防音DIYでペットの鳴き声を防ごう!
Hello everyone.I am an advisor for soundproof, Budscene Namiki.
何故、急に英語かって?
犬は「Bow-wow(バウワウ)」、猫は「meow meow(ミャオウミャオウ)」、鶏は「cock-a-doodle-doo(クックドゥードゥルドゥー)」、豚は「oink(オインク)」。
動物も英語を話すそうなので触発されました(笑)
え?英語を話すんじゃなくて、鳴き声の聞こえ方が違うだけ?!
全々違いすぎです!(^^;)
そういえば今年流行ったノルウェーのキツネダンスでは、キツネの鳴き声が永遠のミステリーとされていました。
日本では「コンコン」ですけどね(笑)
今回は、そんな動物・ペットの鳴き声に対しての防音方法について紹介していきます。
目次
ペットの鳴き声を騒音トラブルにしないために
家族の一員で、大切な存在であるペットは私たちに癒しや元気をくれます。
しかし、ペットと共に生活をするうえでは「鳴き声で近隣に迷惑をかけるのではないか」という悩みが付きものです。
特に集合住宅ではこのような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
もしかして、実はペット不可のマンションだけどこっそり飼っている、なんて方も・・・?!
そういう時には、トラブルになる前に早めに対策しておくことが大切です。
対策としておすすめしたいのが、ケージの上からカパッとはめるかたちの防音ケージカバーです。
防音ケージカバー ~プロver.~
鳴き声が外に漏れないようにするための防音ケージカバーは、ただ音を小さくするだけでは不充分です。
生きている動物がその中で長時間過ごすからです。
人間が過ごす通常の防音ブースと、防音ケージカバーの違う点は次の2点です。
- 給排気
- 衛生面
防音ケージカバーを創っていく過程では、主にこの2点において色々な試行錯誤を重ねることになります。
まずは私たちが実際に創った防音ケージカバーをご紹介いたします。
給排気での工夫
生きものは呼吸するので空気を循環させないと窒息してしまいます。
空気中の成分としては酸素濃度18%以上、二酸化炭素濃度3%以下を保たないと、酸欠や二酸化炭素中毒が引き起こされます。
そのため換気扇を設置する必要があるのですが、ペットは人間のように換気扇のスイッチを自力で入れられません。
そこで電源プラグ付きの換気扇を採用し、防音ケージカバー外へプラグを出して、家族(人間)が壁のコンセントに挿すと換気扇が回る方式にしました。
換気扇は音がうるさいので「消音ボックス」といわれる消音装置もセットで取り付けてあります。
またすぐに異常に気づくことができるように、見守りカメラも設置しました。
衛生面での工夫
ペットが内壁を引っ掻いたりして出たクズを食べたりしないように、衛生面にも気を配る必要があります。
聴覚が人間より発達している動物は反射音にも敏感なため、吸音効果でケージ内の反射音・換気扇のノイズを抑えた方が快適に過ごせます。
しかし吸音材であるグラスウール・ロックウール・ウレタンなどを内壁に貼ると、ペットが引っ搔いて食べてしまうことが考えられます。
そのため吸音効果を保ちつつ引っ掻いても削れない、内装がダメにならない方法を採用しなければいけません。
そこで、グラスウールを内側全面に貼って囲い、さらに内側表面を孔がぽつぽつと空いているステンレス製のパンチングで覆いました。
これでグラスウールまで爪が届かなくなり、表面は頑丈でも吸音効果はしっかり得られるという内装を実現することができます。
これで組み立て式ステンレスパネルの防音ケージカバーのでき上がりです。
防音ケージカバー ~DIY ver.~
皆さまが防音ケージカバーを実際に創ってみる場合には、ステンレス加工の点でハードルが高くなってしまうことが予想されます。
そこで、DIYで作ることのできる防音ケージカバーについても紹介していきます。
本記事ではコツが必要な
- 給排気
- 衛生面
- 出入り口(ドア)
- 採光面
について詳しく解説します。
本体となる箱に関してはこちらで詳しく説明しているので、どうぞご参照ください。
【DIYで防音室を作る方法」】
給排気
防音には気密性が必要ですが、それだけを重点的に施工すると酸欠状態におちいってしまいます。
逆に空気の循環を優先すると、防音の観点ではあまくなります。
この防音と換気という正反対の方向性を両立させるためには、空気穴を長いトンネル状にして、防音ケージカバーの内側に吸音材を貼る構造が適しています。
<手順>
- 100φ(直径100 mm)の穴を2個空ける
- 両方にフレキシブルダクト(吸音しながら空気を中に入れたり外に出したりすることができるダクト)を2 m以上接続
- 片側だけ給気のためにパイプファン(給気用コンセントタイプの100φ)を接続
※1 換気の種類
- 第1種換気・・・給気・排気とも機械換気で行う方式
- 第2種換気・・・給気を機械換気、排気を自然換気で行う方式
- 第3種換気・・・給気を自然換気、排気を機械換気で行う方式
- 第4種換気・・・給気・排気とも自然換気で行う方式
衛生面
ステンレス製のパンチングだと費用面・加工面で難しいので、洗えるもの・使い捨てのものを利用することをおすすめします。
座布団・布団・毛布を内側にマジックテープなどで貼るとよいでしょう。
ホームセンターなどで売られている養生用の毛布であれば吸音効果もあり、表面も頑丈です。
2セット用意しておくと洗濯中に交換して使うことができ、防音ケージカバー内を清潔に保てるので匂いや掃除の問題も解決できます。
出入口(ドア)
高気密の断熱点検口を利用するとよいでしょう。
性能が不足していたら遮音シートを足していきましょう。
採光面
窓を取り付けるとDIYの難易度が上がります。
ガラスやアクリルなどは透明度が高く中の様子がうかがえるので使用したくなりますが、防音性が低下してしまいます。
防音性を重視するならおすすめはしません。
採光的には防音ケージカバー内に電池式の照明を設置するだけでも充分です。
まとめ
ペットと共に生活するには防音問題は重要な問題です。
大切なペットが近隣から迷惑がられるのは悲しいので、防音対策を工夫して快適に暮らしましょう。
私たちBudsceneは様々な防音情報を発信していますので、是非正しい知識を得てDIYの参考にしていただければと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
防音アドバイザーBudscene並木でした。
質問コーナー
Q. 犬の鳴き声はどれくらいの音量なのですか?
A. 約90~100 dBほどです。
90 dBはカラオケでの歌声ほど、100 dBは電車が通るときのガード下とほぼ同じ程度の音量です。
騒音として認定されるには充分な音量になります。
参照:東京都環境局「考えよう「生活騒音」」(環境庁「生活騒音の現状と今後の課題」)
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/noise/noise_vibration/daily_life_noises.files/seikatsu_souon.PDF
Q. 一般的にペットの騒音問題はどの程度起こっているのですか?
A. マンション居住者の40%ほどが経験しているという調査結果があります。
結構多くの人がペットの騒音問題に悩んでいることになります。
参照:東京都環境局「考えよう「生活騒音」」(国土交通省「平成11年度マンション総合調査結果」)
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/noise/noise_vibration/daily_life_noises.files/seikatsu_souon.PDF
Q. 防音ケージカバー内の温度調節はどうすればよいのですか?
A. ケージを置いている部屋全体の温度を調節してください。
防音ケージカバー内に貼るグラスウールには吸音性だけでなく断熱性もあります。
またドアに断熱点検口を使用している場合には、カバー内の断熱性はかなり保たれていることになります。
しかし吸排気口により空気が入れ替わるので、防音ケージカバー内の温度はケージを置いている部屋全体の温度と連動します。
防音ケージカバーの下にキャスターを付けると、エアコンのある部屋などへ移動するのに便利です。
ヒーターや冷風機などをケージ内に直接入れるとペットの怪我のもととなるので気をつけてください。
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