防音室見積もりの比較は金額で決めてはダメ!〜失敗しない防音室作りの秘訣〜
防音室作りを検討する時、もちろん防音の性能を見て価格の比較検討をすると思うのですが、価格の高い、安いだけで比較して良いのでしょうか?
もしこれが家電の比較であれば、機能やレビューをみて検討することが出来ますが、防音室作りとなるとなかなか難しい問題です。
理想のお部屋を手に入れるためには、価格だけの比較では不十分で心許ない結果となってしまいます。
今回はそんなことにならないよう、防音室見積もりの比較のために必要な豆知識をご紹介していきます。
防音室を作る目的を明確にして、防音性能を決める
防音室を作ろうと思った時、どんな場合も必ず作りたい理由がお客様にはあると思います。
例えば、
「外の喧騒を気にせずに安眠できる寝室を作りたい」
「楽器を演奏しても、近隣に迷惑がかからない部屋が欲しい」
「家でもコンサート会場のような音で音楽を楽しみたい」
「おうちで映画館のような臨場感で映画を見たい」
防音室を作る時には、利用用途が必ず明確になっているはずです。
まず何よりも大事なのはその利用用途から絶対に最後まで目を背けないこと。
私たち、防音のプロはお客様の利用用途に合わせて防音室の性能仕様を決定していきます。
では、防音室の性能仕様はどのように決められていくのでしょうか?
ここでキーワードになるのが「環境騒音」です。
防音性能を決めるにはまず、環境騒音を知る
防音性能を決めるにはまず、施工予定のお部屋の現在の環境騒音を知ることが大切です。
環境騒音とは、日常に発生している騒音の事です。
車の交通量やエアコンの稼働音、そして家の中で生活する人の話声、テレビの音、歩く足音や物音も騒音源となっています。
そして環境騒音は一日中同じではありません。時間帯で騒音レベルは変化します。
昼間よりも夜間の方が環境騒音の数値は低くなり、真夜中は更に静かになり、環境騒音の数値はもっと低くなります
これは野外だけではなく、家の中でも同じことが起きています
例えば、昼間テレビを見ている時の音量のまま、夜テレビを付けた時、音がうるさいと感じて音量を下げることないでしょうか?
昼から夜にかけて周りの環境騒音が静かになることによって、テレビの音量も必然的に小さくなり、テレビを見るのに丁度いい音量となるのです。
環境騒音に合わせてテレビは音量を調節することが出来ますが、楽器の演奏となるとテレビのように音の音量が変えることは出来ません。
そんな時必要になるのが防音室。
防音室の性能は時間帯で変わる環境騒音に合わせた性能が必要になるのです。
環境騒音で決まる防音性能!
防音室を検討する時に、間違えてはいけないのが、「楽器が演奏できる部屋=防音室」ではありません。
「楽器を演奏しても近隣から苦情がこない部屋」これが皆さんが求めている防音室です。
建物の中で楽器を演奏した時に、発生する音を外の環境騒音に紛れさせ、抑える事ができれば、近隣から苦情が来ることはありません。
つまり、作りたい防音室にどのくらいの防音性能が必要なのかは、利用用途に合わせた、環境騒音で図ることができるのです。
防音室を施工するお部屋の元々の環境騒音を図り、知ることで、利用用途に合わせた必要な防音性能が決まるので、環境騒音を知らないまま、闇雲に金額だけで比較してしまうと、理想の防音室作りは成功しません。
防音室の見積もりを比較する時のポイント
防音室の比較検討する時に「ドラムを叩ける部屋」という条件でA社、B社、C社 の3社に見積もりをとったとします。
A社の金額は高く、B社の金額は中間くらい、C社の金額は安いとします。
誰でも一番金額の安いところで作りたいのが本音だと思うのですが、
A社 「ドラムを叩ける部屋には減衰性能75dB必要です」 → 近隣からの苦情は来ない
B社 「ドラムを叩ける部屋を65dBで作ります」 → 近隣から苦情が来る可能性がある
C社 「55dBの防音室を作ります」 → 間違いなく近隣から苦情がきます
防音性能によって使う材料は変わりますし、性能が高いほど使う材料の量も多くなり工賃もかかります。
性能仕様が明確でないまま金額だけで判断すると、「近隣から苦情が来る部屋」が出来てしまう可能性があるわけです。これではまったくの無意味な比較検討になってしまいます。
この防音室はドラムを叩いても近隣から苦情が来ないんですね?
まずはこのひとことを業者さんに投げてみてください。
「絶対に苦情がきません!」
そう自信を持って言ってくれる会社と防音室作りを始めなければ比較検討の意味がありません!
せっかく皆さまが思いを込めて作るお部屋ですので、後悔のない理想のお部屋を実現してください。
この内容はYoutubeでも配信させていただいております。
防音に関するさまざまな知識をわかりやすくお伝えしています。
ぜひチャンネル登録ください