【事例35】-壁・天井の騒音対策をするときの注意点は?-
音楽スタジオを運営しているのですが、防音対策をDIYで補っている状態です。
とうとう近隣住民の方から苦情が来てしまい、困っています。
防音のお悩み相談・質問コーナー。
今回のゲストは、音楽スタジオを運営しているiさんです。
では、ご相談・ご質問をどうぞ!
O県で音楽スタジオを運営しています。
防音対策をDIYで済ませているのですが、近所の方から苦情が来てしまいました。
御社のYouTubeチャンネルで勉強させていただいている最中なのですが、アドバイスをよろしくお願いいたします。
辛口の返信になってしまいます。申し訳ございません。
音楽スタジオとして運営するにあたり、DIYだけの状態では「焼け石に水」でほとんど防音の役には立っていないのではないでしょうか。
辛口、ありがたいです!
これから複構造の追加防音工事をしていくことを検討しています。
お金をかけて依頼する予定のため、甘い見積もりでいくと無駄金を使うだけなので厳しい方が助かります。
よろしくお願いいたします。
ノウハウのない工務店などの提案では、お金をかけても少しの音量しか防げないので、ご依頼する際は見極めてくださいね。
現状はどのような仕様になっているのですか?
プレハブの壁に石膏ボードと遮音シートとグラスウールを直接貼っただけの構造になります。
・苦情のある方向の壁に、防音間仕切り
・建物内に、大きめの防音ブース
を設置しようと考えております。
こちらの防音間仕切りと防音ブースですね。
・防音間仕切り→【完全解説!防音のプロがDIYで壁を防音強化】
・防音ブース→【【10万円】完全解説!防音のプロがDIYで防音室を創る】
まずは「どんな音をどこに対してどれだけ防ぎたいのか?」をはっきりさせましょう。
「『スタジオ⇔建物外部』でどれだけの遮音性能を確保したいのか」を数値化し、ゴールを明確にしてから対策方法を決めないと、徒労に終わってしまうことがあります。
生ドラムも含めたバンド演奏は120 dB程の音圧になります。
スマホの騒音計アプリでも近い音量をだせるので、建物外部でその音を測定し、何dBまで音量を下げれば迷惑にならないかを確認してみてください。
「スタジオ⇔建物外部」での目標性能の設定によっては
・ドア部
・換気扇
・エアコン
などが大きな課題となってくるかもしれませんね。
こちらの動画
【【衝撃】こんなに音が防げるなんて。。。驚きの実例収録![木造住宅 防音室編]】
は
・床⇒防振コンクリート打設
・壁⇒合計3層の防音+断熱層
・天井⇒合計2層の防音+屋根層
・給排気⇒天井裏ダクトにて消音機工
・エアコン⇒先行配管での消音機工
という施工で、65 dB減衰という性能になっております。
しかし、生のドラムを含めた演奏に関してはこちらでも性能不足となるでしょう。
120 dB-65 dB=55 dBは、エアコンの室外機(50 dBほど)より少しうるさく、乗用車や洗濯機の音(60 dBほど)より少し静かな程度です。
発信されているアドバイスの内容を踏まえ、壁と天井に石膏ボードを貼りまして、10 dBほど防音性能が上がりました!
ありがとうございます!
次は
①浮床を追加
②浮床の上に複構造設置
を進めていこうと思っています。
ただ、このままだと元々低かったコンテナの天井が低くなりすぎてしまうという悩みが発生しまして、どうしたものかと悩んでいます。
代替案として、次の2案はどうでしょうか?
A. 苦情が来る家の方向のみ天井と壁増強
B. 苦情が来る家の方向のみ壁だけ増強
A案は音の廻り込みを考えると意味がないでしょうか?
B案は中途半端にA案をやるくらいなら、壁のみ増強した方がコスパがよいかと考えました。
部分的な施工では大きな音を防ぐことはできませんよ。
改善工事を行う前よりも、改善工事を行なった後にさらに防音性能を上昇させる方が困難になってきますので。
天井高を下げずに防音性を高めるなら、コンテナ外側への施工がよいのではないでしょうか。
ありがとうございます!
以前、電話でもご教示いただいたドラムの音の方を小さくすることも視野に入れて検討していきたいと思います!
無事に問題が解決するよう応援しています。
音に悩んだら、またお気軽にご連絡ください!