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防音ドアの違いを解説!選ぶ際の2つのポイントとは?!メチャクチャ素晴らしい掘り出しものもご紹介

公開: / 更新:

皆さん、こんにちは。
防音アドバイザーBudscene並木です。

ドラえもんのひみつ道具に「どこでもドア」ってありますよね?!
私の中では、あったらいいな♪アイテムの上位にランキングしているのですが・・・。

どこでもドア

宇宙地図や空間歪曲装置が組み込まれていて希望の場所へ連れて行ってくれる優れものなのに、お値段はなんと未来価格640,000円なんだそうですよ。
メチャクチャお買い得じゃないですか?!

でも、まだ大切な要素を確認していないんですよね。

大切な要素とは何かって?
もちろん防音性能です!

今回はどこでもドアの防音性能を考察しつつ、防音ドアの性能を見極めるためのポイントや、どこでもドアに負けないくらいのお買い得商品を紹介していきます。

防音ドアの見極め方

市販されている防音ドアはスチール製、アルミ製、木製など材質が多様で防音性能もピンキリです。

また、性能表記も実際の防音性能ではなく透過損失値(※1)で記載されていることが多く、表記方法もD値(※2)やT値(※3)など統一されていません。

※1 透過損失値・・・ 部材のみの遮音性能。工場内でコンクリートに囲まれた理想的な環境で測定される。実際に防音室を作る際はドアや窓、換気や空調設備などで隙間が生じるため、防音室完成後の遮音性能は透過損失値よりも低くなることが多い。

※2 D値・・・壁の遮音性能を表す数値。例えばD-50と記載されていれば音を50 dB減衰させるという意味になる。D-30、D-35、D-40のように 5 dB毎に区切られており、Dに続く数値が大きいほど遮音性能が高くなる。

※3 T値・・・ドアや窓の遮音性能を表す数値で、T-1~T-4までの等級で表わされる。

  • T-1  → 25 dB減衰相当
  • T-2  → 30 dB減衰相当
  • T-3  → 35 dB減衰相当
  • T-4  → 40 dB減衰相当

そのため防音ドアは表記性能からの比較がしにくく、もちろん1つひとつ実際に防音性能を確認することも厳しいので、選ぶのが難しい商品といえます。

しかし、安心してください。
高性能の防音ドアを簡単に見極めるポイントがあるんです!
それは次の2つです。

  • ドアの質量が重い
  • ドアノブがグレモンハンドル(ローラーハンドル)

音は振動なので、音を遮る物体が重ければ重いほど物体を揺らしにくくなるため弱まります。
つまり、音を防ぐ材料(防音ドア)は重ければ重いほど遮音性能が高いということになります。

また、ドアノブがグレモンハンドルであることも重要です。
グレモンハンドルはドアと枠との締め付けを強くしてギュッと寄せるので、丸ノブやレバーハンドルよりもドア枠にドア本体を密着させることができるのです。
従って、グレモンハンドルにすることで防音室内の気密が高くなり、音が外へ漏れにくくなります
グレモンハンドルのドアというだけでも、そのドアが防音性能に拘って作られていることがわかります。

グレモンハンドル_丸ノブ_レバーハンドル

 

さて、この条件に当てはめるとどこでもドアはどうなるでしょうか。

ノブは丸ノブでしたよね。
重さに関しては正式な質量は公開されていませんが、木の他に砂糖・塩を使って作るそうなので純粋な木製ドアよりは重そうです。(木の比重:1.0以下が多数、砂糖の比重:1.6、塩の比重:2.16。比重とは、同体積の水と比べた時の重さの割合。)
色々な装置も内蔵されていますし、軽々持っているとはいえドラえもんは129.3馬力(1馬力=735.5 W)の力持ちであるようなので、やはりドア自体は結構重いのではないでしょうか。
ということで、防音性能は
スチール製 > どこでもドア > アルミ製  > 木製
と予想します。

え?そもそも、どこでもドアは開く瞬間まで目的地へつながっていないから音は聞こえてこないって?
確かに!(笑)

いずれにせよ、防音ドアを選ぶ際はカタログ上で是非ドアの重さハンドルタイプを確認してみてくださいね!

おすすめ商品ランキング

さて、この度「防音ドア」のキーワードでインターネット検索をしてみたところ、素晴らしい商品を見つけたのでランキング形式でご紹介していきます。
もしかして、どこでもドアにも劣らないくらいの逸品があるかも?!

なお、検索の際は私の好みや履歴などが反映されないように、パソコンはシークレットモードにしていました。商品は公平に客観的に選んだので安心してくださいね♪

それでは発表します!

1位 ABC商会「エスプルードDr-35」

映えある第1位に輝いたのはABC商会の「エスプルードDr-35」です!

Dr35

出典:https://www.jrelife.jp/shop/g/g00518-00048/

商品名 エスプルードDr-35
カタログ防音性能 35 dB減衰
材質 e-WOOL(※4)
質量 枠30 kg/扉70 kg
ドアノブ グレモンハンドル
価格 ¥319,790(税込み)、送料無料
おすすめ度 ☆☆☆☆☆

※4 e-WOOL・・・多孔質構造のポリエステル繊維

これ、メチャクチャ優秀だと思います!
総重量100 kg・グレモンハンドルという仕様で見極めポイントを2つとも満たしているので、謳(うた)っている35 dB減衰の防音性能を期待通り実現できるはずです。
さらに価格も約32万円と安い
デザインも木目調の仕上がりで重厚感がありますよね
私も買いたいと思うぐらいです。

総重量が100 kgもあるとチャーター便や混載便という特殊な輸送方法を利用すると思うのですが、そうすると運搬費用が結構かかるんですね。
それが送料込み・税込みで32万円なんて、安すぎてこの商品を掲載しているネットショップJrelife(ジェイリライフ)さんが心配になるくらいです💧

2位「シーリングストリップ」

第2位は「シーリングストリップ」という商品です。

厳密には防音ドアではありませんが、「防音ドア」のワード検索に引っかかったので防音ドアカテゴリーに入れることにします(笑)

シーリングストリップ

出典:https://ja.aliexpress.com/item/1005001684965514.html

商品名 シーリングストリップ
カタログ防音性能
材質 eva(※5)
質量
ドアノブ
価格 ¥298(税込み)、送料¥113
おすすめ度 ☆☆☆☆

※5 eva・・・Ethylen-Vinyl Acetate(エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)の略で、軽く柔らかく弾力性に富んだ樹脂素材

ドアの構造上、動かすためには下に隙間を設けなければいけませんが、この隙間から音やら風やら埃やら虫やら・・・色々なものが部屋に侵入してきますよね。
けれどこのシーリングストリップを嵌めると、隙間を埋めたまま床を傷つけずにドアを開閉できるんです。
つまり、この商品を使えばドアを動かせる状態なのに音は入ってこない・・・何て画期的な商品でしょう!
以前「隙間を埋めるのに毛布や座布団でも詰めましょう」とご紹介したこともあったのですが、それよりよほどスマートですよね。

唯一残念なのは開き戸にしか利用できず、引き戸には使えないという点です。

引き戸開き戸

 

ただ、開き戸下の隙間からの音漏れが激しい場合にはすごく効果的だと思うので、お値段も手ごろですし是非試してみてください。

ちなみに私、最初は商品名をシーリングストップかと勘違いしていたのですが、よ~く見るとシーリングスト“リ”ップだったことに気づきました💦

3位 YKK AP「ラフォレスタ」

第3位はYKK AP社の「ラフォレスタ」です。

ラフォレスタ

出典:https://www.ykkap.co.jp/consumer/products/interior/laforesta-door

商品名 ラフォレスタ
カタログ防音性能 T-1(25 dB減衰)
材質 エンジニアリングウッド(※6)
質量 記載なし
ドアノブ レバーハンドル
価格 約¥40,000(税込み)~、送料無料
おすすめ度 ☆☆☆

※6 エンジニアリングウッド・・・強度をコントロールするために様々な木材を組み合わせて工場で加工した材料

ラフォレスタは「防音ドア」のワード検索に引っかかったものの、防音ドア商品の固有名詞というわけではなく、YKK AP社の様々な木質インテリア建材のシリーズ名のようです。
室内ドアのラインナップも、防音ドアを含め一般的な開き戸や折戸など6種類が展開され、カラーバリエーションも豊富です。

ただし、そのためネットショップで注文する時には注意が必要です。
一般ドアも紛れているので、価格と「ラフォレスト」という名前のみに注目してうっかり購入してしまうと、防音ドアではなかったということもあり得るからです。

ラフォレスタの防音ドアは、質量記載なしレバーハンドルという点で見極めポイントを満たしておらず、遮音性能に関してはあまり期待できないでしょう。
カタログには25 dB減衰と記載されていますが、恐らく実際は20 dB減衰くらいの性能ではないかと思われます。

しかしDIYへの活用にはおすすめです。
価格が安く、デザインがシンプルかつゴムパッキン付きなのでカスタマイズして使うには適しているためです。
遮音シートやゴムシートを貼って、重さや気密を少し改良するだけで25~30 dB減衰くらいまで防音性能を向上させられるはずです。
一般のドアを安価で購入後、カスタマイズして使いたい場合にはラフォレスタが適しているといえます。

Yahoo!ショッピングでは、送料無料・4万円ほどで販売しているショップ(リフォームおたすけDIY 防音ドア「ラフォレスタ」ノンケーシング枠)もあるようです。

ドアのカスタマイズの仕方はこちらの方法をご参照ください。
【【10万円】完全解説!防音のプロがDIYで防音室を創る】

並木の気まぐれ解説

残念ながらランキングに入らなかった他の検索ヒット商品についても解説していきます。

DAIKEN防音ドア

大手建材メーカーDAIKENさんの防音ドアも検索にヒットしました。
URLはこちらです。
DAIKENさんの防音ドアは防音ドア市場では広く普及しており、防音ドアといったらDAIKEN!と支持する建築士も多いほどです。

ラインナップが広く、エスプルードDr-35と同様に質量とグレモンハンドルの2点もクリアしています。

しかし、謳(うた)われている防音性能が実測値ではなく透過損失値である点で惜しくもランキングからは漏れました。

防音室を総合的に考え、ドアだけでなくドアを設置する壁などからしっかり作っていく姿勢は非常に参考になると思います。

大手だけあってショールームも全国各地に展開しているので、DAIKENさんの防音ドアが気になった場合は是非足を運んで商品自体の防音性能を体験してみてください。
防音や音響の分野に長けている現地のスタッフさんが丁寧に相談にのってくれるはずです。

ヤマハ防音ドア

ピアノ製造で有名なヤマハさんも防音ドア市場に参入しています。
URLはこちらです。

DAIKENさんと同じく、ラインナップがとにかく幅広いことが特徴です。
材質にはスチール製と木製があり、スチール製ドアでは開き戸だけでも片開き・両開き・親子ドア・化粧あり・化粧なしなどが揃っていて、引き戸まであります。

しかし質量表記がカタログのどこにも見当たらず、肝心の防音性能に裏付けがとれないのでランキング選外となりました。ドアノブもレバーハンドルですしね。

そしてカタログを見てみると不思議なことが・・・!
スチール製ドアと木製ドアで性能表記の数値は同じなのに、値段はスチールドアの方が1.5倍くらい高いんです。

性能が一緒なら当然安い方がよくないですか?!
こんな感じ↓で表記されています。

ヤマハ

出典:https://jp.yamaha.com/products/soundproofing/doors/index.html

 

これ、実際はスチール製ドアと木製ドアでは作り方も重さも違うはずですし、色々な音域での性能も当然異なるはずなんです。
しかしカタログではドアごとに性能(D値・T値)と価格を記載して並べているので、パッと見は「性能が同じなのに価格は違う」かのように錯覚してしまいます。
防音ドアをデザインではなく性能から選びたい場合にはちょっと不親切かもしれません。

傾向として、ヤマハさん・DAIKENさんなどの大手のメーカーは、防音性能は二の次でライン展開の幅広さに重点を置いているように感じました。大手の場合は建築会社へ建材を提供する機会も多いでしょうし、家を建てる際に手に入れやすい商品としてデザイン面を重視したい事情はわかるんですけどね・・・。もう少し消費者側の目線に立って、防音ドアを性能から選べるようにカタログを整理してほしい気はします。

DIY防音ドアの設置サポート動画「ECO窓ファクトリー」

検索結果にはDIY防音ドアの設置サポート動画も含まれていました。
URLはこちらです。

このページにはDIYで設置する防音ドア(LINE取付けサポート付)が18万円(税込・送料無料)で案内されています。
ドアの取付け方を詳しく説明している動画も載っているので、DIYやリフォーム工事での参考になると思います。

お問い合わせフォームも整っていて、気軽に費用面や工事のコツなどを質問できるようになっています。

防音カーテン 

防音ドアのカテゴリーには、防音カーテンも入るようです。
Amazonサイトのカーテンくれないさんのページが検索にヒットしました。
URLはこちらです。

商品説明には「遮音性にも期待できる」「吸音・遮音効果のある生地」と記載されているのですが、肝心の防音性能・遮音性能には触れていません
重さの記載もないので、実際どこまで効果があるかはわかりません。

この商品に限らず、防音カーテンの防音効果はほんの僅(わず)かです。

引き戸や襖(ふすま)のように遮音性能が元から低く10~15 dB減衰くらいしかないような建具なら、防音カーテンでも若干音が小さくなったと感じられるかもしれません。
しかし防音ドアに対する防音カーテンの性能は雀の涙程度であり、防音カーテンを追加しても音量が小さくなったと実感できることはないでしょう。

ただし防音カーテンには、音の響きや伸びが短くなる吸音の効果はあります。
そのため自室に防音カーテンをかけると静かになったような印象をもつことがあるかもしれません。
しかし、音が漏れている向こう側の部屋では音量的に何も変化はないので注意する必要があります。

まとめ

今回は防音ドアに注目して、防音性能を見極めるためのポイントやおすすめの市販品について解説をしました。

防音ドアを選ぶポイントは

  • ドアの質量が重い
  • ドアノブがグレモンハンドル

です。

防音ドアを購入する際は是非この2点に注意しましょう。
(どこでもドア自体はともかく、同じような見た目の「木製・丸ノブのドア」は防音性能にあまり期待できないので気をつけてくださいね。)

ランキングや気まぐれ解説で紹介した商品への品評・感想も参考にしていただけると嬉しいです。
エスプルードDr-35は本当に掘り出しものだと思いますよ♪

私たちBudsceneは責任と誇りをもって防音室を施工しています。
防音性能を確保するために、ドアもオリジナルの防音ドアを作製し、施工後には性能測定をして品質を保証しています。
防音室について心配ごと・トラブル・疑問などありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
弊社にも防音ショールームがございますので、そちらの体験もお待ちしております♪

最後までご覧いただきありがとうございました。
防音アドバイザーBudscene並木でした。

質問コーナー

Q. 貴社のオリジナルの防音ドアとはどういうものなのですか?
A. 弊社オリジナルの防音ドアはD-35仕様のBud35、D-40仕様のBud40となります。
性能は、もちろん透過損失値ではなく実測値でのD-35、D-40を保証しています。
特徴を下記に示します。

商品名 Bud35、Bud40
カタログ防音性能 35 dB減衰、40 dB減衰
材質 スチール
質量 70 kg、90 kg
ドアノブ グレモンハンドル
価格 防音室施工費に含まれる

サイズはW900×H2100で、色は日本塗料工業会(日塗工、JPMA)のカラーチャートからお選びいただけます。

Q. 貴社の防音ドアを購入したいのですが、おいくらになりますか?
A. 申し訳ございません。弊社では防音室をトータルで考えていく方針のため、防音ドア単体での販売は行っておりません。ご了承ください。

Q. 何故、D-45以上の防音ドアはないのですか?
もし防音性能が40 dB減衰では足りない場合はどうするのですか?
A. D-45仕様になると防音ドアの質量が重くなりすぎて運べなくなるためです。
より高い防音性能が必要となる場合には、弊社では防音ドアを2重にして対策をします。
ドラムスタジオや和太鼓スタジオなど、高性能な防音室においても実績・ノウハウ共にございますので是非安心してご依頼ください。

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【メチャクチャ素晴らしい商品見つけました!防音ドアの違いを検索結果から解説!この動画一本で防音ドアが選択できるようになります!】

【防音アドバイザー 並木勇一チャンネル】

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並木 勇一 株式会社Budscene代表取締役
防音室・ホームシアターの専門家として、防音室の設計デザインから音響空間のデザインまで手掛けています。 音に関するお悩みを解決するきっかけになればと考え、正しい情報を元に防音に関するノウハウや情報を発信しています。
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