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それ、間違ったピアノの防音方法かも

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皆さん、こんにちは。防音アドバイザーBudscene並木です。

皆さんは何か習い事をしていましたか?水泳、書道、野球、それとも・・・?
近頃はプログラミングや英会話なども流行っているようですね。

習い事の中で、今も昔も根強い人気をほこるのがピアノです。
好きな曲をスラスラ弾けたら気持ち良いですよね♪

しかしポピュラーで身近な楽器である分、演奏や練習の際に近隣への音漏れで悩むケースもたくさんあります。
今回は皆さんがやりがちな、でも全く効果のないピアノの防音対策について解説していきます。

その防音対策は無意味です!

よく聞く防音対策の中で間違えてしまっているパターンがこの2つです。

  • アップライトピアノの背面に吸音パネルを設置
  • グランドピアノの上に毛布を掛ける

はっきり申し上げます。
どちらも音の聞こえ方が変わるだけで防音効果はありません!

吸音効果により音の響きが抑えられ、高いキンキンした音が柔らかく聞こえるようにはなります。
しかし厳密に測定器で測定すると、音量自体はほとんど小さくなっていないことがわかります。吸音効果と防音効果は違うのです。

防音効果と吸音効果のちがいについては、こちらで詳しく述べています。
【防音と吸音の違い「吸音は防音しない」】

吸音パネル_毛布

そして吸音パネルや毛布自体の防音性能も低いのですが、設置の仕方にも問題があります。一ヶ所だけピンポイントで防音強化しようと思っても、四方八方から音は漏れていき意味がなくなってしまいます。

ピンポイントで防音強化しても意味がないことについては、こちらで詳しく述べています。
【「防音室の風呂桶理論」その音、漏れてますよ!】
どうぞご参照ください。

吸音パネルの特性

市販されている吸音グッズは実に色々なものが出回っています。

中には、いかにも効果があるような宣伝文句やデータなどが記載されている商品もあります。しかし本当に希望通りの効果を得られるのかを見極める必要があります。

吸音パネルは結構なお値段なので、安物買いの銭失いになってしまわないように特性を理解しておきましょう。

吸音パネルの特性は以下の通りです。

  • 反射音を短く抑える効果はあるが、音量を小さくする効果は少ない
  • 特に低い音に対して効果が弱い
  • 壁に比べて効果が薄い

吸音パネルの設置では高音の聞こえ方が変わるだけで、遮音性能が向上するわけではありません

また、一番気になるのは近隣の人たちへの音漏れだと思いますが、近隣の人たちとは、ある程度の遮音性を備えている家の外壁でもうすでに隔てられています。いまさら吸音パネルを付け足してもほぼ遮音性は変わらないのです。

室内の壁であれば元から遮音性能が低めなので、もしかして同居の家族に対してなら吸音パネル程度の効果でも「あれ?静かになったかな?」と体感してもらえるかもしれません。

まとめ

私たちのもとへは、年間何件もピアノの防音依頼があります。

商品を背面に貼るだけ・上から掛けるだけでピアノの音が本当に防げるのなら、騒音トラブルでの悩みは圧倒的に少なくなり、依頼も減るでしょう。つまり現状、依頼があるということは、簡単に音が防げる魔法のアイテムは存在しないということなのです。

ピアノの音を防ぎたい場合は、小手先でどうにかしようとするのではなく本質的なところで対策をしないと解決できません。

思いっきり練習・演奏したいと考えるのであれば、吸音パネルや毛布などでの吸音ではなく、しっかりと遮音対策をして環境を整えることをおすすめします。

私たちBudsceneは求められた性能をしっかりと実現できる防音室を提供しています。
音にお悩みの方がいらっしゃいましたらご相談・ご依頼などいつでも承りますので、どうぞ気軽にご連絡ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。
防音アドバイザーBudscene並木でした。

質問コーナー

Q. 住宅の防音対策を、車に対しては活かせないでしょうか?
A. 車にそのまま実行するのは車体の重量が変わってしまうため色々不都合が起こります。
加えて、窓ガラスがある以上、車の遮音性能を高めるには限界があります。
デッドニングを行いボディの振幅などを抑えて、車の中で良い音を実現していくのが、車の音響の楽しみ方と考えます。

Q. 学校・線路近くの家に対する防音対策について質問です!
小学校の隣・線路わきというマンションの、最上階角部屋に越してきました。
3社に見積もりをとっているのですが、どんな対策が効果的でしょうか?

  • ガラス屋さん → プラマード複層厚さ違い
  • リフォーム屋さん → リクシル複層厚さ同じ
  • 家電チェーン店のリフォーム部門 → リクシルの単板

A. 複層厚さ違いの内窓(インナーサッシ)が効果的です。
コストがかかってしまっても、複層で少し距離を離し、厚さの違うガラスを利用することで高い効果を得られます。まずは現在のガラスの厚みを確認してください。
同じ複層でもペアガラスは距離が近く、厚さも同じなのでおすすめしません。同じ厚さのガラスが2枚あるペアガラスは、むしろ太鼓現象によって騒音は漏れやすくなります。

Q. 防音室を作るほどの予算はないのですが、それでもピアノを思いっきり弾きたいです。
何かよい方法はありますか?
A. 消音機能の付いているピアノであれば思う存分弾くことができるでしょう。
ピアノには大きく分けて次の3種類があります。

  • アコースティックピアノ(グランドピアノ、アップライトピアノ)
  • 電子ピアノ
  • ハイブリットピアノ

アコースティックピアノを弾きたい場合は、サイレントピアノとして販売されているピアノを購入しましょう。また消音機能がないアコースティックピアノの場合でも、後付けで消音ユニットを取り付けることで対策することができます。

【サイレントピアノ】
https://jp.yamaha.com/products/musical_instruments/pianos/silent_piano/index.html

弾き心地は変わってしまいますが、電子ピアノという手段もあります。ただし電子ピアノは鍵盤タッチが軽いため、いざアコースティックピアノを弾こうとしたときに重く感じてしまうことがあります。

ハイブリッドピアノは、アコースティックピアノと電子ピアノの良さを持ち合わせているピアノです。弾き心地はアコースティックピアノのようですが実際に弦が張られているわけではなく、デジタル技術を駆使して再現されているので電子ピアノのように音量調節ができます。

表1に各ピアノの特徴をまとめましたので参考にしてください。

表1. 各ピアノの特徴

価格帯 メリット デメリット
アコースティックピアノ+消音機能 19万円~ ・弾き心地が変わらない
・音量を調節可能
・消音機能を使う際に、ゴツゴツという衝撃音がある
・取り付ける際に、ピアノに穴を開けたり削ったりする場合がある
・取り付け費用が別途5万円ほどかかる
電子ピアノ 10万円~ ・価格が安い
・音量を調節可能
・弾き心地が変わる
・電子機器のため故障の可能性あり
ハイブリッドピアノ 45~180万円 ・弾き心地が変わらない
・音量を調節可能
・価格が高い
・電子機器のため故障の可能性あり

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【防音アドバイザー 並木勇一チャンネル】

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並木 勇一 株式会社Budscene代表取締役
防音室・ホームシアターの専門家として、防音室の設計デザインから音響空間のデザインまで手掛けています。 音に関するお悩みを解決するきっかけになればと考え、正しい情報を元に防音に関するノウハウや情報を発信しています。
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