよくDIYに取り組みましょう。
私たちBudsceneは様々な防音情報を発信しています。
音の悩みを減らすことで、少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
音について心配ごと・トラブル・疑問などありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
防音アドバイザーBudscene並木でした。
質問コーナー
Q. ただいま防音DIYの真っ最中です!
「合板+吸音材+合板」のパネルで防音壁を作っているところで、壁に充填する吸音材としてエコパルトンというセルローズファイバー製の商品を考えています。効果は期待できますでしょうか?
・産廃が出ないこと
・女性でも組める範囲の重さで、可能な限り防音性を確保すること
の2点で構成を考えておりました。
A. グラスウール10 kや16 kと比較するとかなり費用がかかるので、吸音材より合板の枚数を増やす方がコスパはよいと思われます。
Q.「壁一面全てには防音施工できない場合」です。
集合住宅で隣人宅との境の壁一面に防音施行したいのですが、クローゼットの扉がその壁に90°で設置されており開閉に邪魔になるため、できません。
この状態では防音効果はあまりないでしょうか。
A. 音は防音性が低い部分から漏れるので、DIYできない隙間があるとそこから聞こえてしまいます。
よって、間取りも上手に使い「どんな音をどこに対してどれだけ防ぎたいのか?」から「複構造の壁をどのように建てるのか!」「施工できない部分をどう補うのか!」を考えるとよいと思います。
こちらをご参照ください。
【【宅内防音】引き戸や防音困難な間取りを防音する方法!】
【数値で考える!絶対に苦情が来ない防音室】
Q. 趣味で楽器を演奏するため、防音室ありのマンション購入を検討中です。
カワイ音響システムの「ナサール」という防音室の施工がされる物件を見つけましたが、性能などご存知でしょうか?
テレワーク中に他の住人の楽器演奏の音が聞こえてきて仕事の妨げにならないか心配です。
A. ナサールが設置されるのであれば、ある程度の防音性は期待してよいかもしれませんね。
どのような楽器の演奏をされるのでしょうか?楽器の音量や音域、音色によっても感じられる効果は変わってきます。
下記を参考にしていただけたらと思います。
【楽器メーカーの防音室!測定してみました!】
Q. 密度と比重は何が違うのですか?
A. 数値としては同じです。
密度とは単位体積当たりの質量のことで、単位は[g/cm 3]や[kg/m3]です。
比重とは水の密度1[g/cm 3]を基準にした対象物質の密度の比のことで、単位はありません。
例えば密度11.34[g/cm 3]の鉛の比重は、そのまま11.34ということになります。
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【強力な防音商品はAmazone、楽天では手に入らない!】
【防音アドバイザー 並木勇一チャンネル】
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