【生活音】-隣の家の足音と給湯器の音がどうしても気になる-
戸建て 新築 生活音 防音対策戸建てに住んでいますが、隣家の足音と給湯器の音に悩んでいます。
防音DIYでどうにか解決したいのですが、最終的には防音室施工も考えています。
防音のお悩み・質問コーナー。
今回のゲストは、隣家からの足音と給湯器の音に悩んでいるSさんです。
では、お悩み・質問をどうぞ!
初めまして。
新築の戸建てに越してきましたが、隣家の足音と夜遅くの給湯器の音に悩んでいます。
一旦気になり始めるともうその音に神経質になってしまい、何とか対策をしたいと考えています。
アドバイスをよろしくお願いします。
初めまして。
一度気になりだすと、その音に敏感になってしまうことってありますよね!
隣家との距離や生活リズムなど、わかる範囲でいいので現在の状況を教えてください。
はい。
隣家との距離は1.5 mほどで、ウチの寝室と隣家のLDKが近く、足音が響いてきます。
隣家は大人4人ほどで、小さなお子さんはいないようです。
また夜遅く入浴するらしく、深夜に給湯器の低音の音が聞こえてきて、気になって眠れません。
隣家との間にはメッシュフェンスしかありません。
ブロック塀や高速道路にあるような防音フェンスを設置すれば音を跳ね返せますか?
内窓を入れたいと思いますが、内窓だけでは不十分でしょうか?
窓だけでなく壁も対策すべきですか?
塀やフェンスで音を防ぐには相当の高さが必要ですよ。
費用や景観の面であまりおすすめはしません。
内窓の設置についてですが、給湯器の音については効果が期待できます。
しかし足音の改善は難しいかもしれません。
というのも足音のような低い衝撃音は波長が長いため障害物を避けやすく、窓だけでなく壁や床からも伝わってくるからです。
また波長が長いと、物体(媒質)を伝わる最中に、その物体を揺らす回数が少なくてすみます。そのため、低い衝撃音はエネルギーを消費しにくく弱まりにくいという性質もあります。
そのため足音は壁や床などからも届き、窓だけ内窓で防音強化しても他の個所から伝わってきてしまいます。
足音を完全に聞こえないようにするには防音室のような浮き構造が必要となります。
防音室の浮き構造について詳しくはこちらをご参照ください。
【防音室は浮いている?!低い衝撃音を効果的に防ぐには?防振にまつわるエトセトラ】
防音性の弱い部分から強化していくというなら、お考えのようにまずは窓に着手し、それでも性能不足の場合には壁への対処も視野に入れるのがよいかと思われます。
一気に改善できる内容の返信ができず申し訳ございませんが、ご理解ください。
いえいえ、アドバイスいただけて嬉しいです。
やはり足音への対策は内窓だけでは厳しいのですね😥
プラストという防音・断熱タイプの高額な内窓を設置しようと思いましたが、あまり効果がないならコスパが悪そうですね。
内窓にかけていたので、かなり落ち込んでいます・・・。
プラストは内窓としてはとても優秀な商品ですよ。
ただ、足音の特性を考えると明らかな改善は難しいと考えて返信しました。
そうなんですね。
そもそも足音はそんなに大きい音ではなく、人によっては問題ないくらいの音量かもしれません。
ただ、足音が一番耳につくんですよね。
目の前にバス通りがあり、音量自体は足音より車の音の方がはるかに大きいのですが、足音の方が気になってしまって・・・。
エアコンをつけている夏には全然気にならなかったのですが、エアコンを止めてから耳につくようになりました。
ん?
ちょっと待ってください!
エアコンの稼働音で気にならなかったのであれば、室内で同程度の騒音を発生させれば問題は解決するはずですよ。
室内で自然音などを流すサウンドマスキングのような手法が効果的だと思われます。
確かに、そうですよね💡
夏場に気にならなかったというのが最大のヒントでした!
それを活かして改善を試みていきたいです!
サウンドマスキングではありませんが、ノイズキャンセリング付きのイヤホンを使い、雷雨の音などで誤魔化していたことはあります。
今回はイヤホンなしで暮らしたいと思い、工事を決意しました。
なんとかして音量を半分以下にしたいです。
新築なのでショックが大きいです。
「エアコン稼働時の騒音値」と「稼働していない時の騒音値」との差で、あとどれだけ遮音性能を向上させたら足音が気にならなくなるかを想定できますね。
この値がもし10 dBほどであれば内窓でも十分改善できると思いますよ。
ちなみに音量を半分にするというのは、減衰値で表すと-6 dBほどになります。
まずは騒音値の確認ですね。
下記にて必要な遮音性能の算出法に関して解説しているので、どうぞご参照ください。
【プロが教えます!必要な防音性能を確実に調べる方法とは】
【外がうるさい!防音したい!】
【スマホの騒音計アプリで防音対策!】
【防音室や防音の、音漏れ確認や防音DIYの目安の簡易測定に利用できる【ピンクノイズ】】
防音性がどれだけ向上したら満足できるか?を数値化した上で、内窓に出費するかを検討してみるとよいと思います。
わかりました!
室内で125 Hz辺りの低音域でピンクノイズを出し、どの程度の音量で足音が気にならなくなるのか調べてみます。(ピンクノイズはとてもエアコンの室内機の音に似ているんですね。)
また、内窓にしてもダメだった場合、高窓部分の壁側は潰してDIYにチャレンジしてみたいと思います。
前向きになれました。
わかりやすい解説、ありがとうございました!
~数日後~
度々失礼致します。
色々探ってみた結果、道路から1番奥にある寝室でポルターガイストのような、箱の中で共鳴している感じの音が鳴っていることがわかりました。
寝室には掃き出し窓とFIX窓があります。
※掃き出し窓・・・下枠が床に接している大きな窓。
※FIX窓・・・開閉できない窓。
今は、掃き出し窓に内窓をつける、FIX窓を塞ぐといったことを考えていますが、何か他に案があれば教えてください。
音に神経質になり、家に帰りたくなくなるほど気になってきてしまいました。
最終手段としては、寝室内に防音室を作ろうと思っています。
掃き出し窓に内窓を設置するとなると結構な費用がかかりますよ。
お試しで実施するのはリスクが大きいかもしれません。
音が壁や床などの固体を伝わってきている場合には、窓だけを強化しても効果は得られない可能性があるので、内窓が無駄になってしまう可能性があります。
床に耳を付けてみて音が増幅されると感じますか?その場合は、音が固体を伝わってきていると考えられます。
逆に音が窓から侵入している場合には、騒音測定の数値にもはっきり現れるはずですがいかがですか?
難しいでしょうが、まずは音源を特定してみましょう。
最も音が聞こえる場所の近くに騒音源があると考えられます。
ポルターガイスト音は、日中に掃き出し窓手前の上の方で聞こえます。
大きな音ではないのですが気持ち悪くて・・・。
道路側にある子供部屋ではポルターガイストのような音はしていないので、やはり騒音源は掃き出し窓の近くにあると思います。
音の特定がとても困難で参っている状態です。
関係あるのかわかりませんが、寝室と子供部屋のベッドは材質が違います。
寝室の鉄パイプ製ベッドは道路からの振動を拾っているのか、ベッドに耳をつけると音がよく聞こえますが、子供部屋の木製ベッドからは聞こえません。
鉄パイプ製ベッドの下に防振ゴムを敷いたら、だいぶ地面から伝わってくる音がなくなりました。
寝室と子供部屋では、室内の騒音値の違いも影響している可能性がありますね。
道路に近い子供部屋よりも寝室の方が環境騒音が小さいのではないでしょうか?
そのため、寝室での騒音が際立っている可能性もあります。
仰るように、子供部屋はバス通り側にあるので、環境騒音が大きいです。
窓も、掃き出し窓はなく、FIX窓と横すべり出し窓のみです。
ポルターガイスト音は給湯器の音とは無関係なのですよね?!
はい。
ポルターガイスト音と給湯器の音は関係ないと思います。
ポルターガイスト音が鳴っている間に確認したら給湯器はついていませんでしたし、給湯器の音は掃き出し窓ではなく別の窓から聞こえてくるので。
そうなのですか。
もし音源が特定できない場合、内窓設置の前に、窓への防音対策が効果的かを試した方が費用が無駄にならずにすむと思います。
試験的に、掃き出し窓をDIYで塞いでみてはどうでしょう。
掃き出し窓をDIYで塞ぐにはどうすればよいのですか?
羽毛布団をガムテープで貼るくらいしか思いつきませんが、よい方法がありましたら教えてください🙇
こちらで紹介している方法をおすすめします。
【窓への音対策!こんなに防げるDIY施工法2パターン】
やはりそれくらいのレベルで防ぐことが必要なんですね。
それでもダメなら最終的には防音室を考えてみます。
室内全体の遮音性能を高めるのが最善策ではあります。
DIYで1つひとつ、床・天井からの音の回り込みを防いだり、換気扇・レンジフードなど音の出入り口に対処したりするのは厳しいですからね。
安心して過ごせる空間を確保できるように、思い切って防音室という選択をする方も多くいらっしゃいますよ。
おおよそでかまいませんので、防音室の予算感を教えてください🙇♀️
寝室は8畳ほどあります。ベッド1~2つ+デスクが置ければいいかと思っています。
空調や換気もできるのでしょうか?
過去にヤマハの防音室は体験したことがあります。
安眠館などの商品も安く売っているので検討しようかと思っていました。
弊社では、関東近郊で350万円~450万円の費用となります。
https://budscene.co.jp/cost/#i-2
もちろん空調や換気もできますよ。
市販の防音室商品を検討する際に気をつけていただきたいのが、遮音性能の表記の違いです。
楽器メーカーは「透過損失値」という、工場の試験室(=理想の条件下)で測定した防音室の材料の遮音性能をそのまま記載しています。しかし、実際の防音室にはドアやエアコン、換気扇などで隙間が生じるので、透過損失値通りの遮音性能は実現できません。
一方弊社は、施工後の実際の遮音性能を保証しております。
そのため、数値上では同じような遮音性能に見えても、いざ防音室を利用し始めた時に、メーカー製の防音室の場合は性能が足りないということが起こり得ます。
もしご興味がありましたら透過損失値についてこちらをご覧ください。
【防音室の性能表記には嘘がある】
そういったことがあるのですか💡
単純に遮音性能の数値や価格だけでは比較できないのですね。
お忙しい中、色々とアドバイスをありがとうございました。
改善されること、心から応援しております。
頑張ってください!