簡易防音と完全防音違いって何?①「その防音室に完全防音は本当に必要?」
いろいろな防音室をネットで検討する際、「簡易防音・完全防音」と言う言葉が目につきます。
お客様からも「簡易防音でいいんです」や「完全防音にしたいです」というご連絡をいただくこともあるのですが、今回は、「簡易防音」と「完全防音」について説明させていただきます。
簡易防音と完全防音違いって何?①「ネットから生まれた言葉」
最初に結論をお伝えすると、「簡易防音」と「完全防音」という言葉は防音に関する書籍や資料などの中には一切書かれていない文言です。
これはインターネットが普及する中でいつの間にかネット上で使われるようになった言葉になります。
簡易的な防音とはどんなものを想像されるでしょうか?
また、完全な防音はどういった防音を指すのでしょうか?
作りたい防音室の定義がはっきりとしてれば、簡易防音や完全防音という言葉は実は全く必要がないのですが、防音室の定義があやふやだとこう言った曖昧な言葉に惑わされてしまうので、注意が必要です。
簡易防音と完全防音違いって何?①「完全防音は必要か」
まずは、「完全防音」から考えていきましょう。
完全な防音室ということは、音が一切漏れないお部屋ということです。意味だけで捉えるなら真空に近い、音を完全に通さない空間という風にも受け取れます。
例えば、普段弊社がピアノスタジオを作る際は、”ピアノの音で近隣から苦情がこない防音室”を作っています。言い換えると、この防音室は苦情はこないけれども、音漏れが一切ないわけではありません。
過去のブログ防音性能は環境騒音で決まる!でもご紹介したのですが、お部屋の周りの環境騒音にピアノの音を紛れさせ、苦情がこないレベルまで音を減衰させる工事をすることで、お客様の”自宅で周りを気にせずにピアノを弾きたい”という目的にあった防音室を完成させています。
もちろん音が一切外に漏れない「完全防音」の部屋を作ることは可能かもしれませんが、その為には膨大な材料とその重さ、そして高額なコストがかかります。
”ピアノの音で近隣から苦情がこない防音室”を目的とした部屋としてはかなりのオーバースペックとなり、材料に関してもコストに関しても目的から外れた無駄な工事を重ねることになり全く好ましくないのです。
まとめ
・「完全防音、簡易防音」という言葉は、ネットスラング!
・目的にあった防音室作りに、完全防音はオーバースペック
次回は、勘違いされやすい簡易防音について紹介していきます。
この内容はYoutubeでも配信させていただいております。
よりわかりやすくお話しさせていただいておりますので、ぜひご覧ください。
Youtube Budsceneチャンネル