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【防音DIY】-木造2階で防音DIYにチャレンジしたい-

戸建て 木造住宅 防音DIY

 

 

木造2階の角部屋から歌声の漏れを防ぎたいと考えています。
どういった方法が効果的かアドバイスをよろしくお願いします。

防音のお悩み・質問コーナー。
今回のゲストは、木造2階の自室に防音対策をしたいVさんです。
では、お悩み・質問をどうぞ!

防音室のキーワードで検索する中で、You Tubeの「並木勇一チャンネル」に辿(たど)り着きました。
御社のHPのQ&Aも拝見しまして、是非相談にのっていただきたいと連絡いたしました。

リフォームで防音室を造るか、DIYで壁を強化するかを検討しています。
ご知見をいただけないでしょうか。

You TubeチャンネルやHPをご視聴・ご覧いただき、ありがとうございます。

まずはじめに、Vさんはどのような環境でどういった音を防ぎたいのかをお聞かせいただけますか?

はい。
自室で気兼ねなく歌を練習したいのですが、別の部屋の家族に遠慮してしまいます。

戸建てに住んでおり、自室は木造2階の角部屋で、広さは3畳ほど・ドアは引き戸です。
防音したい壁に対して垂直の壁一杯に窓が広がっており(防音したい壁と窓の距離3 cmほど)、十分な厚みの防音壁を設置するのが難しい状態です。

家を建てた工務店に壁・窓の解体含め見積もりを依頼しましたが、見積もりは「壁のみ+排気」で50万円、「壁・床・天井込み」で80万円でした。その工務店は防音室の実績はありますが、性能保証はありません。

歌声の音量は70 dB程で、それを500 Hzの音域で30〜40 dB下げて家族が気にならない程度の音量にしたいと思っております。

なるほど。

お話の中でまず気になったのが、音量です。
歌い方にもよりますが、70 dBというのは歌声にしては小さいように思います。
再度音量を確認していただけますか?

測定方法はこちらをご参照ください。
【プロが教えます!必要な防音性能を確実に調べる方法とは】
【スマホの騒音計アプリで防音対策!】
【防音室や防音の、音漏れ確認や防音DIYの目安の簡易測定に利用できる【ピンクノイズ】】

早速のご返信ありがとうございます!
確かに、70 dBは正確な数値ではないかもしれません…。
 
改めて測定し直して、またご連絡させていただきます。

ボーカルで70dBとなると、鼻歌くらいといってもよいくらいの音量です。

自身がどんな歌い方をしたいかも参考にするとよいかもしれませんよ。
弾き語りの場合には、声がアコースティックギターの音にかき消されてしまうのか、しっかり声もモニターできるのか、といったことでも声量を想定できます。

それから、ドアが引き戸というのも防音においてはネックになりますね。
引き戸は横にスライドするので動かすための隙間が多く、防音性能を向上させることが難しいのです。

廊下からの音漏れの場合には、引き戸の改善が重要になることも考えられるので、どこから音が漏れているかも探していくとよいですね。

わかりました。
音漏れの多い箇所についても留意して再度測定してみます。

~数日後~

声量を測定し直しました。
以下、修正した音量になります。よろしくお願いします。
・音源(ボーカル):85 dB
・ドア(引き戸)のすぐ外:70 dB
・環境騒音:40 dB

 
部屋の外の廊下で45 dBほどの音量にするのが目標です。

やはり引き戸からの音漏れが大きいようですね。15 dBしか減衰していません。
ドアの変更は必須だと思います。

ただしドア1枚で音源85 dB-目標45 dB=40 dB減衰させるには、スチールドアが必要になります。
しかし、スチールドアはかなりの重さなので、木造2階では耐荷重に不安が残ってしまいます

そこで今の引き戸にもう1枚開き戸を付け足して、2枚のドアで40 dB近くの減衰値を目指すのがよいと考えます。

現在の引き戸を交換する工事は解体する面積も大きくなるため、「引き戸+開き戸」で前室のような構造にし、気密を上げることを徹底していく方法を提案いたします。
自室に至る廊下に開き戸を付け、0.5畳ほどの前室があるような間取りはどうでしょうか?

前室_1

ご提案ありがとうございます!前室のアイディアはなかったので勉強になります!
 
廊下を挟んだ部屋の向かいはウォーク・スルー・クローゼットで、壁に隠れるタイプの引き戸で仕切られています。クローゼットは寝室に繋がっているので、家族が眠っている時間に音を出さないように意識すれば、前室が最適かと思いました。

スチールドアは重いということですが、もしスチールドアにすると費用はどのくらいかかるのでしょうか?

スチールドアは、塗装仕上げ無し・錆止めの状態で20〜25万円ほどになります。
高額の割に、今回のご相談ケースでは本来の性能を発揮できずに勿体ないかもしれません。

理由は、スチールドアを入れても壁の性能がスチールドアまで及ばないと予想されるためです。ドア部分だけ防音強化しても、風呂桶理論のように防音性能が低い他の部分から音が漏れてしまい、無駄が非常に多くなります。弊社が設置する防音室のように、壁・床・天井の六面を全て防音施工してからスチールドアを設置するのであれば効果的なのですが。

そういうことだったのですか。

では、やはり防音室にするのがいいでしょうか。

防音室の施工は壁・床・天井を複構造にする必要があります。
部屋の中にもう1つ部屋を造り、浮き構造にするイメージです。

防振材

そのため、Vさまのケースですと窓の仕様で複構造が実現できないようなので、防音室施工は難しいかと・・・。
そのため音漏れの激しいドアに着目した次第です。

そうだったのですね。

窓が少し隠れてもいいなら防音室施工できますか?

窓が隠れてもよいのなら、高額な防音室施工をしなくても下記の両方を実施することでご希望の環境を実現できると思いますよ。

ドアの強化を行う(前室があるような間取り)
・室内の壁を複構造にして強化する(ただし窓の有効面積は減ってしまう)

ドアの強化に関しては、引き戸の壁が薄い部分から漏れる音も考えると、階段を上がって右側の廊下に開き戸を設置するのがよさそうですね。


前室_2

現在、引き戸で15 dB減衰されているので、追加する開き戸で25 dB減衰して合計40 dBを目指しましょう。

引き戸+開き戸=
追加ドアは木製防音ドアという選択肢もありますが費用が嵩(かさ)むので、一般のドアを気密強化するなどして目標の減衰値をクリアするとよいでしょう。

プロ視点からのアドバイス、ありがたいです。
ご提案頂いた2つの方法を実施してみます。

そう言っていただけると嬉しいですね。

ドアの設置はDIYか業者に依頼か、どちらにする予定ですか?

業者に依頼しようと思っています。

その場合、業者主導ではなくVさまが指示を出した方がよいかと思われます。

建築業者なら防音に関して十分な知識を持っていると思われがちなのですが、実は詳しい方は少ないのです。
Vさまは弊社が発信している防音情報も色々調べておられるようですし、おそらく並の建築業者よりも防音に関して知識があるはずですよ。

承知しました。
業者へは並木様からいただいたご提案やYou Tube動画を参考にして指示を出したいと思います!

壁を防音強化する場合は、DIYの防音壁を自分で設置しようと考えているのですが、どうでしょうか。現状、床からの音漏れはしていないようです。

DIYの防音壁とは
【壁の防音性能をDIYで上げる方法】
ですね。500 Hzの音域辺りで20 dBほど音を弱くすることができます。

kabe

防音壁の場合、防音室のように床や天井を含めた全てに施行するわけではなく防振もとれませんが、床からの音漏れがないのであれば効果的と考えます。

この方法で防音性能の向上を実現している方々も多数おられますよ。
DIYへのチャレンジ、応援しています!

具体的な対策の方向性が確定したので、本当に助かりました!
ありがとうございました。

無事解決することを祈っております。
これからも音に悩んだら、お気軽にご相談ください!

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