偽情報に惑わされないためには?インターネットから簡単に、確実に、信頼できる防音商品にたどりつく方法
皆さん、こんにちは。
防音アドバイザーBudscene並木です。
調べものにはインターネットが便利ですよね。
しかしこのインターネット、実はくせものです。
インターネットの情報は公正であるとは限らないからです。
調べたい対象に正しくたどり着ければいいのですが、実際は金銭事情が絡み広告や宣伝ページに誘導されることがあります。
検索結果には真偽不明のフェイク情報も混ざっており、精査せずに素直に信じてしまうと危険です。
今回は「防音材」と検索するとどんな結果が出てきてどんな風に誘導されてしまうのか、そのルートを検証していきます。
「防音材」で検索して、実際に表示された結果
まず実際に「防音材」というワードで検索してみました。
Google Chrome、Safariなどのブラウザを使って検索する場合、検索順位には自分の検索履歴や閲覧履歴が反映されてしまいます。
そこで履歴が影響しないようにシークレットモードで検索したところ、結果は次のようになりました。
- スポンサー枠
①Amazon社
②防音メーカー3社 - 検索順位
③ソノーライズ社
④サウンドハウス社
⑤楽天市場
⑥モノタロウ社
⑦吸音材製造メーカー14社
⑧ミスミ社
⑨防音DIYの建材のページ
検索結果は全て物販ページであり、まず最初に表示されるのはスポンサー枠の4社、その次の5番目から純粋な検索順位が始まりました。
そして各社の詳細な中身を確認してみたところ、物販ページは表1. のような3つのタイプに分けられました。
表1. 「防音材」で検索し表示された物販ページのタイプ
タイプ | 物販ページ |
A. 防音材と吸音材が混在している | ①Amazon社 ②防音メーカー3社 ⑤楽天市場 ⑥モノタロウ社 |
B. 吸音材のみ | ④サウンドハウス社 ⑦吸音材造メーカー14社 ⑧ミスミ社 ⑨防音DIYの建材のページ |
C. 防音材と吸音材が区別されている | ③ソノーライズ社 |
Aタイプは、全く別物である防音材(遮音材・防振材・制振材)と吸音材の区別がついておらず、吸音材を防音材として販売していました。
Bタイプは、そもそも吸音材しか扱っていないのに「防音材」というワードで検索上位に引っ掛かってきました。こちらもAタイプと同じように吸音材に対して防音材という説明をしています。
Cタイプは、防音材と吸音材がしっかりと区別されており、購入者のことをきちんと考えている印象でした。本来ならば「防音材」というワードでの検索結果はこのCタイプが占めなければならないはずですが、残念ながらソノーライズ社1社のみでした。
また、検索順位の途中に出てくる②防音メーカー3社と⑦吸音材製造メーカー14社のページは、商品を売りたいがために作られた、明らかなコンテンツマーケティング(直接的な広告や営業ではなく、情報をさりげなく提供して顧客を増やす宣伝手法)でした。
念のため「防音材」の検索結果の2・3ページ目も確認したところ、1ページ目と似たような結果でした。
表示結果からわかること
以上の結果より、Googleで「防音材」と検索しても「防音材」と「吸音材」が混在して表示されてしまうことがわかりました。
しかしどうして防音材と入力しているのに、余計な吸音材までヒットするのでしょうか?!
これは検索エンジンの性質に起因します。
検索エンジンは基本的に入力された文字列に反応するため、合致する文字列が含まれており、かつ読む人が多い・更新が頻繁であるといったページを上位に表示します。(AI(人工知能)を搭載したことで大分精度が上がり、皆さまの要望に近い内容を読み取ってくれるようにはなりましたが、まだまだ完璧ではありません。)
すると一体どういうことが起きるのか。
皆さまが防音したいと思い立ち、何かよい防音材はないかとインターネットで探す時に、次のような悪循環に陥ってしまいます。
- 検索エンジンは、その商品が本当に防音材であるかまでは判別できない。紹介ページに「防音材」という文字列が入っていればとりあえず機械的に拾う。そして、防音材と吸音材は同じ意味であると検索エンジンが勝手に判断する。
- そのため実際には防音材でなくても、紹介ページに防音材というフレーズさえ入っていれば、検索に引っ掛かる。
- 消費者側は防音材を求めているのに、吸音材その他もヒットしてしまい中々目的の商品・情報までたどりつけない。
- 知識がないと検索上位の商品なら信用できるのかと思い込み、全く必要のない買い物をする羽目になる。
- 吸音材を売りたいメーカー側もそのことに気づき、紹介ページに意図的に防音材というキーワードを入れる。もしくは販売メーカー側でさえも吸音と防音の区別がついていない。
→ 1.へ戻る
このような流れに巻き込まれるので、インターネットで本物の防音商品に到達するのは非常に難しいといえます。
偽情報に惑わされないようにするためには、検索結果を鵜呑みにせず、しっかりと防音知識を身につけて自分で情報を精査することが大切です。
防音材と吸音材が混同されてしまう理由についてはこちらでも解説しています。
【防音材と吸音材は違います!混同する3つの理由とは?!】
また、防音DIYの成功へたどり着くまでの考え方やポイントについてはこちらでも述べています。
【そうだ、防音DIYしよう!防音知識をレベルアップさせると不安を乗り越えられます】
どうぞご参照ください。
信頼できる情報はどこで手に入れられる?
インターネット検索では信頼できる情報に到達できる可能性は低い、という検証結果が出ました。
それでは信頼できる情報は一体どうやって得られるのでしょうか?
DIYの情報誌を購入する?それとも気になった商品の販売メーカーに一々問い合わせる?
どちらも敷居が高いですよね💦
そこで提案したいのがYouTubeです。
え?!YouTube?と思われるかもしれません。
しかし私はYouTubeは次の点から情報源として有用であると考えています。
- 検索の精度が高い(余計な情報に惑わされにくい)
- 発信元が明確なので情報が信頼できる
- コメントで発信者と質疑応答できる
ということで、防音について調べるならYouTubeをおすすめします。
(ちなみに私のYouTubeチャンネルはこちらになります^^【防音アドバイザー 並木勇一チャンネル】)
YouTubeから色々な知識を学んだ後に、本当に大丈夫かな?!と自問自答しながらインターネットで商品を探すのが一番失敗しにくい方法ではないかと思います。
まとめ
インターネットの検索結果は、検索エンジンのシステムや販売側の利益といった様々な事情から、必ずしも信頼できる情報ばかりとは限りません。
私も防音アドバイザーとして、音に関する相談を色々な方から受けてきています。
その中には、誤った情報が溢れているため何を信じてよいかわからなくなっている方も大勢いらっしゃいます。
YouTubeチャンネルの方にいただいたご感想を一部抜粋しますね。
「調べてもほしい情報が出てこない・・・。」
「広告やアフィリエイト系ばかりで本当にネット検索は使いにくくなったなと思っています。」
「知りたい情報を検索しても商品とかショップの情報ばかり出てきてげんなりします。」
「たしかにググるよりyoutubeの方が知りたい情報をゲット出来る確率が高い気がします。」
「『簡単防音壁」なんて説明されている吸音材と遮音材だけでやっていたら無駄金となるところでした。」
このように、責任感のないインターネット情報に困っているというご連絡も多々いただいております。
インターネットの世界では、色々な販売サイトが商品を売りつけたいと手ぐすねを引いて待ち受けています。
有用な情報を見極めるのは難しいかもしれませんが、是非自分でも知識を深め、消費者を食いものにするページには引っかからないようにしましょう。
私たちBudsceneは様々な防音情報を、誠意をもって発信しています。
音へのトラブルを1つでも減らすために参考にしていただければ幸いです。
音について心配ごと・トラブル・疑問などありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
防音アドバイザーBudscene並木でした。
質問コーナー
Q. 防音のDIYをしようと石膏ボード、角材、グラスウールを買おうかと思っています。
運ぶ時に気をつけることはありますか?
A. 石膏ボードを積むと白い粉で汚れるので、乗用車に積むならシートを敷いておいた方がよいでしょう。いっそのこと軽トラなどを借りるのもアリかもしれませんね。
Q. ペットとして可愛がっている鶏がトランペットのような高音で鳴くので、生活音レベルまで抑えられる防音室をDIYで作りたいと考えています。
ホームセンターで材料を買おうと相談したところ、断熱材や発泡スチロール、ウレタン吸音材が防音材の代用になりますとのこと。鶏の生活環境も考慮した防音室を作りたいのですが、アドバイスいただけますでしょうか。
A. ホームセンターで紹介された商品は全て吸音系の素材なので、遮音性能にはほぼ効果がありません。
またDIYの建物では風に対してどうしても弱くなってしまうため、台風などの際に飛ばされてしまう危険が考えられます。物置やプレハブのような雨風を遮ることができる建物の中に、防音の施工を加えるのがよいのではないでしょうか。その際は建物自体を支えられるように床の強度も重要となるでしょう。
あとは排気や冷暖房についても考えなければなりませんね。
防音性に関しては、どれだけの性能が必要であるかで利用する素材も量も変わってきます。
まずは、大切なご家族の鳴き声の音量を測定し、その音をどこに対してどれだけ防ぎたいかを明確にしましょう。
Q. 集合住宅に住んでいます。3年前から近隣に越してきた人の振動音がきつくて困っています。何とかシャットアウトする方法はないでしょうか。
A. 残念ながら固体を伝わってくる衝撃音は、音源側の方に手を加えないと改善は難しいでしょう。聞こえる側で対策をしようとしても、音はピンポイントではなく部屋全体から伝わってきます。床、壁、天井を全て浮構造にしないと効果は得られないとお考えください。
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