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家庭の危機?!同じ家の中での声問題を解決!

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皆さん、こんにちは。
防音アドバイザーBudscene並木です。

音に関する相談を受けていて感じるのが、「家族が出す家の中での音に困っている方が意外と多い」ということです。

最近は電話の声やテレビの音に加えて、ゲーム実況やボイスチャットでの熱の入った声に悩んでいるケースも多いようです。家族とはいえ、静かに過ごしたいと思っている時に会話が聞こえてくると煩わしいですよね。特に夜間は周りが静かになる分、気になるかもしれません。

今回は、そんな家庭内での声問題に特化して解決策をお伝えしていきます。

間取りを工夫(新築の場合)

壁の遮音性能や家の広さなどは同じような条件なのに、何故か音問題が発生しやすい家としにくい家があります。
一体どうしてでなのしょう?!

その答えは間取りにあります。

例えば、寝室Aで寝ている親が、隣の子供部屋Bでのゲーム実況を毎晩うるさい!と感じていたとしましょう。しかし、ここにもう1つ部屋Cを挟めば状況はだいぶ改善されます。寝室Aと子供部屋Bを隔てる壁が2枚に増え、実際の距離も遠ざかるからです。

間にはさむ部屋Cではやっぱり音がうるさいので、何の解決にもなってないのでは?!と思われるかもしれません。
確かにそうですよね。

そこで部屋Cとしてクローゼット(収納スペース)や浴室、トイレ、階段、廊下など、一瞬しか利用しない空間を利用します。これらのスペースは特に静けさを求められないので、例え隣室でゲーム実況が白熱していてもそれほど気にならないでしょう。

このように空間を上手に利用すると、同じ音量の音でも気にならないようにすることができます。

新築の設計時には計画的に、静かに過ごしたい・ゆっくりくつろぎたい・集中して過ごしたい空間(寝室や書斎など)と騒音源になるであろう部屋(子供部屋や作業部屋など)を離して配置しましょう。

詳しくはこちらでも解説していますので、どうぞご参照ください。
【【防音】コストをかけずに間取りで防音する方法】

防音壁の作成(リフォームの場合)

ではリフォームなど、もう間取りは変えられない時はどうすればよいのでしょうか。

そういった場合は、室内に新たな壁を作るのが最も効果的です。

私たちは下記の方法をおすすめしています。
音域500 Hz辺りで、20 dBほどの音量を抑えることができます。
【壁の防音性能をDIYで上げる方法】

kabe

 

ポイントは現在の壁に新しい防音壁を接触させないことです。
音は異なった材質(媒質)に侵入するごとに弱まるので、壁と壁の間に空気層を設けることが防音にとって有用なのです。
同じ理由で、石膏ボードや遮音シートを単に壁に貼るだけ、というのもほとんど無意味なのでくれぐれも実施しないでくださいね。

持ち家の場合は撤去しなくてもよいので、下地を床と天井に直接打ち込めます。そのため突っ張り棒や方立は不要となります。

家具のレイアウト

防音対策は間取りの工夫や防音壁の作成の他に、家具のレイアウトによっても行えます。
「DIYに挑戦するのはハードルが高い!」「専門業者に依頼すると費用がかかる!」という場合には以下の方法を試してみてください。

防音性能は落ちてしまいますが、既に家にある身近なものを使うので手軽に低コストで対策できます。

タンスや本棚を活用

間取りでクローゼットを配置する方法の応用となりますが、部屋の壁際にタンスや本棚を設置しても防音効果を期待できます。衣類や本を入れるので、音がそこで反射されたり弱まったりするのです。

もし家にタンスや本棚がない場合は、収納用のプラスチックBOXを重ねてもOKです。衣類や本をパンパンに詰めて、壁がみえないくらいに積んでいきましょう。隙間があったら雑誌などで埋め、テトリスやパズルのようにピチッと嵌(は)めるのが効果UPのコツです。

テトリス_パズル

 

タンスや本棚も防音壁と同様に、本来の部屋の壁と接触させないことが重要です。
空気層は1 cmでもよいのですが、巾木にも触れないように注意してください。

巾木

テレビの音や子供部屋の話し声に対する対策法

夜間のテレビの音や子供部屋の話し声も家族内での音問題の定番です。

チェックリストを作成したので、是非各項目を確認してみてください。
チェックが多いほど危険かもしれません💦

テレビの音

<チェックリスト>

□ 迷惑をかけている部屋側にテレビを置いている
□ 迷惑をかけている部屋側に向いて音が発せられている(テレビの背面にスピーカーがある)
□ テレビ自体やテレビ台が壁に接触している
□ テレビ台の下にはマットなどを敷いていない

迷惑をかけている部屋からできるだけテレビを遠ざけ、手元スピーカーなどを設置してテレビから音がしないようにしましょう。
また壁や床への振動を抑えるために壁から離し、テレビ台の下にはマットを敷くのも効果的です。

子供部屋での夜の話し声

<チェックリスト>

□ 迷惑をかけている部屋側にベッドを置いている
□ ベッドが壁に接触している

意外と盲点ですが、子供部屋での夜の話し声にはベッドの位置が関係していることがあります。テレビと同様に、迷惑をかけている部屋からできるだけベッドを遠ざけ、壁からも離すようにしましょう。

詳しくはこちらでも解説していますので、どうぞご参照ください。
【【集合住宅】防音活動のススメ】
【隣居からテレビの音が聞こえる原因と防ぐ方法】

和室の防音対策

和室を防音したいと考えている方も多いでしょう。

しかし和室の防音は非常に難しいといえます。
襖(ふすま)や障子は紙製なので遮音性が低く、音が筒抜けになってしまうからです。
さらに、横にスライドさせる引き戸の構造を出入口として機能させるためには、建具の隙間を埋めることもできません。

襖 障子

 

どうしても防音性を向上させたい場合は、高額にはなってしまいますがインナーサッシを付けるとよいでしょう。もし出入りの必要がなければ塞ぐのが1番です。

詳しくはこちらで解説していますので、どうぞご参照ください。
【【宅内防音】引き戸や防音困難な間取りを防音する方法!】

注意点

最後に注意点を1つ。
コストを安くすることだけを重視して対策をすると、失敗するリスクが跳ね上がります。

まず着目すべきは、コストではなく必要な遮音性能がどのくらいであるかです。
遮音性能の設定を誤ったり、どう使うか決めていない商品を安さだけで適当に買ったりすると、いざ対策をしようとした時に遮音性能が足りないことがあります。

音問題が解決しなければ、かけた出費・労力・時間の全てが無駄になってしまうので気をつけてくださいね!

防音は、「どんな音をどこに対してどれだけ防ぎたいか」からの逆算でスタートしていきます。
まずは必要な防音性能を設定し、コスト面はその後で性能に見合う材料候補の中から考えていくようにしましょう。

必要な遮音性能の把握方法はこちらをご参照ください。
【プロが教えます!必要な防音性能を確実に調べる方法とは】
【外がうるさい!防音したい!】
【スマホの騒音計アプリで防音対策!】
【音漏れ確認や防音DIYの目安の簡易測定に利用できる【ピンクノイズ】】

まとめ

家庭内での声問題に特化して解決策をお伝えしました。

ゲーム実況やボイスチャット、電話の声やテレビの音などに悩んでいたら、是非今回紹介しました内容を参考にしていただければと思います。

そして根本的なことですが、迷惑をかけている心当たりがある方は声を抑える・ボリュームを落とすといったことを意識しましょう。音トラブルを生まないためには、周りへ配慮することが大切です。

私たちBudsceneは皆さまが少しでも快適に過ごせるように、音の悩みを減らすことでお役に立てればと思っております。
音について心配ごと・トラブル・疑問などありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。
防音アドバイザーBudscene並木でした。

質問コーナー

Q. 戸建て住宅と集合住宅では、壁の遮音性能はどのくらい違うのですか?
A. 物件ごとに異なるので一概にはいえませんが、大体の目安としては戸建て住宅20~25 dB、鉄筋コンクリート造の集合住宅では45~50 dBほどです。
詳しくはこちらで解説していますので、どうぞご参照ください。
【【防音】意外と音はだだ洩れ?日本の住宅の遮音性能について数値で解説!】

Q. 人の話し声の音量はどのくらいなのですか?
A. 大体の目安としては次のような音量になります。

  • ひそひそ声 → 30 dBほど、鉛筆で文字などを書く音程度
  • 一般的な話し声 → 60 dBほど、走行中の自動車内程度
  • 怒鳴り声 → 80 dBほど、救急車のサイレン程度
  • 耳元での大声 → 100 dBほど、電車が通る時のガード下程度

Q. 戸建て2階の部屋をホームシネマルームにしたいと考えています。できるだけ1階へ音が伝わらないようにするにはどうすればいいでしょうか?フローリングの部屋ですが、中古の畳を敷き詰める、段ボールを積み重ねる、といった方法は効果がありますか?
A. 戸建て住宅であれば、上下階の遮音性能は35~40 dB減衰といったところでしょう。簡易的に測定を行った上で、あとどのくらい遮音性能が必要かを数値化してみてください。空気を伝わる音、固体を伝わる音のどちらに対策したいのか、また床・壁・廊下のどこから伝わるのかを把握することが重要です。
畳についてですが、重量があるので防音には効果的です。古い畳ほど重いので、中古の畳は魅力的だと思います。
ダンボールはほぼ効果ありません。

関連動画

【家族内の音問題をDIYよりも簡単な方法で解決できちゃう?】

【防音アドバイザー 並木勇一チャンネル】
【【宅内防音】引き戸や防音困難な間取りを防音する方法!】

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並木 勇一 株式会社Budscene代表取締役
防音室・ホームシアターの専門家として、防音室の設計デザインから音響空間のデザインまで手掛けています。 音に関するお悩みを解決するきっかけになればと考え、正しい情報を元に防音に関するノウハウや情報を発信しています。
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