所在地
東京都豊島区
工事内容
DTM/ナレーション収録 防音室
防音性能
防音室⇆建物外部 55dB以上減衰
防音室⇆建物内部 35dB以上減衰
(500Hzの場合)
DTM/ナレーション収録 防音室
【声優オーナー様の「自宅収録・収益化」を目指した防音室計画】
将来を見据えた2部屋構成の構想
ご自身も声優として活躍されているオーナー様は、自宅で音に関する仕事ができ、ナレーション収録で収益化を目指せる防音室を模索されていました。
1階にはホールを挟んで2部屋があるため、将来的には収録ルームとコントロールルームを分けて運用することも視野に入れています。
その準備として、靴箱内に防音室からの貫通パイプを施工。これにより、防音室外からケーブル類を直接引き込める構造を確保しました。
【音質を追求した電源設計】
良質な音での収録を目指し、電源は分電盤から200Vを玄関まで引き回し、防音室内ではトランスで100Vに変換。
この専用電源をコンセントに利用することで、濁りのない安定した電源を確保しました。
ちょうど靴箱の上部にトランスを置けるスペースがあったため、大工さんの工事で靴箱上段を撤去し、天板に補強を加えて重量に耐えられる仕様にしました。
【当面は1部屋運用、自立式吸音パネルでデッドな空間に】
将来的には2部屋構成を予定していますが、当面は1部屋で収録と編集を行うため、部分的に吸音性を高め、声収録に適したデッドな空間を実現。
そのために、自立式の吸音パネルを製作し、可動性と効果の両立を図りました。
【防音性能と周辺環境の考慮】
防音仕様は、静かな住宅街での深夜利用も可能なレベルを確保し、道路を通る小型バイクなどの騒音が収録に影響しない計画としました。
遮音性能のさらなる強化も検討しましたが、部屋の広さやコスト面から今回の仕様を決定。
外部騒音で影響が出る可能性があるのは、雷や近隣の花火大会程度にとどまります。
【資金計画と支払い方法の工夫】
防音室の支払い方法についてもご相談を受けました。
全額現金払いはお子様の教育費との兼ね合いから不安があったため、弊社提携の信販会社を利用するリフォームローンと、給与振込先銀行でのリフォームローンを比較検討。
最終的に、銀行のリフォームローンを選び、頭金なしで実行されました。
【将来の発展と仲間との活用】
完成した防音室は、オーナー様ご本人だけでなく、声優仲間による収録やデモ撮りなどにも活用されています。
将来的に2部屋目を施工し、収録ルームとコントロールルームを完全に分離できる日を、私たちも楽しみにしています。
【ケーブル配線での想定外の課題】
1点、工事中に予想外の事態が発生しました。
マイク用ケーブルを通すため隠蔽配管(CD-16)を施工し、海外製の8mmケーブルを通線しようとしましたが、このケーブルは表面に粘りがあり摩擦が大きかったため、流線剤を使用しても通すことができませんでした。
過去にはCD-16に12mmのケーブルを通した経験があったため問題ないと想定していましたが、表面仕上げによってこれほど通しにくくなるとは予想外でした。
最終的に、オーナー様に事情をご説明し、部屋内にケーブルダクトを新設して配線を完了しました。