【事例49】-子ども部屋の壁をDIYしたけれど…遮音対策の見直しで防音効果アップ!
子供部屋を分けるために自作で壁を作りましたが、子供たちが大きくなるにつれて、遮音性能が間に合わなくなってきたようです。
壁の遮音性能を向上させるにはどうしたらよいでしょうか。
防音のお悩み相談・質問コーナー。
今回のゲストは、DIYで作った壁の防音性能をUPさせたいvさんです。
では、ご相談・ご質問をどうぞ!
はじめまして。
だいぶ前に、子ども部屋を分けるために壁をDIYしました。
軽天材を柱にして、断熱材っぽいものを詰め、石膏ボードを貼って、その上から壁紙を貼るというかたちです。
ただ、子どもが成長するにつれて、お互いの声が気になるようになってきたらしく・・・。
壁を作り直すかどうかを悩んでいたときに、御社の動画を見つけました。
今ある壁はそのままにして、少し空間をあけて間仕切り壁をもう一つ作ればよいのかなと思っています。
ただ、自作の壁なので自信がなく、何か足りない点や直した方がよいところがあるのかアドバイスをいただければと思い、連絡いたしました。
よろしくお願いいたします。
はじめまして。
DIYで壁を作られたのですね。
それでは、現状の壁の遮音性能を一度測ってみてください。
下記の動画が概要欄含め、参考になると思います。
【【防音DIY】最短最速で防音の結果を出す方法!】
遮音性能を把握して、「これからどれくらい遮音性能を向上させたいのか」を明確にした上で必要な施工方法を探っていくとよいですよ。
意外と、実際の壁一枚の遮音性能は、皆さんが期待するより低い性能だったりします。
早速、ありがとうございます。
調べてみます!
動画を拝見させていただきました。
騒音の測定をしたところ、現状の壁で30 dBほど音量を抑えられているようでした。
壁のすぐ横にエアコンがあり、新たに間仕切り壁が作れないということに気付いたので、壁を一度片側から開けて、遮音シート→吸音材→遮音シート→石膏ボード
に変えようかと考えています。
もともと壁をDIYした時はただ断熱材を!と思って中に詰めていたのですが、部屋と部屋を仕切るための壁にはそもそも断熱材を入れる必要はないのでしょうか?
室内の音環境を改善する場合、壁の中に入れるのは断熱材ではなく吸音材になります。
「断熱材=吸音材」ではなく、吸音効果・断熱効果どちらもある材料もあれば、どちらかの効果だけの材料もあるんですよ。
詳しくはこちらをご覧ください。
【吸音材は、こう選ぶ!選び方のコツ・注意点を徹底解説】
発泡プラスチック系の断熱材は充填しても吸音には無意味ですが、グラスウールやロックウールのようなどちらの効果もある材料を充填している場合には、太鼓現象を抑えることができます。
(太鼓現象・・・二重構造の壁やガラスなどにおいて、間に存在している空気がバネのような役割をし、一方からの振動を他方にも伝える現象。太鼓のような音が鳴る。)
充填のコツは、単に吸音材を詰めるのではなく、双方の石膏ボードに触れるようなかたちで少し押しつぶすことです。
現状約30 dBある壁からの音量の減衰値を、40 dBにしたいのか、45 dBにしたいのか、によって取るべき対策も材料の量も変わってきます。
まずは、目指すゴールを数値化してみてください。
下記に、「材料は間違っていないのに、施工方法が誤っていた工務店さん」の例を添付しますね↓
【建築会社が工事しても防音性が向上しない!賃貸物件オーナーからの依頼!「入居者さん同士のプライバシーを守るための防音性を絶対確保したい!」を実現してきました!】
押しつぶして充填するんですね。勉強になります。
現状の壁と追加する壁の合計で45 dB減衰を目指していければと思いますが、その場合どのようなものを選んでいけばよいでしょうか?
前回はポリエスチレンフォームだったので、やはり吸音効果はありませんでした。
石膏ボード×2枚+遮音シートを施工すると、+5~10 dB 減衰くらいは向上するでしょう。
もっと性能を向上させたい場合は、下記を参考にしてみてください。
【DIYで壁の防音性強化を実施し検証まで】
追加の壁だけで、500 Hzで約20 dBほど減衰値を高めていますよ。
~一か月後~
先日はありがとうございました。
まず片方の部屋からアプローチしてみました。
おっしゃっていた通り、片側施工だけで以前より音量が約5~10 dBくらい減衰したようです。
子ども的にだいぶ満足したようです。
また必要だったら、もう片方の部屋も施工していこうと思います。
本当にありがとうございました。
問題が無事に解決できたようで安心しました。
これからも音に悩んだら、お気軽にご相談ください!