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この防音性能は真実?いい加減なセールスを見抜く質問を大紹介!

更新日:

皆さん、こんにちは。
防音アドバイザーBudscene並木です。

この恐ろしげな顔、どこかで見たことありますよね。

真実の口

 

そう、イタリア・ローマの「真実の口」です。
この口に嘘つきが手を入れると手が抜けなくなる、という言い伝えがあるようですよ。
怖いですよね!

さて防音室のセールスでは再現できない性能を記載しておいて、絶対できるかのように提案してくる業者があります。

どういうことかというと、市場に出回っている大手楽器メーカーや建材メーカーの組み立て式防音室。実はあの中にかなりの割合で、記載されている性能よりも実際の防音性能が低い製品が混ざっているのです。
そして一部の業者はそれを、さもニーズに応えられる防音室であるかのように消費者に伝えて高額で売っているのです。

これに対して真実の口はどのような判定をすると思いますか?
セールス担当者が真実の口に手を入れたらちゃんと抜けるのでしょうか?
それとも・・・?

ということで今回は、市販の組み立て式防音室がどのように売られているのか、買う際に気をつけなければならない注意点についてお伝えしていきます。
誠実な提案なのか、いい加減なセールスなのかを見抜く質問もご紹介するので、市販の防音室を検討中の方は購入前に是非セールス担当者に質問してみてください。

市販の防音室を購入する際の注意点!

大手メーカー製の組み立て式防音室は圧倒的に知名度が高く、何となく安心感がありますよね。

しかしその安心感、実は何の裏付けもありません。
大手メーカー製だからといって、記載されている防音性能を疑いなく信じてしまっていると、防音室を使い始めてから後悔することになるかもしれません💧

そうならないためにも、市販の防音室を検討している方には、是非知っておいていただきたいポイントがあります。

それは次の2点です。

  1. 防音性能の表し方には2通りある
  2. それを知らずに、あるいは知っていても黙認して販売するセールス担当者が多い

それぞれ詳しくみていきましょう。

防音性能の表し方には2通りある

カタログなどでの防音性能の表し方には、次の2通りがあります。

  • 実測値(完成した防音室の遮音性能を測定)
  • 透過損失値(工場での理想的な環境下で、部材のみの遮音性能を測定)

実測値は防音室完成後に測定された遮音性能です。
カタログなどに実測値が記載されている場合は、防音性能がそのまま再現されるので問題ありません。

一方、透過損失値はコンクリートに囲まれた専用の試験室で測った、その部材のみの遮音性能です。
こちらは、いざ防音室が完成してもこの数字通りの防音性能は再現されません
実際の防音室には、壁と床、壁と天井、ドア、窓、換気扇、エアコンetc.の接合部があり、それらが一切ないコンクリートの試験室のようにはいかないからです。

透過損失値_実測値

もちろん接合部1つひとつの隙間は小さく狭いのですが、こういった細かい部分からの音漏れが遮音性能の低下につながります。

そのためカタログなどに透過損失値が記載されている場合は、その数値を信じて購入してしまうと防音室完成後に「思ったより防音性能が低かった」という事態に陥ってしまいます。

音は見えないので他で例えてみましょう。
飲料水で例えると、のどが渇いているので500 mlのラベルが貼ってある水を買った。けれど、その数値は工場出荷時の量で、手元に届く頃には蒸発して300 mlだった。のどを潤すにはとても足りない。500 mlだと思って買ったのに、騙された!製造側は輸送時に多くの割合が蒸発するのを知っているのに、あえてラベル表示は変えていない、といった状況です。

市販の組み立て式防音室の場合、くれぐれもカタログの数値をうのみにして購入しないようにしてください。
「工場測定値」「当社実験値」のように表示されていたら、透過損失値を記載している可能性が高いので要注意です。

防音性能を確認する上で一番確実なのは、大手メーカーの展示防音室に楽器などを持って行って実際に演奏してみることです。
フルートやトランペットのような持ち歩ける楽器だったら、誰かもう一人と2人で連れ立って行き、防音室内で演奏している音を外で聞いてもらいましょう。
楽器が大きくて持っていけない場合は、スマホやBluetoothのスピーカーを使って防音室内外の音量差を測定してみるとよいでしょう。

防音性能の表し方が2通りあると知らずに、あるいは知っていても黙認して販売するセールス担当者が多い

店頭に常駐しているスタッフでも、防音性能の記載の仕方が2通りあることを把握していない場合があります。
中には透過損失値についてさえ知らない人がいるかもしれません。

特に気をつけたいのが、製造元の楽器メーカーや建材メーカーではなく、防音室の販売・取り扱いだけをしているハウスメーカーや工務店のセールス担当者です。
自社の製品を直接販売しているのではなく他社製の商品を斡旋しているだけなので、勉強不足・知識不足の人物が担当になった場合に適当なセールスをされることがあります。
担当者自身に透過損失値と実測値の違いに対する知識がない場合は、本人も防音室完成後は資料に記載されてる透過損失値が100%保証されると思い込んで勧めてきます。
そこで皆さまがそれをうっかり信じて購入してしまうと、期待通りの防音性能は実現されず悲劇が起こってしまいます。

また悪質な場合は透過損失値と実測値の違いを理解しているにもかかわらず、あえて説明しないで販売するケースもあります。
透過損失値も防音性能として間違いではない、できあがった防音室の性能はそれよりも低下するがそこには触れずにとにかく売ってしまえばよい、と考えているのです。

セールス担当者にもっともらしい資料を見せられて「安心してください。大丈夫です!」と言われても、もしかして何の根拠も確信もないかもしれません。
口車に乗らないように、皆さまはそのセールス担当者が本当に誠実で知識があるのかを見抜く必要があります。

防音室購入を失敗しないための質問

そうは言っても購入前に見抜く方法はあるの?と思った方。

防音室を勧められた際は、是非次の質問をセールス担当者に投げかけてみてください。

「記載されている防音性能は、透過損失値と実測値のどちらなんですか?」
「透過損失値と実測値の違いについて教えてください。」

即答できたら、その担当者は知識があると踏んで大丈夫です。
「メーカーに確認してきますね。」などと一旦保留し、その場で答えられない場合は勉強不足の怪しい担当者です。

そしてもし即答した場合も、さらにこう質問しましょう。

「記載されている防音性能は、完成した防音室でも保証されますか?」

これでYesなら、信用できる担当者と判断してもよいでしょう。

まとめ

防音室を購入する際は、性能記載において透過損失値と実測値の違いがあることを覚えておきましょう。
セールス担当者に対しても、誠実であるかいい加減であるかの見極めが必要です。
(いい加減な担当者は真実の口的にアウト?それともギリギリセーフ?!皆さまはどう思いますか?)

私たちのような防音室施工専門の会社は、お客さまに細かなヒアリングをして個々の事情に合わせた防音室創りをしていきます。
さらに弊社では性能保証をするために、防音室完成後に予定通りの性能がきちんと実現できているかを測定・確認します。
そしてもし性能が満たない場合は無料で再工事をしています。

しかし市販の組み立て式防音室は違います。
メーカー側は防音室を売った後は放置であり、性能を保証してはくれません。
満足できる環境を手に入れられるかどうかは全て購入者の責任となります。
知識のないまま「防音室を依頼しさえすれば大丈夫」と思っていると危険です。
防音室購入を失敗しないためには、防音に対して能動的に関わっていくことが大切です。

私たちBudsceneは求められた性能をしっかりと実現できる防音室を提供しています。
音にお悩みの方がいらっしゃいましたらご相談・ご依頼などいつでも承りますので、どうぞお気軽にご連絡ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。
防音アドバイザーBudscene並木でした。

質問コーナー

Q. コロナ禍からダンボール製や布製の防音室を見かけるようになったのですが、効果はあるのですか?
10万円単位で費用がかかるようなので迷っています。
A. どちらも軽い素材なので、遮音性能はあまり期待できないでしょう。
DIYで工夫すれば同等の遮音性能は十分確保できると思います。

Q. コンクリート製で壁厚30 cmの 3Dプリントハウスが気になっています。
価格も10坪(約33 m2)で500万円のようで、防音スタジオに最適かと考えているのですがどうでしょうか。
A. 3Dプリンターでの住宅技術については今後大きく進展しそうですね!
ただし現状ではまだ次のような課題があり、防音スタジオとして利用するには難しいと感じます。
・コンクリート製といっても鉄筋を入れていないので、強度が弱い
・床の防振構造がとれていない
この2つの課題がクリアされ、かつ建築基準法にも適合すれば費用を大幅に抑えた防音室を作れるようになるかもしれません。

Q. 御社の防音室と市販の組み立て式防音室はどう違うのですか?
A. 弊社の強みは、性能保証オンリー・ワンの防音室創りです。
市販の組み立て式防音室のような既製品は、大勢を対象にある一定のレベルの品質を供給します。
一方弊社の防音室はお客様お1人おひとりの事情に合わせ、「どんな音をどこに対してどれだけ防ぎたいのか」というゴールから逆算した、無駄のない防音室創りを心掛けています。
そして、性能保証により約束した防音性能を必ず達成することで、安心して防音室創りをお任せいただけます。
型に嵌(はま)った防音室ではなくデザイン面での自由度が高いのも特徴です。
デザイン面に関してはこちらをご参照ください。
Budsceneの防音室はここが違う!「好き」を集めた防音室でオンリー・ワンの空間を実現!-施工事例1.エレクトリックドラムの防音室-
こういった強みにより弊社は創立以来15年間、お客様にご満足いただける防音室を提供し続けてきたと自負しております。

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【防音アドバイザー 並木勇一チャンネル】

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並木 勇一 株式会社Budscene代表取締役
防音室・ホームシアターの専門家として、防音室の設計デザインから音響空間のデザインまで手掛けています。 音に関するお悩みを解決するきっかけになればと考え、正しい情報を元に防音に関するノウハウや情報を発信しています。
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