所在地
神奈川県川崎市
工事内容
エレキギター、DTM 防音室
防音性能
防音室⇆建物外部 35dB以上減衰
防音室⇆建物内部 55dB以上減衰
(500Hzの場合)
エレキギター、DTM 防音室
【建売住宅を防音仕様へ改造するプロジェクト】
今回ご依頼くださったのは、建売住宅を購入され、その中の1室を防音室にしたいと考えていたオーナー様です。
1階には2部屋がありましたが、当初の間取りではそれぞれが完全にセパレートされており、オーナー様がお持ちの楽器を考慮するとやや手狭な印象でした。そこで、まずは設計士や建築会社に確認を行い、2部屋を仕切る壁の中央部分に構造体が一切ないことを確認しました。さらに、機材や家具を搬入できるだけの横幅が確保できるのであれば、2部屋をつなげて1つの広い防音室にする方針でお話を進めました。
この構想が固まった段階で、詳細な設計作業よりも先に解体工事を実施することになりました。
【解体工事で明らかになった構造と設計変更】
大工さんとともに進めた解体工事では、壁の内部構造が露わになりました。設計や建築会社の報告通り、壁の中央には構造体が一切存在せず、十分な横幅を確保できることが実際に確認できました。これにより、計画を即座に「2部屋をつなぐ防音室」仕様へと切り替えました。
当初1部屋の間取りで予定していたドア位置は出入り口として使う必要がなくなったため、結果としてより自由度の高い空間設計が可能となりました。具体的には、モニタースピーカーを配置したDTMスペース、演奏専用スペース、さらに楽器やアンプを配置するためのストレージ的スペースをしっかり確保することができました。
【ギターの壁掛けと防音性能の両立】
完成した防音室内では、お持ちのギターをできるだけ室内に収納できるよう、壁掛け金具を複数設置しました。バドシーンの防音室は、ギターの壁掛け程度であればどの位置にも対応できる構造体を採用しており、この金具の設置によって遮音性能が低下することはありません。
写真からもお分かりいただけるように、楽器を効率よく収納することで空間を広く活用できるようになっています。
【音響調整と吸音対策】
オーナー様は音響に対して明確な理想像をお持ちでした。そのため、既に所有されていたベーストラップを防音室のコーナー部分に設置し、余分な反射音を抑えるための吸音パネルも追加で導入しました。特にDTMスペースの真上には、雲のように浮かぶ形で吸音パネルを吊るし、裏表両面で吸音効果を発揮させる工夫を施しています。さらに角度を調整することで、音の反射方向までもコントロールでき、とても効果的な音響環境を実現しました。
【自宅で満喫する最高の音楽時間】
こうして完成したのは、自宅で思う存分音楽を楽しめる防音室です。演奏、録音、そして機材操作まで、すべてを同じ空間でスムーズに行うことができます。防音性能と音響調整がしっかりと両立されたこの空間は、オーナー様の音楽ライフを格段に豊かにするでしょう。