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カタログにはカラクリがある?!防音室購入を失敗しないために

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皆さん、こんにちは。
防音アドバイザーBudscene並木です。

他社で防音室を購入した方から「カタログ通りの防音効果がなかった!」「防音工事の施工会社が大丈夫っていうから信じたのに音漏れしている!」という相談をよく受けます。

防音室は高額な買い物なので、失敗すると金額的・時間的・精神的にダメージが大きいですよね。

大きな買い物1

皆さんには防音室作りを後悔してほしくないので、今回は購入前に知っておいていただきたい「あること」をお伝えしたいと思います。

カタログ記載の数値のワナ

一つ目は、カタログに記載されている遮音性能の数値は、実際の防音室の遮音性能ではないとうことです。

カタログの数値は、工場の試験室で測定された透過損失値(TLD値)という値です。
透過損失値の検査は、壁・天井・ドアなど部屋を構成する材料単体の遮音性能を測るために、計測に必要な音以外が周りから漏れないような理想的な空間内で行われます。

一方実際の防音室は、上記の材料を組み合わせてできています。
ドアや窓、換気や空調のための隙間があり、完全に密閉された空間ではありません。
色々な隙間から音が漏れていくため、実際の防音室の遮音性能はカタログに記載されている材料単体の透過損失値よりも低下してしまいます

防音室を作る時はこのことを念頭においておかなければなりません。

透過損失値についてはこちらで詳しく述べています。
【防音室の性能表記には嘘がある】
どうぞご参照ください。

防音室施工の依頼先

二つ目は、防音室の施工業者によって防音技術に大きな違いがある!ということです。

皆さんが防音室施工を業者に依頼する場合、おおまかに次の2パターンになるでしょう。

【パターン1】

①購入者が防音室の専門業者に直接防音室の施工を依頼
②防音室の専門業者が、自社のノウハウで最初から最後まで責任をもって工程を担当

【パターン2】

①購入者が大手のハウスメーカーや近所の工務店に防音室の施工を依頼
②依頼されたハウスメーカーや工務店が、建材メーカーや楽器メーカーの販売している商品を使用して防音室を施工

この2つで何が違うの?と思われるかもしれません。
けれど「どこに依頼するか」という選択は防音室の完成度に影響してきます。

防音室の専門業者はその道のプロなので防音室作りのノウハウをつちかっています。
そのため、近所から苦情が来ないようなしっかりとした遮音性能をもつ、お客様の求めるクオリティの防音室を実現できます。

しかし一般的なハウスメーカーや工務店は、あくまで建築の専門家であって防音の専門家ではありません
建築分野と防音分野は畑が違うのです。

従って、ハウスメーカーや工務店が防音室を売っていたとしても、防音分野をカバーしているとは限りません。
防音について詳しい知識や技術がある前提で依頼すると、防音室が完成した後に不満が生じるでしょう。

餅は餅屋へ、防音は防音室の専門業者へ任せた方が安心です。

サギ業者に騙されないで!

世間では責任を負いたくないために、意図的に曖昧な表現をする」「知識や技術がないのに、あたかも経験豊富かのように見せるといった、サギまがいの業者が常に虎視眈々とカモが引っかかるのを待っています。

これは残念ながら防音業界にも当てはまります。

よくあるのが、言質をとられないように逃げ道を作り購入側に判断をゆだねるパターンです。
問題が起きても自己責任のかたちにもっていこうとしているのです。
例えばカタログ上で「500 Hzで42 dB」とだけ説明されている材料があったとして、音が42 dB減衰するのか、42 dB漏れるのかわかりづらいですよね。

また字を小さくして、説明を読む気を削(そ)ぐのも定番の手です。

そういった業者をうっかり信じると、根拠のない「大丈夫です!」で押し通されて、「こんなはずではなかったのに」という結果を招きます。

鴨鷺

 

いい加減な業者の場合、透過損失値と実際の防音室の性能のズレを知らず、「カタログに書いてあるのだから大丈夫です!」と強引に工事を進めることもあります。
それを鵜呑み(うのみ)にしてしまうと性能が足りなくなり、せっかくの防音室が無駄になってしまいます。

鵜鷺

 

購入側の最終的な目的は「近隣から苦情が来ないようにしたい!」「安心して伸び伸び演奏や音楽活動を行いたい!」ということに尽きると思います。

しかし業者の中にはお客様の事情に寄り添う姿勢がなく、カタログ上の数値を事務的に満たして契約を強制終了するところがあります。

ひどいケースでは、約束通りの防音性能が出なかった時に「お客様の演奏は素晴らしいのできっと騒音には認定されませんよ!むしろ窓を開けて聞かせてあげたらどうですか?」「苦情が来る前に、こちらから予め近隣に触れまわっておけばトラブルになりませんよ」などと言いくるめようとしてきます。
そんなことで解決できるなら、最初から高い費用をかけて防音室を作りませんよね?!

このようにあてにならない「大丈夫です!」には騙されないように、是非自らも知識をつけて業者を見極める目を養いましょう。
大手メーカーの看板や、業者に都合のよい文句に惑わされず、信頼できる業者をパートナーとして満足の行く防音室を作りましょう。

鷽鷺

性能保証の重要性

ここまではいい加減な業者について述べてきましたが、逆にお客様に誠実に向き合おうとする業者もちゃんと存在します。

それは性能保証を行っている会社です。

性能保証とは、防音室が部屋としてできあがった後に性能を測定し、契約通りの性能を保証することです。

例えば弊社では、もし求める性能に及ばなかった場合は再工事をして作り直すという契約をします。
試験室で測定した机上の値ではなく、購入者の手元に届いた段階での性能を保証し、最後までしっかりと責任をもつことを信条としているからです。

皆様も契約時には、性能保証をして希望の減衰値が得られなかった場合に改善まで含まれるのか、別途費用がかかるのかを確認するようにしてください。

まとめ

今回は、防音室購入を失敗しないために

  • 防音商品のカタログに記載されている数値は、実際の防音室の遮音性能ではない
  • ものごとはその分野の専門家に任せるのが一番!防音は防音のプロ・防音室の専門業者へ依頼しよう
  • 世の中には誠実でない業者も紛れている
  • 性能保証を行っている会社は信頼できる

といったことをお伝えしました。

これらを踏まえて是非満足できる防音室を手に入れてください。

私たちBudsceneは性能保証により、近隣から苦情が来ない防音室を提供しています。
音にお悩みの方がいらっしゃいましたらご相談・ご依頼などいつでも承りますので、どうぞ気軽にご連絡ください。
防音ショールームの見学・体験もお待ちしています♪

最後までご覧いただきありがとうございました。
防音アドバイザーBudscene並木でした。

質問コーナー

Q. 性能保証はどうやって行うのですか?
A. できあがった防音室内でノイズを発生させ、防音室の外でどのくらい音が弱まるかを騒音計を使って確認します。

性能測定

詳しくはこちらで述べています。
【防音室の正しい性能測定】
どうぞご参照ください。

Q. 透過損失値はどのように測定するのですか?
A. コンクリート製の規格通りの2部屋の間に材料をセットし、片方の部屋でノイズを発生させます。
そして、もう片方の部屋でどのくらい音が弱まるかを騒音計を使って確認します。

透過損失値

詳しくはこちらで述べています。
【防音室の性能表記には嘘がある】
どうぞご参照ください。

Q. 性能保証以外に詐欺業者を見分けるコツはありますか?
A. コツとしては、

  • 複数社の見積もりを比較
  • 今までの実績をチェック

などがあります。
特に見積もり時の「〇〇一式」という表現がある場合は、不明な料金がないように具体的な使途をはっきりさせましょう。
また、自分でも防音について詳しくなり、色々と業者に質問して違和感を覚えないところに決めるとよいでしょう。
口コミや評判などを参考に、顧客と真摯に向かい合ってくれる誠実な業者を見極めましょう。
どうぞ、こちらもご参照ください。
【見積もりは金額で決めるな!防音室の目的を達成できなければ意味がない】
【防音室の見積もりのチェックポイント】
【効果のない防音工事をする業者に注意】

関連動画

【大手メーカーの防音室カタログには性能詐称の逃げ道が沢山あります!こちらについて皆さん感想をコメントでください!防音室を購入する方は必見の動画です!】

【防音アドバイザー 並木勇一チャンネル】

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並木 勇一 株式会社Budscene代表取締役
防音室・ホームシアターの専門家として、防音室の設計デザインから音響空間のデザインまで手掛けています。 音に関するお悩みを解決するきっかけになればと考え、正しい情報を元に防音に関するノウハウや情報を発信しています。
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