【事例43】-一級建築士の方からのご相談 オンラインゲーム中の子供の騒ぎ声に対する防音対策!DIYで生活環境を向上させたい!
夜に子供がオンラインゲームで盛り上がっていて、声が大きく眠れません。
設計士ですが防音に関しては素人なので、是非アドバイスをよろしくお願いいたします。
防音のお悩み相談・質問コーナー。
今回のゲストは、子供のオンラインゲームの声に困っているpさんです。
では、ご相談・ご質問をどうぞ!
はじめまして。
息子が深夜でもオンラインゲームをしており、騒ぎ声・笑い声がうるさいのでなかなか眠れず困っています。
DIYで防音したいと考えているのですが、アドバイスいただけないでしょうか?
私は官庁施設の設計をしており、一級建築士・設備設計一級建築士・一級建築施工管理技士などの資格ももっていますが、いざ自宅を改修しようとしてもわからないことばかりです。
今回、並木さんの動画にたどり着いて、ただただ勉強になるばかりです。
よろしくお願いいたします。
はじめまして。
私の息子もゲームをしながら友人と話しているので、状況が目に浮かぶようです。
家の間取りや状況の詳細を教えていただけますか?
はい。
間取りと状況は↓↓↓のようになります。
【間取り】
①がオンラインゲームの部屋です。
②・③の部屋への音を防ぎたいと思っています。
【状況】
息子本人はヘッドホンをしているので、スピーカーから音は出ていません。
そのため、防ぎたい音はゲームの音ではなく、息子の大声や笑い声となります。
深夜に②・③の部屋にも笑い声が届いてきて、ぐっすり眠れません。
そこで①の部屋に④のゲーミングルームを作ろうと思っています。
今は次のDIYを考えています。
どうでしょうか。
【DIY案】
<間仕切り (①と④の間)>
・柱として、木材30×30×105 mmを450 mm間隔で建てる
・柱間にグラスウール16k(50mm厚)を充填
・間仕切りの①側には化粧石膏9.5 mm厚を貼る
・間仕切りの④側には石膏ボード12.5 mm厚を下地として、有孔ボードか化粧石膏9.5 mm厚かを貼る
<間仕切りのドア>
YKKAP社の「ラフォレスタ(カタログ値:マイナス25 dB)」という、簡易防音ドアを設置。
<天井>
現在の天井の他に、防音層として30×30 mmの木材を下地にグラスウール16k(50 mm厚)を充填し、新たな天井を作る。
仕上げに、有孔ボードか化粧石膏9.5 mm厚かを貼る。
<床>
既存のフローリングにタイルカーペットを貼る。
【質問】
<間仕切り・天井>
貼るものとしては、有孔ボードと化粧石膏9.5 mmのどちらが音漏れが少ないでしょうか?
また、1枚貼りよりも何枚か重ねた方が効果はあるのでしょうか?
<間仕切りのドア>
「ラフォレスタ」は普通の安価な間仕切りドアよりも、音漏れに対しては有効でしょうか?
<天井>
新たな天井を作ることは、意味があるでしょうか?
あまり意味をなさないのであれば、天井への対策はやめたいです。
<床>
床にさらに対策するのなら、
・スタイロフォーム20mm厚にタイルカーペットを敷く
・遮音シートにタイルカーペットを貼る
・タイルカーペットを2重に貼る
のどれがよいでしょうか。
コストを抑えたいので、安価で効果が高い対策があればご教示ください。
ヘッドフォンをしながらボイスチャットをする場合、特にゲームでは声が大きくなってしまいますよね。
考えておられるDIY案で効果を得られるかどうかは、求める性能次第ですので、まずは下記を参考にリフォームに求める防音性能を数値化してみてください。
【【防音DIY】最短最速で防音の結果を出す方法!】
数値化したら、「隣接する部屋にどれだけ音を防ぎたいか」から逆算して方法を考えましょう。
数値目標によっては、簡易なゲーミングルームを創るのは効果的かもしれません。
ご質問に対しての返答です。
有孔ボードは吸音性と遮音性を兼ねていますが、背面の空気層がないと無意味な商品です。
お部屋の大きさに余裕がある場合に、防音層⇒空気層⇒有孔ボードという使い方をすると効果を発揮しますが、重ね張りしても意味がないでしょう。
省スペースで防音性を確保したい場合、私だったら利用しません。
選択しているドアは実性能だと20dB減衰程度ですので、ゲーミングルームに必要な性能によっては商品を変える必要があるでしょう。
求める防音性によっては天井や床には手をつけなくてもよいかもしれませんね。
また、スタイロフォームや遮音シートを貼っても効果は期待できません。
ご回答ありがとうございます。
まずは動画を拝見してみます。
低コストで20〜30 dBを減衰させたいのですが、方向性がみえてきました。
天井と床には施工せず、壁と間仕切に注力したいと思います。
有孔ボードに関しては、使い方のコツがあるのですね💦
狭い部屋なので、有効な使い方は難しそうです。
今回は、間仕切りは比重を上げるため石膏ボードの二重張りを行い、有孔ボードはやめることにします。
それでも、改善がみられない場合は、Amazonで売っている、スポンジの吸音マットを天井に貼りたいと思います。
弊社で推奨している防音ブースと防音壁の制作過程をまとめた記事を載せますね。
防音性能の検証まで行っているので是非ご参照ください。
・防音ブース(防音性能:30 dBほど)
→【【10万円】完全解説!防音のプロがDIYで防音室を創る】
・防音壁(防音性能:20 dBほど)
→【完全解説!防音のプロがDIYで壁を防音強化】
また、こちらも参考になると思うので、よろしければご覧ください。
【「防音性能を上げてほしい!」賃貸物件オーナーさんからの依頼を解決! -並木の突撃調査File2-】
【宅内防音】引き戸や防音困難な間取りを防音する方法!】
ありがとうございます。
動画を視聴させていただきます。
間仕切りの増設以外に、内壁(※1)の方にも少し離れたところに石膏ボード+グラスウールで壁を作るのは効果があるでしょうか?
※1 内壁・・・住戸内の部屋同士を仕切る壁。対して、建物と外とを仕切る壁は外壁という。
建物外部に対しての防音性についてでしょうか?
動画のように更に壁を新設(複構造と私は伝えています)すれば遮音性は向上していきます。
しかし換気や窓のような箇所で遮音性が低くなってしまうため、開口部の処理が必要になります。
田舎なので、外部に対しての音は気にしていませんでした💦
内壁に向かった音が反響して、ゲーミングルーム以外の部屋に伝達しないのかな?と思ってのことでした。
外部に対してでなければ、内壁を更にフカシ壁(※2)にする必要はないでしょうか?
※2 フカシ壁・・・壁そのものの厚みを通常より増やしたり、本来の壁の前にもう1枚の壁を設置して二重構造にしたりすること。
フカシ壁は躯体構造を伝わる音への対策という意味だったのですね。
効果は必要な防音性能によります!
わかりました。
まずは各地点での音量を数値化して、ゲーミングルームに必要な防音性能を把握することが大切なのですね!
推奨方法を参考にしてDIYに取り組んでみます。
ありがとうございました。
~3ヶ月後~
ご無沙汰しております。
以前、相談したpです。
お陰さまで、防音DIYにて生活環境が向上しました。
最終的に天上・床への施工はせずに間仕切りのみとし、間仕切りの仕様は下記のようにしました。
・間仕切り本体:木軸+両面石膏ボード2枚張り+内部グラスウール
・表面材:吸音シート
・ドア:YKKAP社の「ラフォレスタ」
総額11万円くらいでした。
音の測定をしたら、防音室の外で-25 dB、更に廊下にでたら-35 dBでした。
天井にはパイプファンを設置し、給気のために30φの穴を開けました。
音漏れを懸念しましたが、大丈夫でした。
アドバイスありがとうございました。
結果のご報告嬉しいです!
問題が無事に解決したようで安心しました。
これからも音に悩んだら、お気軽にご連絡ください!