新規でご購入された中古マンションをリフォームし、ご夫婦の趣味である楽器演奏や音楽編集ができる防音室を創り上げました。防音室の打ち合わせから設計・施工まで、全てご夫婦のライフスタイルを考慮し、細部にまでこだわり抜きました。
ご夫婦が気に入られたマンション物件ごとに、防音室のプランや見積もりを提出し、その都度トータルのコストバランスを慎重に見極めながら打ち合わせを進めてまいりました。物件の立地や間取り、既存の設備状況など、さまざまな要素を考慮しながら、最終的に最も理想的な住まいを見つけることができました。
マンションが決定した後は、防音室リフォームの具体的なプランニングに移りました。
難関ポイントが今回は2つありましたので、それぞれご紹介いたします。
まず1つ目は、収納スペースの確保です。
ご夫婦がお持ちの楽器をできるだけ防音室内に収納できるようにするため、既存の収納スペースを活用しようということになりました。しかし、防音室を作るお部屋には収納がなく、最終的に壁を挟んで隣の部屋にある建付けのクローゼットを、防音室の中に半分取り込む工事をしました。これにより、最低限のコストで楽器を防音室内に保管できるスペースを実現しました。また、防音性能を損なうことなく、収納スペースを有効に活用するために、施工には細心の注意を払いました。
そして2つ目は、分電盤の移設です。
なんと、上記で触れた防音室に取り込んだ側のクローゼットに分電盤が設置されていました。
しかし、ご夫婦が求める空間の確保のためには、分電盤の移設は必須だったため、電気工事の担当とも打ち合わせを重ね最終的には分電盤を防音室内に設置することに取り組みました。住居の分電盤には様々な電源ケーブルが集まっているため、移設は難しい工事となりました。
このように、お客様の理想を最大限かなえるために、ただ防音の環境を作るだけでなく、電気工事などの工事も一貫して行うことが多いです。
この防音室は、ご夫婦の趣味、仕事、そして日常生活の一部として、さまざまな用途に対応できる多機能な空間として設計されています。楽器演奏や音楽編集に適した防音性能はもちろんのこと、居住空間としての快適さも追求しました。たとえば、部屋全体の音響特性を最適化するために、吸音材や遮音材の選定を慎重に行い、クリアで美しい音を楽しめる環境を整えました。また、長時間の作業にも対応できるよう、快適な室内環境を維持するためのエアコンや換気システムも導入しました。
さらに、防音室にはインターネット環境を整備し、音楽編集やオンラインでのコラボレーションがスムーズに行えるようLANケーブルを引き込むなど、最新の設備を取り入れました。これにより、作業効率を高め、どんな音楽制作や演奏にも対応できる充実した空間が完成しました。
リフォームの過程では、ご夫婦と何度も打ち合わせを重ね、その都度ご意見を伺いながら進めていきました。私たちは、ご夫婦が抱く理想の生活空間を実現するために、プロフェッショナルとしての知識と経験を活かし、全力でサポートいたしました。最終的に完成した防音室は、ご夫婦にとって大変満足のいくものであり、私たちもそのお手伝いができたことを非常に光栄に感じています。
細かい仕上げ工事の際には、お客様にご準備いただいたギターフックを大工さんと一本ずつ設置し、
お持ちのギターやベースをすべて防音室内に納めることができました。
お部屋の響きを調整する吸音パネルも、衣類などのハンガーが設置されることを前提に、最小限の設置枚数にしております。
DTMルーム、DAWルームとしての機能性と、エレキギターやエレキベースの満足なボリュームでの演奏、そしてドラムの練習キットの振動音も抑えることができる防音室が完成しています。
この防音室を完成させるために、理想の物件探しに時間を掛け、都度都度連絡をくださったご夫婦の想いが詰まった1つのお部屋が完成しています。
これからも、この特別な空間でご夫婦が楽しい時間を過ごし、音楽を心から楽しんでいただけることを願っております。私たちは、このプロジェクトを通じて得た経験を活かし、今後もお客様一人ひとりのニーズに応じた最適なリフォームを提案し続けてまいります。