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部分的な防音だけでも効果はある? 防音ドア、二重窓の防音効果

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みなさんこんにちは。防音アドバイザー並木です。
今回は、部分的な防音について事例を交えてご紹介します。

窓だけ・壁だけ防音対策したいとお考えの方は非常に多く、よくご質問をいただきます。これに対する答えは「部分的な防音は、効果がある場合とない場合がある」となります。

部分的な防音対策とは

・ドアの隙間を埋める
・防音性の高いドアに付け替える
・窓を二重にする など

部分的な防音には、自分でできる対策から業者が施工するものまであります。
防音対策として有効的なものもありますが、高い音や低い音、大きい音など、全ての音に効果を発揮するわけではありません。

■効果がある部分的な防音

例えば極端な話、防音室のドアが段ボールだとします。
ドアからの音漏れがひどく、到底防音室とは呼べません。

そこで、部分的な防音として、防音ドアに付け替えます。
防音ドアは、壁と同等の遮音性能を持っています。

壁とドアの性能が等しくなることで、ようやく防音室の効果が発揮されます。

音が漏れている箇所の性能が著しく低い場合
これが部分的な防音の効果があるケースです。

風呂桶理論

防音の考え方として「風呂桶理論」というお話をしております。
(風呂おけ=木製のおけ)

木の板が部分的に短かったら、水が漏れてしまいます。

防音室も同様に、一部分の性能が低いと音が漏れてしまいます。
木の板を、防音室を構成する床・壁・ドアなどに置き換えて考えます。

どれか一つの性能が低いと、そこから音が漏れてしまいます。
逆に、どれか一つの性能が高くても、防音室全体の遮音性能は上がりません。

風呂桶理論について、詳しくはこちらをご覧ください。

部分的な防音の事例

事例別に、部分的な防音で「効果があるか・効果がないか」ご紹介します。

■ドアから音が漏れる

ドアの性能が低いので、床・壁・天井と同じぐらいの性能になるようにしたい。
部分的な防音対策として、高性能のドアに付け替え、隙間を埋めた。

これは効果があります。
(※床・壁・天井の性能以上にはなりません。)

■外に漏れる音

外に漏れる音、外から聞こえる音が気になる。
外壁の性能は充分であるため、窓などの性能が低い可能性が高い。
部分的な防音対策として、二重窓にして、換気扇の隙間を塞いだ。

これは効果があります。
(※外壁の性能以上にはなりません。)

■壁から漏れる音

壁から聞こえる隣の部屋の音が気になる。
床・天井からの音は気にならない。
部分的な防音対策として、間仕切りを追加して壁の性能を強化した。

これは効果があります。
部分的に性能が低い壁の性能の強化なので、部分的な防音の効果が期待できます。

■全方向から漏れる音

天井から上の階の音、壁から隣の部屋の音が聞こえる。
部分的な防音対策として、間仕切りを追加して壁の性能を強化した。

これは効果がありません

この場合、性能が低い箇所は天井と壁です。
性能が低い箇所が複数ある場合は、部分的な防音は無意味です。

防音ドア

Budsceneでは、施工する防音室にはオリジナルの防音ドアを使用しています。
防音ドアだけ発注したいという連絡をいただくことがあります。
減衰値が保証できるドアなので、評価いただけることは非常にうれしいです。

しかし、ドアだけの販売は行っていません。
ドアの性能を高くしても、部屋の性能が低くては音を防ぐことはできないためです。

我々の作る防音ドアは、3つの性能があります。
D-35/D-40/D-45この中で最も性能が高いドアがD-45です。
この3つの性能から、お客様の求める防音室の性能に合うドアを取り付けます。

弊社、防音室ショールームの防音ドア

■本当はD-50のドアも作りたいが作れない理由

D-45までしかない理由は、重さにあります。

音を防ぐためには、重さが必要です。
重くなるほど、音を防ぐことができます。

人力(3人くらい)で運べる限界が、D-45のドアというわけです。

■D-50以上の性能が必要な時

発生する音の大きさによっては、D-50やD-60の性能が必要になる場合もあります。
この場合は、D-40とD-45の2枚を設置するなどの方法を取ります。

■より高性能のドアが必要な時

医療施設や研究施設では、一般的な防音ドア以上の性能が必要になることがあります。
このような場合、ドア設置後、ドアの中にコンクリートを流し込みます。

コンクリートを流し込むドアの欠点は、ドアの調子が悪くなったり移設するには、破壊するしかないことです。

■実測値と透過損失

我々のつくる防音ドアの性能は、実測値です。
防音室に設置したときに、実際にその性能がでていることを証明する値です。

透過損失は、工場測定値です。
理論上、その性能がでるというものです。
例えば透過損失が60dBのとき、実測値は55dBなど、低くなることが一般的です。

二重窓 二重サッシ

ガラスは音を通しやすい素材です。
外への音漏れは、窓やサッシの防音性能の不足である可能性があります。
部分的に防音性が不足している窓を強化することで、騒音を減らすことが可能です。

■二枚目の窓、サッシの選び方

ガラスの種類によって、防ぐことが得意な音の高さが異なります。
二重窓にするときは、
・元のガラスと違う厚みにする
・防ぎたい音の特徴に合わせたガラス選び
・金属製のサッシ
・隙間ができないようなゴムパッキン
などで、効果的に音を落すことができます。

ガラス選びについて
https://budscene.co.jp/about/20767/

まとめ

今回は部分的な防音と防音ドア、二重窓について解説しました。
部分的に防音をお考えの方は、ぜひご活用いただければと思います。

【今回の内容】

【防音アドバイザー 並木勇一チャンネル】
https://www.youtube.com/c/budscene_yuichi_namiki/featured

 

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防音アドバイザー 並木勇一チャンネル
並木 勇一 株式会社Budscene代表取締役
防音室・ホームシアターの専門家として、防音室の設計デザインから音響空間のデザインまで手掛けています。 音に関するお悩みを解決するきっかけになればと考え、正しい情報を元に防音に関するノウハウや情報を発信しています。
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