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Budsceneの防音室はここが違う!こだわりの防音室でオンリー・ワンの空間を実現!-施工事例2.楽曲制作の防音室-

更新日:
防音アドバイザー 並木 勇一 株式会社Budscene代表取締役
防音室・ホームシアターの専門家として、防音室の設計デザインから音響空間のデザインまで手掛けています。 音に関するお悩みを解決するきっかけになればと考え、正しい情報を元に防音に関するノウハウや情報を発信しています。

皆さん、こんにちは。
防音アドバイザーBudscene並木です。

ただ今、以前弊社で施工した楽曲制作用の防音室に伺っております。

防音室0

 

今回は施主であるBさんのご協力のもと、Budsceneの具体的な施工事例として、防音性能やこだわりポイントをご紹介いたします。

防音性能の確認

まずは、防音性能の確認をしましょう。
防音性能は防音室の要ですからね!

測定方法

測定方法は、防音室内でピンクノイズを発生させてその音量を防音室内外で測定し、その音量差(室間音圧レベル差)から算出します。

測定方法を表1. に示します。

表1. 測定方法

測定音 ピンクノイズ
測定音域 125、250、500、1,000、2,000 Hzの5オクターブバンド
騒音計 精密騒音計、A特性

測定結果

測定箇所は①屋外の壁・窓付近、②屋内の防音室ドア外の2ヶ所とします。

測定結果①

最初に、屋外の壁・窓付近を測定しましょう。

防音室a

 

防音性能は表2.の通りでした。

表2. 家の外の防音性能

周波数[Hz] 防音室内の音量
A[dB]
家の外の音量
B[dB]
防音性能
A-B[dB]
125 104 61 43
250 97 50 47
500 96 35 61
1,000 93 33 60
2,000 92 45 47

 

ここで聞こえてきているのは125 Hz、250 Hz辺りの低い音で、壁に触れるとわずかに振動が響いてくる感じです。
完全に音量がゼロになるわけではありませんが、隣家の壁の分の防音性能もプラスすると隣家内には聞こえなくなるのでご安心ください。(外に漏れる音量を完全にゼロにすることもできますが、そうすると料金も爆上がりしてしまうのでおすすめしていません。)

測定結果②

屋内に入ってきました。防音室ドア外の結果はどうなるのでしょうか。

防音室b

 

防音性能は表3.の通りでした。

表3. 家の中のドア前の防音性能

周波数[Hz] 防音室内の音量
A[dB]
家の中のドア前の音量B[dB] 防音性能
A-B[dB]
125 104 74 30
250 97 74 23
500 96 50 46
1,000 93 54 39
2,000 92 57 35

 

屋外に対しては500 Hzで約60 dB、性能的に一番弱いドア前でも500 Hzで45 dBほどでした。
このくらいの防音性能があれば、隣家に対しても家の中のご家族に対しても迷惑をかけることはないでしょう。

こだわりの室内をご紹介!

それでは防音室内をご紹介します。

こだわりポイント①「スピーカーの防振を強化したい!」

「スピーカーの防振を強化したい!」というご要望から、床をコンクリート部とフローリング(積層床)部に分け、スピーカーをコンクリート上に設置しました。

防音室c-2

 

大工さんがきっちり収めるよう努力してくれました。

こだわりポイント②「部屋を左右対称にしたい」

「部屋を左右対称にしたい!」というご要望にお応えして、設計の段階では窓との兼ね合いで左に寄るはずだった換気ダクトを中央に配置しました。

 

防音室d

 

換気ダクトは消音仕様になっており、コの字型のダクトの中にはニューホープダクトやマイクロダクト、下地が入っています。
また、ダクト自体が振動して音を伝えないように重い素材を貼っています。

こだわりポイント③「三重サッシの大きな窓に吸音パネルを設置」

三重サッシの大きな窓には、弊社オリジナルの吸音パネルをケンドン式(必要に応じてはめ込んだり外したりできる)で取り付けられるようにしました。

防音室e

 

これで音の響きを調整します。

こだわりポイント④「コンセントの数が多い」

既に防音室には機材をセッティングしているのでお見せすることは難しいのですが、コンセントの数をかなり増やしています。
DTMルーム(※1)・DAWルーム(※2)は配線も複雑ですからね。

※1 DTM(Desk Top Music)・・・コンピューターを使って音楽を制作すること。
※2 DAW (Digital Audio Workstation) ・・・DTMをする際に使用する音楽ソフトの総称。

楽曲制作用の防音室をご検討の方がいらっしゃいましたら、ぜひ弊社にご相談ください。
このように様々なこだわりポイントにも丁寧に対応いたします
個性あふれるクリエイティブな空間を、私たちと一緒に創っていきましょう。

施主様にインタビュー♪

ここからはインタビュータイムです。
施主であるBさんに色々と伺ってみましょう。

防音室f

 

本日は、楽曲制作用の防音室公開とインタビューを引き受けてくださってありがとうございます!
ざっくばらんに、忖度なしで答えていただければと思います(笑)
よろしくお願いいたします!

質問1「防音室でこだわった部分はどこですか?」

Bさん「設計時点では窓があると換気ダクトが左に寄ってしまうとのことだったのですが、防音室内を左右対称の形にしたかったので、無理をいって位置を調節してもらいました。窓は安全上残したかったので、ご対応いただけてよかったな、と思っています。」

質問2「一般的なDTMルーム・DAWルームに比べると、吸音材が少なめですよね?!響きを残している感覚だとは思うのですが、反響音などにこだわりはあるのですか?」

Bさん「今までデッドな(響きが少ない)環境で音楽制作をしてきたのですが、そうすると音量をどうしても上げてしまって、耳にダメージがあるなと感じていたんです。だから、自分のモニタリングポイントでやりたいことをきちんとできるなら、響きは多少残したいな、と思っていました。」

質問3「こういう音を実現したい」「こういう防音室にしたい」というのが初めから明確だった印象がありますが、いかがでしょうか?

Bさん「そうですね。尊敬するマスタリングエンジニアの方がいまして、その方のスタジオの音が目標でした。映画館のような広い空間の中で、端っこまで音が球体であるように感じられる、音像の奥行きまでしっかり感じられる、というのを自分もやりたいなと思っていました。」

並木「本当にスピーカーからの音がよくてビックリしました。この規模の防音室ではモニタースピーカーの音がピカイチです!」

Bさん「『モニター音の限界が自分のできる作業の限界になる。モニター音をどれだけ作れるかで自分の実力も決まる。』というのが師匠の言葉なんです。」

並木「そうだったんですね💡ここからさらなるカスタマイズですね。」

Bさん「まだまだカスタムの道は終わらないです(笑)!」

質問4「楽曲制作時の音量が極端に大きいわけではありませんよね?!防音室を必要と感じたのは何故ですか?」

Bさん「夜間の作業が多いので、夜も自由に音をだしたかったからです。たまにマスタリングなどを請け負うんですけど、夜にヘッドホンを付けながら作業をして、スピーカーで聴ける時間に確認するというワークフローが多かったんですね。それだと効率が悪いんですが、夜のうちに防音室で音を確認できると効率が非常によくなるんです。」

質問5「ご家族に対する配慮もありますか?」

Bさん「そうですね。特にここの真上が子供部屋なので、防音しないと子供が寝た後にズンドコズンドコ低音が響くことになってしまうんです。結構音量が大きいので、防音に関してはきちんとしたいと思っていました。」

質問6「遮音性能は十分確保できていますか?」

Bさん「できています!」

並木「安心しました。」

質問7「施行中に気になった部分はありましたか?」

Bさん「天井高の説明が『cm』だったのでイメージがわきにくかった、というところはありました。でもあとは設計段階でやりたいことはお話ししましたし、現場でお会いした大工さんにも「しっかりと創ります!」と言っていただけたので、ものすごく安心感がありました。」

質問8「養生はどうでしたか?」

Bさん「全く問題ありませんでした。防音室を出ると目の前が階段なんですけど、階段に養生シートをすだれのようにかけて、上の方に埃や塵が吹き上がらないように配慮してくださって。玄関から防音室に至るまで他の部屋には一切影響を及ぼさないように、しっかり対応してくださいました。」

質問9「Budsceneに求める改善点はありますか?」

Bさん「楽曲制作のプロの皆さんは基本的に専用スタジオで制作されて、DTMルームで本格的に楽曲制作をする人はまだ少ないと思うんです。ノウハウがまだ世にないはずなので『DTMルームで本格的に楽曲制作をしていきたいけど、どうしていいかわからない』という人たちに向けて、これから積極的にアドバイスなどをしていただければ、と。」

並木「わかりました!Bさんも是非、これからも少しずつ音響のバージョンアップをして理想の環境に近づけていってください♪」

Bさん、本日は防音室公開とインタビューありがとうございました!

まとめ

今回は施主であるBさんご協力のもと、楽曲制作の防音室の防音性能やこだわりポイントを紹介いたしました。

Bさんが快適に使えるようにカスタマイズされた空間、素敵でしたね!

弊社の強みはデザインの自由度が高く、趣味を追求したオンリー・ワンの防音室創りができることです。
弊社は板金加工の経験を活かしてオリジナルの部材を製作しているため、mm単位でのオーダーが可能です。壁紙や吸音パネルなどの選択肢も豊富なので、個々のお好みに対応することができます。
丁寧なヒアリングをもとにお客様のご要望に真摯に向き合い、できる限りお応えいたしますので、ご依頼の際は遠慮なくお伝えくださいね!

また、弊社では必ず防音室お引き渡し前に性能測定をして防音性能を数値化します。
そして、もしお客さまと約束していた性能より測定した性能が低かった場合は無料で再工事を行い、必ず性能を保証します。
防音工事完了後に性能を曖昧(あいまい)にしたまま費用だけは請求する、といった無責任なことは絶対にしないのでご安心ください。

私たちBudsceneは、これからも皆さまが少しでも快適に過ごせるような空間を提案していきたいと思います。
防音性能を満たすことはもちろん、お気に入りの空間としてカスタマイズしたい場合は是非弊社にお任せください。色々な用途で活用できる創造室を実現いたします。
防音ショールームの見学・体験もお待ちしております♪

最後までご覧いただきありがとうございました。
防音アドバイザーBudscene並木でした。

質問コーナー

Q. 音の響きを少なくすると音量をつい上げてしまう、というのはとても勉強になりました。
音の響きを調節するコツはありますか?
A. 吸音材を最初少なめにしておいて、ご自分で吸音材の量や場所を調整しつつ少しずつ増やしていくのがおすすめです。
最初から多くすると吸音材の買い物も無駄になってしまうし、設置も一苦労ですしね。

Q. 現在新築の家を計画中で、工房も作る予定です。工房の壁の防音について学びたいので参考動画を教えてください。
A. どんな音をどこに対してどれだけ防ぎたいか?を数値化してみましょう。
参考動画・記事を下記にピックアップしますね。

【【防音DIY】最短最速で防音の結果を出す方法!】
【防音を考える際に最低限知っておいてもらいたい動画リスト】
【大手メーカーの防音室なのに防音性能が再現されない!メーカー側の対応は? -並木の突撃調査File1-】
【「防音性能を上げてほしい!」賃貸物件オーナーさんからの依頼を解決! -並木の突撃調査File2-】

Q. 大工さんにとってつくりにくい・施工しにくいところはどういうところですか?
A. 黒のソーラトンはやりにくいと評判です。
少しの傷でも目立ってしまうし、かといってペンキを塗りなおすと吸音効果がなくなってしまうため上から塗ることもできないので、基本的に一発勝負なんです。

関連動画

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