完全解説!防音のプロがDIYで壁を防音強化
皆さん、こんにちは。
防音アドバイザーBudscene並木です。
楽しみにしていた「進撃の巨人」が終わってから早2年(; ;)
伏線回収が見事で、続きをワクワクしながら待っていたものでした。
もし巨人の侵入さえも防ぐ大きな壁が目の前にあったら、きっと迫力があって圧巻でしょうね。
さて、巨人ではなく巨音に困っている方。
音も壁で防いでしまいましょう!
今回はDIYで防音壁を創る方法をご紹介します。
巨音が進撃してこないように、防音壁で駆逐しましょう♪
目次
防音壁を創る前に
今回のDIYは、隣室との境の壁の前に、さらにもう一枚防音壁を創っていく施工法です。
隣室から音が進撃してきた場合、まずはどこから漏れてくるのか調べてみましょう。
もし天井や床、ドアなどの特定の個所から回り込む音漏れが特に見つからない場合には、今回の施工法が効果を発揮するでしょう。
音漏れ箇所を調べる方法はこちらで詳しく述べています。
【スマホの騒音計アプリで防音対策!】
どうぞご参照ください。
DIY作業時間は、2名で設置・測定・撮影まで行って半日ほどでした。
防音壁の厚みが約10.5 cmほどあるので、部屋に元々ある壁から隙間を3 cm空けると、合わせて13~14 cmほど壁が内側に迫ってきて部屋が狭く感じるかもしれません。予めご承知おきください。
防音壁(間仕切り)に必要なもの
防音壁に必要なものは以下の通りです。
材料は自室の壁の大きさに合わせて準備してください。
材料
材料 | サイズ | 量 |
木材(骨組み木枠) | ・太さ45 mm×45 mm | 1組の骨組み木枠に対して ・910 mm×2本 ・天井高さ-145 mm の長さ×3本 |
石膏ボード | ・面積910 mm×1820 mm、厚さ12.5 mm | 壁の面積×2層分 |
遮音シート(遮音用) | ・940 mm×10 m巻、厚さ1.2 mm ・重さ19 kg/巻 今回使用したものはダイケン 940SSE GB03053Eです。 |
壁の面積×1層分 |
グラスウール(吸音用) | 今回使用したものはこちらになります。 | |
GCボード(吸音用) | ・面積910 mm×1820 mm、厚さ50 mm ・密度32 kg/m3 今回使用したものはこちらになります。 |
壁の面積×1層分 |
ネダ受け金具 | 今回使用したものはこちらになります。 | |
ビス | ・木材同士を連結するビス → コーススレッドの65 mm以上 ・金具を留めているビス → コーススレッドの25 mm以上 ・石膏ボード1枚目 → コーススレッドの25 mm以上 ・石膏ボード2枚目 → コーススレッドの45 mm以上 |
|
両面テープ、インサルピン | 今回使用した両面テープはこちらになります。 | |
コーキング材 | 使用は任意 |
工具
- カッター → 石膏ボード切断
- スライド丸鋸、電動ノコギリ など → 木材カット
- タッカー → グラスウール留め、遮音シート留め
- インパクトドライバー、コンプレッサー → ビス留め
- メジャー、定規
- 脚立
防音壁の作成手順
工程は次のようになります。
木材の切断
45mm×45mmの木材を、図1のように455 mmピッチで組み立てて防音壁の骨組みとなる木枠を作成します。
壁の高さや幅を測定し、自室には何組の骨組み木枠が必要になるかを確認してください。
図1. 骨組み木枠の寸法
1組の骨組み木枠に関して、木材は
- 縦方向 → 天井高さ-145 mmの長さ×3本
- 横方向 → 910 mm×2本
が必要となります。
横方向を910 mm(455 mmピッチ)としているのは、石膏ボードのサイズに合わせているためです。
数値が割り切れない場合は、調整のため端の方の骨組み木枠が狭くなっても構いません。
縦方向の合計長さで、天井の高さ-55 mmとなっているのは、骨組み木枠の上下に後からアジャスターとしてネダ受け金具を付けるためです。
骨組み木枠の組み立てと設置
カットした木材を図1のように組み立てたら、部屋の元からの壁と隙間を空けるように設置してください。
壁→空気層→壁→空気層というように、異なる状態の媒質の層を重ねることで防音効果がアップします。
間隔が大きいほど効果は高まるので、できれば3 cm、少なくとも1.5 cm以上の隙間を確保するのが望ましいでしょう。
その際、防音壁を天井と床に突っ張らせて固定するために、骨組み木枠の上下にネダ受け金具を付けて調節します。
グラスウールを充填
部屋の元からの壁と新たな防音壁の間の太鼓現象防止用に、骨組み木枠の隙間にグラスウールを充填します。
グラスウールをタッカーで骨組み木枠に留めていってください。
石膏ボード1層目を貼る
石膏ボードを1枚そのまま貼り付けられるように骨組み木枠を作成しましたが、足りない部分には石膏ボードをカットして補ってください。
2回ほどカッターを通すとスムーズに切ることができます。
次に、石膏ボードを910 mm ピッチで建てた骨組み木枠に貼っていきます。
防音壁を垂直に建てるには、骨組み木枠と石膏ボードの角をピッタリ合わせることがポイントです。
骨組み木枠と石膏ボードは、インパクトドライバーとコンプレッサーを利用したネジ打ち機を使い、タッピングビスで留めています。
ビス打ち間隔は、縦300 mmピッチ、横455 mmピッチほどです。
石膏ボードは表面の紙で形状維持しているので、ビスが紙を貫通してしまうと抜けてしまいます。そのためビスを打ち込むときは、図2左のようにあまり強く埋め込まないように気をつけてください。
図2. ビスの打ち方
今回は賃貸物件のケースを考え撤去のしやすさを重視したため、石膏ボードの接合部のコーキングや、表面のクロス貼りはしていません。しかし、もしコーキングやクロス貼りをする場合には石膏ボードの端をカッターや面取りヤスリで面取りした方がよいでしょう。
遮音シートを貼る
遮音シートを壁の寸法に合わせてカットし、遮音シートと遮音シートが10 cmほど重なるようにようにタッカーを使い貼っていきます。
石膏ボード2層目を貼る
石膏ボードの接合部から音が漏れてくるのを防ぐために、石膏ボード1層目と2層目を目違い貼りで貼っていきます。
今回は、目地が重ならないように1層目は右下から、2層目は左上から石膏ボードを貼っています。
方立(ほうだて)の設置
防音壁が倒れてこないように、壁の両脇に、突っ張り棒的な役割をする方立を設置します。
GCボードの設置(室内の反射音の調整用)
壁の大きさに合わせて加工・切断したGCボードを嵌め込んで両面テープやインサルピンなどで貼り付けます。
GCボードの加工の仕方はこちらで詳しく述べています。
【遮音シートと吸音パネルを足したら防音性能はどうなった?】
どうぞご参照ください。
室内の音の響きが気にならないようであれば、GCボードは無くてもOKです。
なお、グラスウールはガラス繊維であるので、GCボードのように袋に入っていない場合は飛散して肌に刺さり痒くなったり、吸い込んだりすることがあります。
扱う時はマスクや手袋をして、素手では触らないように注意してください。
性能測定
125 Hz、250 Hz、500 Hz、1000 Hz、2000 Hzの5音域のオクターブバンドで遮音性能を測定しました。
この音域は周波数92.5~2960 Hzであり、人間の可聴範囲(20~20,000 Hz)の中で防音しにくい低音域をほぼカバーすることができます。
防音壁の遮音性能の測定結果は以下の通りでした。
周波数 [Hz] | 遮音性能(実測値) [dB] |
125 | 13 |
250 | 16 |
500 | 19 |
1,000 | 18 |
2,000 | 27 |
防音壁を設置すると、遮音しにくい低音域もバランスよく性能が向上していました。
この性能であれば、ボイスチャットやゲーム実況のような声の巨音に対してはほぼ問題なしといえます。
ただし、得られる効果は、部屋の元からの壁がどのくらいの性能であったかによっても違ってきます。
今回の結果は「木造の壁への設置」に相当し、コンクリートなど元々の防音性能が高い壁に設置した場合は効果が少し薄れるでしょう。
まとめ
今回DIYで取り組んだ防音壁は、声の進撃を阻むには十分な効果を発揮します。
しかし、楽器の演奏などもう少し音量の大きい音に対しては侵入を許してしまうかもしれません。
隣室へのボイスチャットやゲーム実況、テレワークなどの音漏れ防止用として活用するとよいでしょう。
防音壁は撤去して元通りに戻せるので、賃貸住宅にもおすすめですよ♪
材料の処理は別ですが、取り外すだけなら1時間ほどで復旧可能です。
私たちBudsceneは様々な防音情報を発信していますので、是非正しい知識を得てDIYの参考にしていただければと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
防音アドバイザーBudscene並木でした。
質問コーナー
Q. 部屋の元々の壁と新しい防音壁(間仕切り)の間隔はどのくらいが最適ですか?
間隔の長さにより防音効果への影響は変わってきますか?
A. 隙間を設けるのは音源との間に壁→空気層→壁→空気層というような異なった状態の媒質を設けることが目的です。
間隔が大きいほど効果は高まるので、できれば3 cm以上確保するのが望ましいです。
それ以上であれば数cmほどの差ならそれほど効果は変わらないので、その空間の厚さ分貼り付ける材料を足した方が効果は高まるでしょう。廊下くらいの幅であれば遮音性は大きく向上します。
Q. 壁紙やビニールクロスを貼るタイミングはいつですか?
最後の吸音パネルの後でいいのですか?
A. 吸音パネルの上に貼ると吸音効果が無くなってしまうので、2枚目の石膏ボードの上に貼り、その後吸音パネルを設置してください。工程でいうと手順7と手順8の間です。
Q. 音源の部屋と、迷惑している部屋のどちらに施行するのが効果的でしょうか?
A. 効果としては音源側の部屋に施工をする方が高いでしょう。
住環境によってどちらの立場になるのかが変わってくるので、今回は自身の部屋に施工するというイメージで工法や材料を選んでいます。
Q. 石膏ボードを三重にした場合、さらに防音効果は見込めるでしょうか?
A. 予測値ですが1~2 ㏈程性能が向上するかどうか?くらいの変化でしょう。
Q. 一面だけではなく壁四面を今回のDIY手法で施工したとすると、どれくらいの効果がありますか?
A. 全壁を施工したとしてもドアや窓、換気口などがあるので、四面に比例した効果を期待している場合は期待外れになるかもしれません。
Q. 賃貸なのですが防音効果をもっと上げたいので、石膏ボードの接合部分にコーキングをするか迷っています。
A. もし施工精度に自信がなく石膏ボードの隙間が気になる場合は、エアコン用パテを利用するとよいでしょう。固まらないので簡単に剥がせます。
Q. 遮音シートを選ぶ際のポイントはありますか?
A. 遮音シートは厚みによって重さが違うため、1 m2あたりの重さがある商品ほど遮音性は優れているといえます。
一本あたりの質量ではなく1 m2の質量で判断してください。
Q. 吸音材として袋入りグラスウールとGCボードを使い分けているのは何故ですか?
A. 吸音材としての効果は両者ともほぼ変わりませんが、デザイン性や価格により使い分けています。
- 袋入りグラスウール → グラスウール(ガラス繊維)が飛散しないように袋に覆われており、その分見栄えが良くなく安価
- GCボード → 同じガラス繊維からできているガラスクロスで覆われており、見栄えが良い分価格が高い
という特徴があります。手順3では壁の間で見えないのでデザイン性を重視する必要がないため、安価な袋入りグラスウールを使っています。手順8では見える位置に設置するので、値段が張りますがGCボードを使用しています。
Q. グラスウールを吸音材として使用するときは袋から出さないとあまり効果がないと聞いたことがありますが、袋に入ったままでもよいのでしょうか。
A. はい、問題ありません。袋入りグラスウールの袋には小さな穴がたくさん開いており、そこから音のエネルギーが振動として袋の中にも伝わります。そのため、中のグラスウールに届いた音エネルギーは吸音され、しっかりと太鼓現象が抑えられます。
Q. 販売されているグラスウールの密度には色々ありますが、どの密度のものがよいのですか?
A. 部屋の壁と間仕切りの石膏ボードの間の空間によって変わります。
例えば今回のように、7.5 cmの厚みの空間(部屋の壁と骨組み木枠の隙間3 cm+木材4.5 cm)であれば
- 密度10 kg/m3の場合 → 厚み9~10 cmほど
- 密度16 kg/m3の場合 → 厚み7 cmほど
がよいでしょう。
空間に対してあまり密度が高すぎるとギュウギュウに圧縮されて反発が大きくなり、石膏ボードを貼る時に苦労します。
Q. 吸音材の密度について質問です。
密度と価格は比例しますが、やはり密度が高い方が効果も大きいのですか?
A. 壁の中に充填する(太鼓現象防止の)場合は密度による効果はほぼ変わりません。
吸音パネルとして表面で利用する際には、密度が高いと固くなり高い周波数への効果は上がりますが、低い周波数への効果は減ります。よって予算に余裕があれば両方を利用してバランスを取りながら響きを調整するのがおすすめです。
Q. 同じ厚さの石膏ボードを使用するより、違う厚さの方が防音性能が上がると聞きました。
厚みが違うことで遮音できる周波数が変わってくるからだそうですが、本当でしょうか?
A. 遮音できる周波数には、音を遮る材料の重さが影響します。
そして材料が複数ある場合、重さが異なればいいというものではなく、重ければ重いほどどの周波数の音へも遮音効果は増します。
そのため、例えば12.5 mmと9.5 mmのように石膏ボードの厚みを変えるくらいなら、両方とも同じ厚さ12.5 mmにして重さを確保する方が効果的です。
参考までに防音を考える上で重要な質量則を下記に示します。
音響透過損失TL[dB]=20・ log(f・m)-42.5
f : 周波数(Hz)
m: 材料の面密度(kg/㎡)
Q. 石膏ボードを切断するカッターは家庭用でよいのでしょうか?
工具用を購入すべきでしょうか?
A. 細いカッターだと石膏に負けてしまうので、ホームセンターで売っている太めのカッターをおすすめします。
とはいっても1,000円以内の商品で大丈夫です。
Q. 骨組み木枠には、必ずネダ受け金具を使用しなければなりませんか?
A. 持ち家でしたらネダ受け金具なしで、木材を床や天井に直に留めてしまった方が安全です。
今回は賃貸物件で撤去する前提のDIYを考えていました。
Q. 骨組み木枠を、一本一本独立させた支柱として設置しても大丈夫ですか?
A. 問題ありません。
横の木材は、一本ずつ独立の支柱だとDIYで垂直に立てるのが難しくなるので、施工しやすいように入れています。
Q. ネダ受け金具の接地面にマットを挟むと防振効果は上がりますか?
A. 骨組み木枠に防振を施しても、石膏ボードの方で床・壁・天井に接触するので意味がなくなります。
今回は、声のような空気を伝わる音を遮る施工であり、衝撃音への対策ではないので防振材は必要ありません。
Q. 木材の太さは45 mm×45 mmでなくでもよいのでしょうか?
例えば2×4にした場合、費用は高くなりますか?
A. 木材は、2×4(38 mm×89 mm)や30 mm×40 mmなどでも大丈夫です。
今回は、骨組み木枠のジョイント面にビスが打てる幅があった方が楽にDIYできるので、45 mm×45 mmを利用しました。
コスト面は2×4の木材やアジャスターよりも、今回使った45 mm角木材やネダ受け金具の方が安くつくでしょう。
Q. 必ず石膏ボードを使わなければないのですか?石膏ボードの代替品はありますか?
A. 厚みが一緒であれば、ほぼ同じ比重の合板でも同等の効果を得られるでしょう。
- 合板 → 価格が高い、防火性が低い
- 石膏ボード → 廃棄の際に手間と費用がかかる
という点を考慮して選択してください。
Q. 仕上げは吸音パネルではなく、有孔ボードでも効果はありますか?
A. 有孔ボードは、穴の大きさと背面の空気層の奥行で効果のある周波数が変わります。合致する周波数域が狭いので我々は使っておりません。
Q. 音を防ぎたい壁の端にエアコンやカーテンレールがあり、全面施行できません。大丈夫でしょうか?
A. 音は直進するだけでなく回折する(障害物を回り込む)性質があります。
防音性能が低い部分があるとそこから音漏れしてしまうので、効果は低くなってしまいます。
Q. 部屋をこれ以上狭くできない場合、外壁防音でも効果ありますか?
A. 外壁側で防音する際には、建物の躯体構造が音の抜け道になる場合があるので注意してください。
加えて、防水や腐食についても考える必要があるので、難易度は建物内での施工よりも高くなります。
Q. 幹線道路沿いの家に住んでいまして車の走行音に悩んでいます。
外からの騒音に対しても効果はありますか?
A. はい、外からの音に対しても効果はあります。
ただし、この場合壁からだけでなく窓からの侵入音が大きい可能性があります。
どこから音が聞こえているかを判断の上、対策を練ることをおすすめします。
Q. 大きな窓のせいで外の音がうるさく、さらに夏は暑く冬は寒い状況です。
今回の間仕切りは窓を塞ぐ用途でも使えますか?
A. もちろん使えます。
ただ結露の問題が発生するので、ガラス面に防湿シートを貼り、断熱材の密度を上げた方がよいでしょう。
Q. 和室の場合どうすればよいでしょう。
床は畳、壁が襖です。
A. 和室は防音DIYをするには難しい環境です。
間仕切り設置が可能かは畳の下の条件次第で変わってきます。
- 畳の下がコンクリートの場合 → 畳の上から防音壁(間仕切り)設置可能
- 畳の下が薄いベニアや空間の場合 → 防音壁(間仕切り)設置不可
設置不可だった場合は畳を剝がして別の床にし間仕切りを設置するのも一つの手段ですが、賃貸の場合には退去の際に原状回復の費用が掛かってしまうでしょう。
防音壁(間仕切り)を設置せず防音したい場合は、襖の前に収納空間を確保しつつ、右・左・上に10㎝程のサッシを作り、大きな内窓を設置するのがよいと思われます。
しかし内窓は高額なコストがかかる可能性があります。
Q. さらに天井や床を強化することは可能なのでしょうか。
またどのようにして構成していくのかを教えてください。
A. 天井の資材を支えるのは非常に難しくDIYでできる施工では厳しいので、専門業者への依頼をおすすめします。
床に関しては、全面に置き床というゴム付きの足で浮かせて合板などを貼ると効果が得られます。ただし床の高さが上がってしまうので、ドアなどの開口に不具合が出てしまうケースもあります。
ドアからの音の侵入については、ドアにパッキンなどを貼り気密を上げることが第一弾です。それでも期待値に届かない場合には、内側にもう一枚のドアを設置するのが効果的といえます。
パーツを個別に強化するのではなく、全体的に防音性能を上げたい場合はこちらをご参照ください。
【【10万円】完全解説!防音のプロがDIYで防音室を創る】
Q. ドアを強化したいのですがどういう方法がありますか?
A. ドアでD-35以上の性能を確保したい場合には、
- スチール製の防音ドアを設置
- ガラスのインナーサッシを2重に設置
- 木製ドアを2重に設置
という3つの選択肢があります。
D-25ほどであれば一般のドアの気密をパッキンなどで上げることでも対応できますが、楽器の演奏やボーカルレッスンに対する防音性能には届かないでしょう。
Q. 鉄筋コンクリートのマンションの壁はどのくらいの遮音性能なのでしょうか?
A. 壁の厚さにより異なりますが、
- 180 mm以上 → 50 dBほど
- 150 mm程度 → 40~45 dBほど
の遮音性を見込めるはずです。
住居内の環境騒音は昼間で25 dBほど、 夜間は20 dB以下と予想されますが、隣室に聞こえる音量が最終的に20 dBほどであれば気にならないレベルだと思われます。
例えば、180 mmのコンクリート壁(遮音性能50 dB)で昼間(環境騒音25 dB)なら、90 dBほどの音量を出しても隣室に聞こえるのは15 dB程度となり気にならないでしょう。
Q. 吸音材としてニードルフェルトは効果あるでしょうか?既に買ってしまったため有効活用したいのですが・・・。
Q. ウッドウォールを作ろうと思っています。最後の石膏ボードを省略して切り貼りした木材等でも遮音効果はありますか?
Q. 赤ちゃんの泣き声にも効果はあるでしょうか?
A. 赤ちゃんの泣き声は80 dB程であると予想されます。
今回の施工では、同じ住居内の隣室では遠くで泣いているような音量、集合住宅の別世帯の隣室では夜間に微かに聴こえる程度の音量となるはずです。
上階への防音については部屋全体にDIYで施工をするのは難しくなります。防音ブースであれば効果的と考えますが、換気などの問題で赤ちゃんを抱っこしてブースに入ることに懸念がでてきます。そのため上下階に声が聴こえないようにするにはプロが創る防音室が最適でしょう。
Q. 御社に今回の施行を頼んだら、引き受けていただけるのでしょうか?
A. 弊社では現在のところ施工は請け負っておりません。
材料代よりも手間賃の方が断然高くなってしまうのと、採寸に行くだけでも費用が発生してしまうためです。
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