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住宅展示場の盲点とは?!防音室体験での注意点をわかりやすく解説

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皆さん、こんにちは。
防音アドバイザーBudscene並木です。

ジュータクテンジジョーというスポットで、音が消える不思議な現象があるという情報を得ました。
そこで、私たちBudscene探検隊が真実を確かめに潜入・調査をしてこようと思います。

今回は、その結果への見解をお話していきます。

環境騒音を意識しよう

展示場での環境騒音

「住宅展示場で防音室を体験したら、音が全然聞こえませんでした♪」という感想をいただくことがあります。

しかし、ちょっと待ってください!
実は住宅展示場ならではの、錯覚しやすい盲点があるんです。

住宅展示場には色々なハウスメーカーが参加しています。
中には防音室の体験を実施しているところもあり、「ドラム対応の防音室」「ピアノを弾いても大丈夫な防音室」などと謳(うた)っているのを見かけます。

壁の厚みや建具の作りを見れば、大体の作り方や性能を推測できます。
そこで疑問に感じるのが「ガラスサッシがついているのにドラム対応と謳っているけど大丈夫?!」「壁が薄いのに本当にピアノの音を防げるのかな?」といったことです。

しかし建物の外に出て、漏れている音量を確認すると確かに想像より小さいように「感じ」ます。

これは一体どういうことなのでしょうか?!

ここで重要になるのが「感じる」という点です。
感じ方と実際の防音性能が比例しない場合があるのです。

何故か。それはズバリ「外が騒がしい」ためです。

住宅展示場は人が入れ代わり立ち代わり出入りするので、エアコンや換気扇も常にフル稼働しています。建物外部には、大きな室外機の稼働音×複数の建物分の音が満ち溢れています。そしてさらに、人の話し声も加わってきます。

ということで、具体的にどのくらい騒々しいのか、さっそく測定器で測ってみました。

結果、住宅展示場の建物の間は一般の住宅街と比較して+10 dB~15 dB程、環境騒音(日常を営む上で自然に耳に入ってくる雑音全般)が多く発生していることがわかりました。

環境騒音についてはこちらで詳しく述べていますので、ご参照ください。
【見積もりは金額で決めるな!防音室の目的を達成できなければ意味がない】

これはつまり、防音室の性能が10 dB~15 dB程かさ増しして感じられるということです。
実際の防音性能よりも10 dB~15 dB程高いような錯覚をしてしまうのです。

文章だけだとちょっとわかりにくいので、図にしてみました。

感じる防音性能_
同じ騒音でも、住宅展示場ではほとんど聞こえず、静かな場所であると大きく聞こえるのがわかるでしょうか。実際に住宅展示場で体験した防音室と同じ性能の部屋を作ってもらっても「あれっ?住宅展示場では静かだったはずなのに・・・」ということになってしまうでしょう。

購入を検討する際には体験した環境が、実際に住んでいる環境と近いかどうかも含めて考えてください。

Budsceneでの環境騒音

弊社Budsceneでも、もちろん防音室を体験していただけます。

弊社で実施する時は、一般の住宅街の昼間の環境騒音(45 dBほど)と夜間の環境騒音(35 dBほど)相当の環境で体験していただいております

夜間は昼間より環境騒音も小さく静かになるので、音が聞こえやすくなります。
そのため、時間帯や建物外部の環境まで加味して、自分の求めている防音室の性能を得られるのか見極めることが大切です。

スピーカーの性能は大丈夫?

「室内にてスピーカーから音を出し、建物の外でこういう聞こえ方をしますよ」と体験できるショールームもありました。

しかしこちらも、注意が必要です。

スピーカーの再生能力が低くて、低い音をきちんと出せない場合があるからです。

音は、低い音ほど遮りにくく高い音ほど遮りやすくなる特性があるため、低い音が出にくいスピーカーであればショールームの正確な防音性能は判断できません。ちなみに安いスピーカーになるほど低い音を出すのは苦手です。

このことについてはこちらのQ&Aで詳しく説明していますので、ご参照ください。
【防音室の正しい性能測定】

高い音は一見派手で騒がしく聞こえますが、防音自体はしやすい特性があります。
そのため、防音性能を正確に測るためには、防音しにくく建物の外に聞こえやすくなる低い音が防げているか確認する必要があります

まとめ

展示場での防音室体験では

  • 建物の外での環境騒音
  • スピーカーの性能

を意識して、適切な環境で体験できているのか見極めることが大切です。

その上で、メーカーの作る防音室で十分な性能を得られるのか、きちんと防音を専門に扱う業者に依頼をした方がいいのかを決めていただければと思います。
感覚で決めると、いざ防音室ができあがった時にイメージと違ってしまい後悔のもとになってしまいます。

私たちBudsceneは様々な防音情報を発信していますので、是非正しい知識を得て防音室創りの参考にしていただければと思います。
音にお悩みの方がいらっしゃいましたらご相談・ご依頼などいつでも承りますので、どうぞ気軽にご連絡ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。
防音アドバイザーBudscene並木でした。

質問コーナー

Q. 人の感じ取れる音の大きさ(音量、音圧)はどのくらいですか?
A. 私たちは振動、さらに詳しくいうと媒質の密度変化・圧力変化を「音」として認識しています。
従って、音は圧力と同じ単位[Pa(パスカル)]でも表せ、私たち人間は
20 μPA~20 Pa(0 dB~120 dB)程度を感知することができます。
天気予報で気圧の大きさを表す時に使われる[hPa(ヘクトパスカル)]は[100 Pa]のことであり、1気圧=1,013 hPaは人間の最大可聴値20 Paの約5,000倍もの圧力になりますΣ(゜0゜)

Q. 人の感じ取れる音の高さはどのくらいですか?
A. 周波数20 Hz~20,000 Hz程度となります。
人間の聴き取れない20 Hz 以下の低い音を超低周波、20,000 Hz以上の高い音を超音波といいます。
歳をとるとだんだん高い音を聞き取るのが難しくなり、17,000 Hzぐらいになると高齢者の方では聞き取れないことが多いかもしれません。

Q. Budsceneの防音体験はどのようにしたらできるのですか?
A.  電話やメール・LINEでお問い合わせいただき、お互いのスケジュールを確認した上で日程を調整するかたちとなります。是非お気軽にオフィスに起こしください。お待ちしております。

関連動画

【【防音性】ハウスメーカーさんのショールームを見るときにここを注意してください!】

【防音アドバイザー 並木勇一チャンネル】

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並木 勇一 株式会社Budscene代表取締役
防音室・ホームシアターの専門家として、防音室の設計デザインから音響空間のデザインまで手掛けています。 音に関するお悩みを解決するきっかけになればと考え、正しい情報を元に防音に関するノウハウや情報を発信しています。
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