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防音豆知識!生活音うるさいランキング10

公開日:
防音アドバイザー 並木 勇一 株式会社Budscene代表取締役
防音室・ホームシアターの専門家として、防音室の設計デザインから音響空間のデザインまで手掛けています。 音に関するお悩みを解決するきっかけになればと考え、正しい情報を元に防音に関するノウハウや情報を発信しています。

皆さん、こんにちは。
防音アドバイザーBudscene並木です。

防音を考えるうえで知っておきたい、身近な音の音量。
けれど、生活音ってどのくらいの音量なのか、意外と把握していませんよね?!

そこで今回は、身の回りの生活音が一体何デシベルなのかを具体的に測っていき、ランキング形式でご紹介します。

自宅で色々な音の音量を実際に測定してきたので、どれだけの音を防がなければいけないのか、ゴールを設定する時の判断目安にしていただければと思います。

騒音計の読み方

まず、音量を測る際の騒音計の読み方をご説明しましょう。

騒音計の測定モードにはA特性C特性・Z特性というものがあります。
それぞれグラフ1.のように補正のかかり方に違いがあるため、特徴や使用用途が違います。

  • A特性 → 人間の聴覚に合わせた補正がかかっている
  • C特性 → 低音域と高音域に若干の補正あり
  • Z特性 → 補正なし

グラフ1. 騒音計のA・C・Z特性の補正

騒音計ACZ特性

 

参照:RION「騒音・振動の基礎資料」

今回はC特性とA特性で音量を測定していきます。
実際の画面は下図のようになります。

スライド1

 

グラフで一目瞭然ですが、同じ音を測定してもC特性とA特性では測定値に違いがでます。
C特性ではほぼ実際の音量を検知していますが、A特性では人間が聞き取りづらい音域の感度を下げているからです

騒音計のグラフは横軸が周波数(音域)、縦軸が音圧(音量)です。
測定速度にはFastとSlowがあるのですが、基本的にはFastで測定しています。測定時間を区切る時に、Fastでないとピークの音を見つけるのが難しくなってしまうためです。
C特性の場合は画面左上にLCF(Level C Fast)、A特性の場合はLAF(Level A Fast)と表示されます。
数値の一番上のAPはオールパスという意味で、周波数全域の音量を算出した数値となります。

測定した音と音量

それでは生活音を測定していきましょう。
測定した音は次の10種類です。

  • エアコン室内機
  • エアコン室外機
  • テレビ正面
  • テレビ裏面
  • 洗濯機(ドラム式)
  • 換気扇(パイプファン)
  • レンジフード
  • シャワー
  • トイレ
  • 階段の昇り降りの音

特に気になりやすい生活音をピックアップしました。
皆さまは、この中でどの音が一番大きいと思いますか?

それでは、音量ランキングを発表します♪
(音量はC特性とA特性で測定し、ランキングにはC特性・オールパスでの数値を使いました。)

表1. 音量が大きい生活音ランキング

順位 音の種類 音量
[dB]
1位 階段の昇り降りの音 78.3
洗濯機(ドラム式) 78.3
3位 テレビ裏面 75.2
4位 レンジフード 74.8
5位 トイレ 74.3
6位 テレビ正面 69.4
7位 シャワー 68.6
8位 エアコン室外機 65.1
9位 エアコン室内機 58.9
10位 換気扇(パイプファン) 58.5

 

1位 階段の昇り降り

階段

 

第1位は、階段の昇り降りの音でした!

体重60 kgぐらいの大人の昇り降りを測定しました。
衝撃音なので80 dBほどと結構大きい音ですね。

屋内に階段があるコンドミニアムのような賃貸物件などで「階段の昇り降りの音が聞こえてきて困っている」というようなご相談が結構あるんですよ。

音量を抑えたい場合は、底面が厚いスリッパなどを履いて対策するとよいですよ。

同率1位 洗濯機(ドラム式)

洗濯機

 

同率1位は、洗濯機(ドラム式)です。

こちらも階段の昇り降りと同じく、80 dBほどです。
サイズ12 kg容量の洗濯機を測定しました。

洗濯機設置の際はオプションで防振ゴムを敷くかどうか聞かれるはずなので、その時は絶対敷くことをおすすめします。
洗濯機が少しでも壁に触れていると振動音が伝わるので、壁に接しないように離しましょう。

3位 テレビ裏面

テレビ裏

 

第3位はテレビ裏面です。

75 dBほどと、テレビ正面の70 dBより5 dBほど大きいという結果になりました。

テレビのスピーカーは裏側についていることが多いので、その場合は正面よりも裏側の方が音量が大きく聞こえるんですよね。
ということは、集合住宅では自分の聞こえている音よりも隣室に向かっている音の方が大きいケースがある!ということです。
スピーカーの向きに気をつけてテレビの配置を調整したり、ミライスピーカー(※1)を使ったりして隣室へ配慮しましょう。
※1 ミライスピーカー・・・言葉の「聞き取りやすさ」を追求したスピーカー

4位 レンジフード

レンジフード

 

第4位はレンジフードです。

強運転している最中を測りました。

75 dBほどとテレビ正面の音量よりも大きい音なので、料理中は強運転、リビングでのくつろぎタイムには弱運転というように使い分けるとよいかと思います。

5位 トイレ

トイレ

 

第5位はトイレの水洗の音です。

瞬間的にですが75 dBほどの音がでるので、トイレ横の部屋には、壁が35 dBの遮音性能だとして40 dBくらいの音が聞こえることになります。

これは大体500 Hzのパイプファンの音ぐらいであるので、これが気にならないならトイレ横に部屋を作ってもよいかもしれません。
新築で間取りを決める際には参考にしてみてください

6位 テレビ正面

テレビ正面

 

第6位はテレビ正面での音量です。

私が自宅でテレビを観る時の音量を測り、約70 dBほどでした。

生活音の基準として、この音よりも大きい音は邪魔になる音・小さい音は邪魔にならない音として考えられるかと思います。

7位 シャワー

シャワー

 

第7位はシャワー音で、70 dB弱でした。

一般的なシャワーヘッドで、1.5 mぐらいの高さから水を放出しています。
衝撃音なので、やはり結構大きい音量ですね。

こちらも新築で間取りを決める際には参考になるかと思います。

8位 エアコン室外機

エアコン室外機

 

第8位はエアコンの室外機です。

エアコンは14帖用で、強運転などではなく通常運転での音量を測定しました。

環境省が定めている騒音の環境基準(昼間の住宅地)はA特性で55 dB以下です。
参照:環境省「騒音に係る環境基準について」

エアコン室外機もちょうどA特性のオールパスで54 dBなので、騒音のイメージとしてはエアコン室外機と同等程度以上の音量を考えるとよいかもしれません。

9位 エアコン室内機

エアコン室内機

 

第9位はエアコンの室内機です。

室外機と同じく14帖用で、強運転などではなく通常運転での音量を測定しました。
室外機よりも音量は小さく、60 dBほどでした。

10位 換気扇(パイプファン)

換気扇(パイプファン)

 

第10位は換気扇(パイプファン)です。

一般の部屋についている24時間換気の換気扇(パイプファン)を測定し、60 dBほどでした。

60 dBというと一般的な話し声くらいの音量なのですが、そう考えると9位のエアコンも10位の換気扇も意外と大きい音に感じるかもしれません。

C特性とA特性の違い

ランキング5位のトイレ・7位のシャワー以外は、C特性の方がA特性よりも高めの数値がでています。
これは先ほども説明した通り、A特性では人間が感知しにくい音域の音は小さく見積もられており音量の数値が小さくでる傾向があるからです。

トイレとシャワーでC特性・A特性の数値がほぼ同じになっているのは、両方とも水の流れるザーッという音でホワイトノイズ(※2)に近く、あまりA特性の補正が入っていないからでしょう。
※2 ホワイトノイズ・・・あらゆる周波数の音がほぼ均等に含まれるノイズ

まとめ

今回は身の回りの生活音が実際にどのくらいの音量なのかを測定し、お伝えしました。
また騒音計にはA特性・C特性・Z特性の測定モードがあり、それぞれの特徴や画面ではどう見えるのかについても解説いたしました。

防音の成功ポイントは、発生する音をゼロにまで下げなくても、生活上の騒音に紛れるくらいまで抑えることです。
要は、音が迷惑にならなければいいんですからね♪
生活上の騒音量を把握すれば「どれだけの音量を防がなければならないか」というゴールセッティングができるようになります
これから新築で家を建てる際など、騒音トラブルの対策として今回の数値を間取りの参考にしていただければと思います。

私たちBudsceneは皆様が暮らしの中で音と上手に付き合っていけるように応援しています。
音にお悩みの方がいらっしゃいましたらご相談・ご依頼などいつでも承りますので、どうぞお気軽にご連絡ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。
防音アドバイザーBudscene並木でした。

質問コーナー

Q. 騒音はA・C・Zのどの特性で測るのですか?
A. 環境省によって決められているため、A特性で測ります。
参照:環境省「騒音に係る環境基準について」

Q. 防音室の性能測定はA・C・Zのどの特性で測るのですか?
A. JIS Z 8731:2019において、衝撃騒音など特殊な騒音の評価にはC特性を用いると規定されているため、弊社ではC特性で測定しています。
実際に低音が聞こえる状況で音量を測定してみたのですが、C特性では音に忠実にグラフが変動し、A特性ではあまり動きがありませんでした。つまりA特性の補正が過剰で、実際の聞こえ方とズレを感じたんですよね。
また、高音と低音が混ざっていると高音に意識がいくため低音への感度が落ちますが、高音がないと低音をしっかりと感知できることがあります。そういう時でもA特性ではグラフに反映されません。
A特性では補正が激しい低音域になると、場合によっては0 dBよりも下のマイナス〇〇デシベルという謎の数字がでてしまうこともあります(笑)
このようにA特性の補正も完璧ではないので、弊社ではC特性の方が確実であると判断しています。

Q. 騒音計を持っていないのですが、どうすればよいですか?
A. スマホの騒音アプリでも簡易測定できます。
詳しくはこちらをご参照ください。
【スマホの騒音計アプリで防音対策!】
また、市役所や区役所でも騒音計の貸し出しをおこなっています。
周波数ごとに分析できるような騒音計ではありませんが、A特性のオールパスで測定できるはずです。

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【家の中はこんなにも騒がしい事が判明しました!】

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