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防音室の相見積もりのとり方。価格以外に絶対に外せない条件とは?

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皆さん、こんにちは。
防音アドバイザーBudscene並木です。

家や車など大きな買い物をする時、大抵の場合は即買いではなく色々な販売店を見て回り、慎重に比較検討してから決めますよね?!
防音室の場合も同じです。
まずは目ぼしい業者に相見積もりをとり、その中でよい条件のところに依頼するようになるかと思います。

そこで今回は、防音室の相見積もりをとる中で絶対に外せない「ある条件」について解説していきます。

相見積もりの際に絶対に外せない条件とは

相見積もりの際に絶対に外せない条件とはズバリ、見積条件を合わせることです。
見積条件が同じでないと、各社で算出されたそれぞれの金額を比較する意味がなくなってしまうからです
自動車で考えるとわかりやすいでしょう。A社は軽自動車、B社は高級車の見積を持ってきたとします。A社のほうが安いでしょうが、それは条件が異なるので意味がないですよね。

防音室での見積条件とは即ち、どのくらい音を防げるかを表す遮音性能を指します。

そのため防音室の相見積もりをとる際は、遮音性能を50 dBなら50 dBに、60 dBなら60 dBに合わせた上で各社に金額を算出してもらうように注意しなければなりません。

相見積もりの際の問題点

しかし、ここで問題が発生します。

それは「依頼者側が自分に必要な遮音性能を把握しておかなければ、見積条件を合わせられない」ということです。

防音について曖昧な知識のまま依頼すると、各社からの提案がバラバラでも正確な判断ができません。

例えば、ピアノを弾いても近隣から苦情が来ない防音室を作りたい際に以下の提案をされたら、皆さんはどちらに依頼しますか?

  • A社→「遮音性能は40 dBで大丈夫ですよ。金額は300万円です。」
  • B社→「遮音性能は60 dBは欲しいですね。金額は500万円になってしまいますが。」

金額に惹かれてA社を選択した場合、もしかして遮音性能40 dBでは性能が足りずに近隣から苦情が来てしまうかもしれません。
そうなると追加費用が発生したり、最悪の場合には防音室にかかった費用300万円が丸々無駄になってしまったりします。

また、性能面でB社を選んだ場合でも本当は50 dBで充分だったところ60 dBの過剰な性能を提案された可能性もあります。
性能を上げるためには当然金額も高くなるので、本来はかからなかったはずの代金分を多く支払わなければなりません。

こういったことを防ぐためには、依頼者側も事前に音に関する知識をつけておくことが大切です。
見積もりをとる際は必要な遮音性能を具体的に把握して自ら指定する
くらいの意識で臨むと失敗しないでしょう。

そして指定した遮音性能で見積もりを出してもらった上で、金額を比較しましょう。

自分に必要な遮音性能の求め方はこちらで解説しています。
【見積もりは金額で決めるな!防音室の目的を達成できなければ意味がない】
どうぞご参照ください。

その他のチェック項目

さて、防音室は遮音性能と金額だけで決まるわけではありません。

居心地の良さや使い勝手の面で、金額の他にもチェックすべきポイントはいくつかあります。

それは次の6点です。

項目

見積もり書では一番上に金額がドーンと書かれており、具体的な詳しい内容は専門用語で小さく記載されています。
そのため、金額以外はどこをどう読み取ればよいのかわからない!という方も多いでしょう。

見積もり

 

そこで6つのポイントを1つひとつ詳しく解説していくことにします。

防音室を遮音性能と金額だけの無機質な空間ではなく、快適さをプラスした理想の部屋として追求したい場合は是非ご参考にしてください。

ドアの材質

ドアをスチール製にするか木製にするかというのも防音性能に大きく関わってきます。

木製の方が防音性能が落ち、金額も安くなります。
量産品ともなるとさらに費用を抑えることができます。

また、遮音性能の保証値しだいではドアを2枚にする必要性もでてきます。

窓の仕様

窓の仕様を内窓にすると、防音性能がかなり向上します。
ただし防音効果はガラスの枚数や厚さ、ガラス同士の距離などによって変わります。
ガラスの性質に関する知識やノウハウがあり、商品の選択肢も豊富な業者を選びましょう。

電気工事

防音室内でテレビやパソコン、掃除機などの電化製品を利用したい場合は、コンセントの個数や位置も重要です。見積もり内の金額で移設や増設ができるかも確認しておきましょう。

また、照明デザインの希望があったら予算の範囲で叶えられるのかも聞いておくとよいでしょう。

エアコンの設置工事

エアコンの工事の請負範囲は業者によって次のように3パターンあります。

  1. エアコン本体費込みでエアコン工事を請け負う
  2. エアコンは依頼者側が用意しエアコン工事のみを請け負う
  3. エアコン本体・設置工事どちらもエアコン販売店側に任せる

ただし、パターン3のように外部に工事の依頼をすると、別途費用がかかると共に防音性能も下がってしまう可能性があるので気をつけなければなりません。

ちなみに私たちBudsceneの場合は、パターン1・パターン2のどちらでもOKです。
設置工事に関しては、壁の貫通から防音処置、エアコンの設置まで一連の流れを全て見積もりに入れています。
室内機と室外機をつなぐパイプの処置も劣化しにくく見栄えのよい方法を標準仕様としています。

床の内装

床のグレードには、フローリングやカーペット、タイルなど様々なものがあります。
希望する床材にはオプション料金がかかるのか確認しておきましょう。

壁の内装

壁のグレードにも、木目調やレンガ調、ストライプ、花柄など様々なものがあります。
希望するクロスにはオプション料金がかかるのか確認しておきましょう。

Budsceneの場合は、人気の木目調やレンガ調にもオプション料金はかかりません。

見積もり時の各チェックポイントついてはこちらでも述べていますので、どうぞご参照ください。
【防音室の見積もりのチェックポイント】

各社の見積もりを比較

何社かに見積もりをとった後は、最終的に一社に絞らなければなりません。
防音室の価格は高額なので失敗は許されません💦

遮音性能、金額と他の6つの項目のバランスを考えて各社の見積もりを比較しましょう。

レーダーチャートで考えてみよう

比較検討の際にはレーダーチャートの考え方がわかりやすくおすすめです♪

レーダーチャートとは色々な項目の評価をクモの巣のようなグラフで表す手法で、結果が大きな円に近いほどバランスよく高評価であるということを示します。

レーダーチャート_クモの巣

 

上で解説した「遮音性能+金額+6つのチェックポイント=8項目」を軸として、各社ごとにレーダーチャートで表して比較してみましょう。

図1.のように遮音性能と金額(価格の安さ)を上下に、その他の項目を左右に配置すると視覚的にわかりやすくなると思います。
水色のラインは各項目の基準となる希望ラインを表しています。

レーダーチャート見本

図1. 防音室の見積もり評価

次に、図2.を見てみましょう。

紫ラインの見積もり1と青ラインの見積もり2が示されています。
遮音性能は各社同じである前提なので希望ラインに固定されます。

その他の項目は、見積もり1が希望ラインより内側(評価は低い)、見積もり2が希望ラインより外側(評価は高い)です。

レーダーチャート_大円・小円

図2. 見積もりの比較例1

こういった場合はわかりやすいので見積もり1は候補外となり、迷わず見積もり2を選べますよね。

では次に、図3.を見てみましょう。
レーダーチャート_比較

図3. 見積もりの比較例2

A社は価格だけ希望ラインを超えています(価格が安い)が、他の項目は希望ラインを超えていません。
逆にB社は価格だけ希望ラインを超えていません(価格が高い)が、他の項目は希望ラインを超えています。

こんな時、皆さまならどちらを選びますか?

価格の安さだけに注目するとA社に惹かれてしまいますよね。
しかし、その他の項目も考えて全体的に判断すると・・・?

ここは皆さまが何を重視するかによって選択が分かれるところですが、譲れるところ・あまりこだわりがないところなど防音室のイメージ像を明確にしておきましょう。

もちろん、絶対にどちらかに決めなければならないわけではなく、第3・第4のC社・D社に登場してもらうのもアリですよ。

防音室は高額な買い物なので、金額だけでA社の案に飛びついて後悔してしまわないように、レーダーチャートの考え方を活かしていただければと思います。

まとめ

見積もり時にチェックする項目の優先順位は

  1. 遮音性能
  2. 金額
  3. その他の6つ

です。

防音室作りの依頼先を検討する際には、必要な遮音性能を具体的に把握してから見積もりをとり、その上で金額を比較しましょう。ここは絶対譲れない項目です。

また理想の防音室を手に入れるためには、金額だけで決めるのではなく、その他の6つの項目とのバランスを考えてトータルで判断することが重要です。

私たちBudsceneはお客様へ、近隣から騒音の苦情がこないことを第一に考えた遮音性能を提案しています。
そして、どんな空間だったら居心地がよいのかをヒアリングしながらお客さまと共に防音室を創りあげていきたいと想っています。
もし音にお悩みの方がいらっしゃいましたらご相談・ご依頼などいつでも承りますので、どうぞ気軽にご連絡ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。
防音アドバイザーBudscene並木でした。

質問コーナー

Q. 御社へは遠方からでも発注可能でしょうか?
A. 工事自体は拠点である関東以外でも対応しているのですが、出張経費を一部いただくことになるため割増しになってしまいます。ご了承ください。

Q. 現在依頼を検討している業者では遮音性能の保証が特になさそうなのですが、信用しても大丈夫でしょうか?
A. 要注意です。性能保証をしない=防音効果に責任を持ちません、ということなので最悪の場合、適当な工事で濁(にご)される可能性があります。怪しいと思ったら避けてくださいね。

Q. 戸建てに住んでおり、1階にリビング、2階に和室の寝室があります。昼夜逆転生活をしているため昼にリビングで遊ぶ子供の声で眠れず、防音を考えています。
しかし和室側を防音すればよいのか、リビング側に対策すればよいのか見当がつきません。
A. 2階の和室への防音室施工は、おそらく耐荷重が不足しており難しいでしょう。安眠できる静けさは人によって異なるので、まずはどこから音が漏れてくるのか、どこまでの防音性能を求めるのかを明確にしましょう。
必要な防音性能の求め方は下記のURLをご参照ください。
【プロが教えます!必要な防音性能を確実に調べる方法とは】
【スマホの騒音計アプリで防音対策!】
【防音室や防音の、音漏れ確認や防音DIYの目安の簡易測定に利用できる【ピンクノイズ】】
リビングのドア → 階段 → 和室のドアを通って漏れてきている場合には、両方のドアの気密を上げることで改善できるかもしれません。

関連動画

【【防音室】騙されるな!防音室の見積もりを見極める7つのチェックポイント!】

【防音アドバイザー 並木勇一チャンネル】

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並木 勇一 株式会社Budscene代表取締役
防音室・ホームシアターの専門家として、防音室の設計デザインから音響空間のデザインまで手掛けています。 音に関するお悩みを解決するきっかけになればと考え、正しい情報を元に防音に関するノウハウや情報を発信しています。
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