所在地
埼玉県久喜市
工事内容
DTM、DAW、エレキギター演奏 防音室
防音性能
防音室⇆建物外部 65dB以上減衰
防音室⇆建物内部 55dB以上減衰
(500Hzの場合)
DTM、DAW、エレキギター演奏 防音室
【ハウスメーカーと連携した理想の防音室づくり】
新築住宅と防音室の両立
本件は、ハウスメーカーと連携しながらオーナー様が求める理想の住まいと防音室を実現した事例です。
新築の建物で「長期優良住宅基準」をクリアしつつ、防音室を自由度高く施工するために、建築会社と設計の協力が不可欠となりました。
今回の防音室では、天井裏の点検を可能にするために「防音仕様の点検口」を設けることで基準をクリアしました。防音室に開口部を増やすことはコストアップに繋がりますが、点検の機会は極めて少ないため、大工による造作で数十回の使用に耐えられる点検口を設置しました。写真に映る換気扇横の開口部がその造作の防音点検口です。
【音出し確認による遮音性能の設定】
防音室の仕様は、防音ショールームにて何度も音出し確認を行いながら決定しました。
・ご主人(演奏家)が演奏 → 奥様や友人が漏れ音を確認
・友人が演奏 → ご主人が漏れ音を確認
このプロセスを繰り返すことで、実際の利用用途に相応しい遮音性能を選定しました。
ピアノやエレキギターの演奏音では十分な性能を発揮しましたが、DTM制作時の低域(特にエレキベース音)の遮音性能をさらに高める必要が判明。そこで外部への音漏れを抑える性能を強化しました。
【宅内での音漏れ対策】
課題となったのは「宅内への音漏れ」です。
休日に楽曲制作や楽器演奏を楽しみたいご主人と、リビングで静かに過ごしたい奥様。
防音室での演奏音がリビングにほぼ聞こえない状態を目指しました。完全遮音は難しいため、奥様には「TVや音楽を流していただく」条件をお願いしたところ、快く了承いただけました。
【間取りによる防音効果の向上】
リビングと防音室が直接面しては満足な性能を確保できないため、ハウスメーカーと設計の協力により「間取りでの防音」を取り入れました。
・防音室の前室(約2畳)
防音室の手前に前室を設け、必要に応じてコントロールルームとして利用可能に。
ケーブルを通しやすいように貫通パイプも多数設置しました。
・広い玄関ホール
リビングとの間に玄関ホールを設けることで、遮音性能をさらに向上。
このホールは防音室前室、リビング、パントリー、2階へのアプローチを兼ねています。
前室入口のドアにはバドシーン製防音ドアを設置。測定の結果、以下の遮音性能を確認できました。
・125Hz:63dB以上の減衰
・250Hz:67dB以上の減衰
・500Hz:74dB以上の減衰
・1kHz:80dB以上の減衰
・2kHz:80dB以上の減衰
その結果、奥様がリビングで音楽やTVを流して過ごしている際には、ご主人の演奏音が気になることはありません。リビングが完全に無音の状態では微かに聴こえる程度であり、奥様が瞑想などで静けさを求める際には、ご主人が演奏音量を少し下げることで解決可能となりました。
【まとめ】
このように、生活スタイルや用途に応じた遮音性能を設定し、細やかな工夫を積み重ねることで「理想の住まいと防音室」を両立させました。
バドシーンでは、困難な遮音性能のご要望にも柔軟に対応する方法を共に模索してまいります。お気軽にご相談くださいませ。