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コスパ最強の防音材はこれ!

更新日:

皆さん、こんにちは。
防音アドバイザーBudscene並木です。

今回のコラムに登場するワードに関連した「防音あるなしクイズ」を作ってみました♪
「ある」の文字の中には、共通して含まれている「あるもの」がありますよ^^

あるなしクイズ_4_

 

ヒント、文字の色が濃いところに注目してみてください♪
お気づきになられましたか?

答えは・・・
食事の主食(パスタ、ごはん、パン、SOBA、うどん、コメ)が入っている!でした~(≧▽≦)

さて、クイズのワードにもある通り、今回はDIYでの防音室創りにおいて、どんな素材が最もコスパよく防音できるのかを徹底解説していきます♪
一体どの材料が防音材コスパNo.1の栄光に輝くのでしょうか?!

コスパよく防音DIYするためには

防音DIYを効率よく行うためには、音を遮る材料の重さ価格の2点に着目して材料選びをすることが重要です。

何故重さかというと、音は遮る材料が重ければ重いほど弱くなるからです。
そのため、防音DIYでは重い材料で対策することが有効になってきます。

また、予算もお財布事情と相談しなければなりません。

ということで「重くて安価」な材料を選ぶことが、コスパのよい防音DIYを実現する第一歩になります。

重さに注目

まずは重さに注目して、主な防音材を比較してみましょう。

重さは販売されている板材の大きさにより変わるので、公平に比較するため、ここからは密度(※1)と面密度(※2)で考えていくことにします。

※1 密度とは単位体積当たりの重さのことで、通常は単位[g/cm3]で表します。
しかし、単位を書き換えると[g/cm3]=[1/1000 kg÷{(1/100 m)2×10 mm}]=[kg/m2・mm]であり、これは板材の面積1 m2・厚さ1 mmあたりの重さを示します。
つまり、板材の面積1 m2・厚さ1 mmあたりの重さと密度は同値となるため、ここでは板材の面積1 m2・厚さ1 mmあたりの重さを密度として扱います。

※2 面密度とは板材1 m2あたりの重さ[kg/m2]のことです。
面密度は
面密度[kg/m2]=密度[kg/m2・mm]×板材の厚さ[mm]
で得られます。

石膏ボード類

石膏ボード

石膏ボードは、石膏を板状の芯にして専用の紙で包んだ板材です。

石膏ボード

密度と、販売されている板材の主なサイズは次の通りです。

  • 密度:0.7 kg/m2・mmほど
  • サイズ → 面積:910×1820 mm
          厚さ:9.5 mm、12.5 mm、15 mmの3種類

最も普及している12.5 mmの厚さの板材で考えると、面密度は9 kg/m2ほどになります。

タイガースーパーハード

タイガースーパーハードは、石膏ボードの一種ですが従来の石膏ボードより硬く強度が高いことが特徴です。

タイガースーパーハード

密度と、販売されている板材の主なサイズは次の通りです。

  • 密度:1.2 kg/m2・mmほど
  • サイズ → 面積:910×1820 mm
          厚さ:9.5 mm、12.5 mm、15 mmの3種類

最も普及している12.5 mmの厚さの板材で考えると、面密度は15 kg/m2ほどになります。
これは石膏ボードの約1.5倍の重さであり、遮音性が高いことがわかります。

しかし、タイガーハードボードは加工のしやすさにおいて難点があります

一般的な石膏ボードはカッターで切れますが、タイガースーパーハードはカッターでは歯が立たないのです。
電動工具の丸鋸とサイディング(建物の外壁用の板状仕上げ材)用のダイヤモンドカッターの刃を使わないと切断できないため、手間と費用が大幅にかかります。

そのため、DIYに使うのはおすすめしません

木質面材(合板・OSB)

合板やOSBなどの木質面材は、素材として使っている木や加工法によって密度が違いますが、おおよそ0.4~0.7 kg/m2・mmほどです。

重さ(=遮音性能)はあまりありませんが、木は音の響きを抑えてくれるので、あえて木質面材を使うという選択もアリです。

合板

合板は、薄い木の板を接着剤で重ねて作った板材です。

ラワン合板

ラワン合板は、ラワンという東南アジア原産の木を原料とした合板です。
ホームセンターに置いてある合板は、一般的にこのラワン合板です。

販売されている板材の主なサイズは次の通りです。

  • 面積:910×1820 mm
    厚さ:5.5 mm

密度0.6 kg/m2・mmで考えると、面密度は3 kg/m2ほどになります。

コンパネ

コンパネは合板の一種で、コンクリートパネルの略です。
コンクリートを流し込むときの型枠として製造されています。

コンパネ

販売されている板材の主なサイズは次の通りです。

  • 面積:900×1800 mm
    厚さ:12 mm

密度0.6 kg/m2・mmで考えると、面密度は7 kg/m2ほどになります。

OSB(Oriented Strand Board)

OSBは、木材のチップを圧縮して作った板材です。

販売されている板材の主なサイズは次の通りです。

  • 面積:910 mm×1820 mm
    厚さ:11 mm

密度0.6 kg/m2・mmで考えると、面密度は7 kg/m2ほどになります。

遮音シート

遮音シートは、樹脂を加工した薄いシートです。

遮音シート

密度と、販売されている商品の主なサイズは次の通りです。

  • 密度:1.5~2.7 kg/m2・mmほど
  • サイズ → 面積:940 mm×10 m
          厚さ:1.2~2.0 mm

ただし密度2.7 kg/m2・mmというような遮音シートは海外からの輸入品など特殊な素材であり、一般的な建築の素材の多くは密度1.5 kg/m2・mmほどです。

密度1.7 kg/m2・mm、厚さ1.2 mmで考えると、面密度は2 kg/m2ほどになります。

石膏ボードが約9 kg/m2の面密度であるのに対し遮音シートが約2 kg/m2しかないことを考えると、遮音効果が低いのは一目瞭然です。

本来、遮音シートは振効果を発揮できるように使います。
防振効果とは振動源(音源)からの振動を小さくするために、壁や床との間にゴムなどの弾性体を挟むことです。
よって遮音シートは、石膏ボードなどにサンドイッチのように挟み込んで使う方法を推奨します。

鉄

鉄の密度は7.8 kg/m2・mmほどです。
厚さ3.0 mmで考えたとしても、面密度は24 kg/m2ほどに達します。

DIYで使用するには現実的ではありませんが、音を防ぐには優れた素材といえます。

加工しやすく強度もあるので、防音ドア材としても有用です。
弊社も防音室施工時は、鋼製のドアを重宝しております。

アルミニウム

アルミニウム

アルミニウムの密度は2.7 kg/m2・mmほどです。
厚さ3.0 mmでは、面密度は8 kg/m2ほどであり鉄板の約1/3の重さしか確保できません

アルミニウムと鉄は、外観が似ていて加工の手間も同じくらいです。
しかし、アルミニウムの方が遮音性が低く価格が高いのでアルミニウムを防音材として使うメリットがなく、使用することはほぼありません。

鉛

鉛の密度は11.3 kg/m2・mmほどです。
厚さ3.0 mmで、面密度は34 kg/m2ほどにもなり、抜群の遮音性能をほこります。

しかし、鉛は手でも曲げられるくらい柔らかい素材なので、単体では部屋を構築する強度がありません。
そのため、何か他の素材に貼り付けて使うことになります。
鉛で防音したいという時は、鉛を石膏ボードに貼り付けた鉛ボードや合板に貼り付けた鉛合板が売られているので、そちらを使うとよいでしょう。

鉛は防音性は非常に高いのですが、価格が高い加工が大変ということもあり、DIYには向いているとはいえません。
デメリットも理解した上でなお、徹底的に防音しよう!という気概がある場合に是非ご活用ください。

主な防音材の重さ(面密度)比較

主な防音材の面密度(1 m2当たりの重さ)を表1.にまとめました。

表.1 主な防音材の面密度比較

密度
[kg/m2・mm]
厚さ
[mm]
面密度
[kg/m2]
石膏ボード類 石膏ボード 0.7 12.5 9
タイガースーパーハード 1.2 12.5 15
木質面材 合板 ラワン合板 0.6 5.5 3
コンパネ 0.6 12 7
OSB 0.6 11 7
遮音シート 1.7 1.2 2
7.8 3 24
アルミニウム 2.7 3 8
11.3 3 34

 

単純に面密度だけをみてみると、鉛・鉄の金属とタイガースーパーハードが高いですが、3つとも加工の面でDIY向きではありません

次に高い数値になる石膏ボードは、加工性にも優れ、ある程度の遮音性能も確保できるのでおすすめです。

アルミニウムは面密度の数値だけでいうと石膏ボードに近いのですが、防音面では鉄の方が使い勝手がよいのでほぼ出番はありません。

コンパネやOSBは石膏ボードと同じくらいの密度です。
厚さが同じなら
同程度の遮音性が期待できるでしょう。
水に強く、廃棄に手間や費用がかからないという点も魅力です。

ラワン合板と遮音シートは重さが足りず遮音性能が劣ります。
しかしラワン合板のような木の素材は、音の響きを抑えてくれ、廃棄の手間が少ないというメリットがあります。
遮音シートは、いかにも遮音に対して効果があるような紛らわしい名前ですが、本来は防振効果を発揮する素材です。石膏ボードに挟み込むようにして使うとよいでしょう。

価格に注目

次に価格に注目して、色々な材料を比較してみましょう。

ホームセンターで実際に販売されていた防音材の価格をリサーチしました。
価格は、ホームセンター代表として全国展開していてネット通販もできるコメリさんでの値段(2021年2月時点)を参考にしました。

リサーチした防音材は次の通りです。
重さに注目した材料のうち、タイガースーパーハードと金属(鉄、アルミニウム、鉛)を除いた材料になります。

板材

板材の大きさにより価格も変わるので、公平に比較するため、価格はキロ単価[円/kg]で考えていくことにします。

リサーチ結果を元に、各防音材のキロ単価を表2.にまとめました。

表2. 各防音材のキロ単価

材料 板材1枚当たりの単価
[円]
キロ単価
[円/kg]
石膏ボード 厚さ12.5 mm 400 28
厚さ  9.5 mm 300 28
木質面材 合板 ラワン合板 1,000 180
コンパネ 1,500 130
OSB 1,400 127
遮音シート 3,300 175

※2021.2 現在の価格

結果、石膏ボードは12.5 mm、9.5 mmどちらの厚さでもキロ単価は変わりませんでした。

石膏ボードに比べると、ラワン合板の価格は約6倍 、コンパネとOSBは約4~5倍ほどでした。

コスパ重視でとにかく音を遮りたい場合は石膏ボード音の響きを抑える効果を重視する場合は木質面材を選択するとよいでしょう。

また、遮音シートは単体で使うよりも石膏ボードとセットで使うことをおすすめします。
石膏ボードで遮音し、遮音シートで防振を図るという方法が騒音に対して非常に効果的です。

コスパの良いおすすめ防音材はコレ!

各材料の防音性(重さ)・価格・加工性の3つの条件について表3.にまとめました。

表3. 各材料の防音性(重さ)・価格・加工性

防音性(重さ) 価格 加工性
石膏ボード類 石膏ボード
タイガースーパーハード
木質面材
遮音シート ×
 ◎
アルミニウム × ×
 ◎ × ×

 

3つの条件をすべてバランスよく満たしていて、総合点が高いのは石膏ボードです。
防音DIYにはコスパ最強の防音材である石膏ボードの活用を推奨します。

まとめ

防音材それぞれにメリット・デメリットがありますが、防音性(重さ)と価格、さらに加工性を加えて考慮すると、石膏ボードがみごと防音材No.1の栄冠に輝きました。

コスパ重視で防音DIYに取り組む時は、石膏ボードをベースに他の物を組み合わせていくと非常に効率よく防音できるでしょう。

音トラブルを解消したい時は、闇雲にDIYを行っても解決しません。
まずは、どうしたら効率よく音を防げるのか、何の材料を使ったら音を遮ることができるのか、ということを考えて計画的に実行しましょう。

私たちBudsceneは様々な防音情報を発信していますので、是非DIYの参考にしていただければと思います。
音について悩んでいること・迷っていることなどがありましたら、お気軽にご相談ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。
防音アドバイザーBudscene並木でした。

質問コーナー

Q. 壁に石膏ボードを直接貼ればよいのですか?
A. 石膏ボードは壁に直接貼るのではなく、壁から隙間を空けて木枠を建て、そこに貼ります。
元の壁から離して空気層を設け、音を減衰させることが目的です。
詳しくはこちらをご参照ください。
【壁の防音性能をDIYで上げる方法】

Q. 石膏ボードを両面テープで貼ることはできますか?
A. 両面テープでは重くて固定できないでしょう。
瞬間的にくっついてもいずれ剥がれてきて事故が起きる可能性が高いので、おすすめできません。

Q. 木枠に石膏ボード→合板の順で貼って壁を作りたいのですが、どのように打ち付ければよいのでしょうか?
A. 石膏ボードはボードビス、その上に合板を重ねる場合は木工用ボンドとタッカーでの設置がよいでしょう。

Q. 遮音シートをドアに貼って防音性をUPさせたいのですが、賃貸住宅なのでビス止めがためらわれます。
よい固定方法はありますか?
A. こちらの養生テープがおすすめです。
https://www.monotaro.com/g/00177888/
接着剤が家具などに残りにくいので、まず養生テープを貼り、その上に両面テープを貼るとよいですよ!

Q. 石膏ボードを室内ではなく、外での施工に使っても大丈夫ですか?
A. 石膏ボードは吸水すると脆くなるので、雨などに当たってしまう外での施工はおすすめできません。
同様に水回りへの施工も避けた方がよいでしょう。

Q. 石膏ボードは施工後、むき出しのままでも問題ありませんか?
A. 切口から粉塵が出るので、ビニールクロスなどで仕上げをしたほうがよいでしょう。

Q. 石膏ボードは処理する時に有料と聞いたのですが・・・。
A. 石膏ボードは捨てる際に産業廃棄物の「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」扱いになり、処分は有料となります。
「産業廃棄物処分業許可」を取得している業者に依頼して処分することになり、費用は地域や処理業者により異なります。
「コスト」をそこまで含めて判断すると、防音材を選ぶ際にまた違った選択肢になるかもしれませんね。
詳しくはこちらのQ&Aをご参照ください。
【【防音DIY】石膏ボードを貼るだけではダメ?防音のコツを伝授】

Q. 石膏ボードは大きく重いので運搬が大変です。手軽に運べる方法はないですか?
遮音シートの方が運びやすいのですが・・・。
A. ホームセンターや購入店によっては、次のようなサービスを行っているところもあります。

  • 板材のカットサービス
  • 購入枚数が一定以上での配達サービス

また遮音シートを使うなら、「1枚貼ればそれでよい」という考えから「必要な重さ分を貼る」という考えにシフトして重さを確保しましょう。
防音対策を練る時は、まず自分にはどのくらいの防音性能が必要なのかを把握し、必要な防音材の重さを計算してから計画的に入手するとよいでしょう。
必要な防音性能の求め方に関してはこちらをご参照ください。
【プロが教えます!必要な防音性能を確実に調べる方法とは】

Q. 石膏ボードと合板で迷っています。
双方のメリット・デメリットを教えてください。
A. 遮音性能的にはほぼ同等と考えてOKです。
石膏ボードは処分する時に費用がかかります。また水に弱いという性質もあります。
合板は初期費用はかかりますが、処分時に家庭ゴミ(可燃ゴミ・不燃ゴミ・粗大ゴミ)として捨てることができます。コンパネなど耐水性に優れているものもあり、野外でのDIYならこちらの方がよいでしょう。

Q. 石膏ボードの代わりにケイカル板を使用するのはどうでしょうか?
A. ケイ酸カルシウム板はケイ酸質、石灰質、繊維材料を主原料とした、耐水性・耐火性に優れた建材です。
確かに水に弱い石膏ボードの代わりに水回りに使用されることが多いのですが、固いためカットが大変で金額も高いので、防音面でのメリットは無いと思います。

Q. 真空であれば音は伝わらないのですよね?!
真空断熱材は防音にどのくらい効果があるのでしょうか?
A. 真空断熱材は、真空空間を確保するフィルム同士がくっつかないようにするため、中に突っ張り棒的な役割をする芯材(グラスウールなど)が入っています。しかし音は芯材を通しても伝わってしまうので、防音材としての効果はあまり期待できないと思われます。

Q. 防音材は何故重い方がよいのですか?
A. 基本的に重さと力は比例します。重いものを動かすには力が要りますし、重いものが動けば大きな力が発生します。
音も同じで、遮るものが重ければ揺らす(動かす)力が足りずに、音の振動が伝わりにくくなります。
詳しくはこちらをご参照ください。
【防音室に最も重要な「重さ」と「防振」の話】

Q. 工務店で、吸音材は見える位置でないと意味がないといわれたのですが、何故壁の中にも充填しているのですか?
A. 吸音材で響きを抑えるという効果は同じですが、

  • 壁内の吸音材 → 壁内の空間の太鼓現象を防ぎ、部屋全体の箱鳴りを抑える
  • 室内の吸音材(見える位置の吸音材) → 室内の音の響きを抑える

とお考えください。

Q. (石膏ボード+遮音シート+石膏ボード)の組み合わせと、遮音シートを入れずに(石膏ボードのみの2枚重ね)とでは、何dBくらい違いますか?
A. おおよその目安としてではありますが、(石膏ボード+遮音シート+石膏ボード)の場合は

  • 防振効果
  • 気密アップ効果

が得られるので、約2~3 dB程度、防音性能が高くなると予想されます。
遮音シートを利用しない場合には、弊社では1枚目の石膏ボードの目地をコーキングで埋めています。コーキングすることで高い周波数の遮音効果に違いが出てくるためです。

Q. (石膏ボード9.5 mm×2)と(石膏ボード12.5 mm×1+遮音シート)のどちらが効果ありますか?
A. この2つなら大きな違いは出ないでしょう。

Q. 防音材を1面だけに貼るのは効果ありますか?
A. 防ぎたい音がどのような音なのかによって効果に差が出ます。
音は阻害物があっても回り込む性質があり、それは音の高低で変わるからです。
低い音は回り込む性質が強いので、全面に対策しないと効果は弱ります。
しかし逆に高い音であれば回り込む性質が弱く、1面だけでも高い効果を得られる可能性があります。
また、元の壁が既に遮音性能が高かった場合、そこからさらに遮音性を上げるには大きな質量が必要になり、施工が大変です。

Q. 【壁の防音性能をDIYで上げる方法】のDIY内容はアレンジしても大丈夫ですか?
A. 実施したDIYでは次のことがポイントとなります。

  • 重さをかけて音を減衰させる
  • 複構造にし、素材の違う防音層で音を減衰させる
  • 元からある壁と離すことで防振を図る
  • 空気層によって起こる太鼓現象を予防する

これらを意識して実施いただければ、アレンジしても全く構いません^^

Q. 石膏ボードと遮音ボードを貼る時に、貼る順番はありますか?
例えば、室内の音を外に漏らしたくない場合、遮音シートは石膏ボードの内側か外側どちらに貼ればよいでしょうか?
A. 遮音シートは石膏ボードと石膏ボードの間にサンドイッチするのが効果的です。

Q. 壁と石膏ボードの隙間に古くなったマットレスを詰めた場合、性能は上がらないでしょうか?
A. 吸音効果のある素材は、壁と壁の間で起こる太鼓現象を防ぐために充填しています。
マットレスでも何も入れないよりは効果があるでしょうが、グラスウールやロックウールの方がより効果的でしょう。

Q. 木造住宅の3階に防音ブースを創りたいのですが、大丈夫でしょうか。
A. 木造住宅の2階以上では、防音室設置は難しいでしょう。
新築時から防音室を組み込む場合は、防音室の質量が建物の躯体に掛かる事を前提に構造計算をしますが、後付けの場合では床抜けの心配があります。

Q. 石膏ボードの設置は重低音にも効きますか?
A. 固体を伝わってくる音に対しては、残念ながらあまり効果が期待できません。
足音のような固体を伝わってくる音には、音源側での防振が有効であり、聞こえてくる側が対処するには防音室のように徹底した対策をとらなければなりません。

Q. 天井や床にはどのように対策すればよいのですか?
A. 音源側で対策をするのが最も効果的なので、自分側からの音を漏らしたくない場合と相手側からの音を防ぎたい場合では対策法が異なります。
自分からの音を漏らしたくない場合は、防音ブースの制作がおすすめです。
防音ブースの作成に関してはこちらをご参照ください。
【【10万円】完全解説!防音のプロがDIYで防音室を創る】
相手側からの音を防ぎたい場合は、現在の天井(床)の内側に新たに天井(床)を作る二重構造がよいでしょう。

  • 天井の場合 → 野縁という木製の骨組みを作り、石膏ボードなどを貼る
  • 床の場合 → 置床という商品を利用して床を創る

という方法が効果的です。

Q. 自室と隣室で、お互いにドアを閉じていても電話の声が丸聞こえです。
このままでは友人とのゲームや彼女との通話ができないのでどうにかしたいです。
学生・実家暮らしで予算は2万円ですがよい方法はあるでしょうか?
A. まず、壁・ドア・天井などのうち、どこから音が漏れているのか?を確認してみてください。
簡易測定の方法はこちらになります。
【スマホの騒音計アプリで防音対策!】
その上でピンポイントで強化を図れば、予算内でギリギリ材料を購入できるのではないかと思われます。
ドアの場合は、隙間を塞ぐことが肝心です。ホームセンターで売っているスキマテープという商品がおすすめです。
壁の場合は、こちらの施工方法をご参照ください。
【壁の防音性能をDIYで上げる方法】

Q. 集合住宅の一階に家族で住んでいて自室もトイレの隣なので、井戸端会議の声や用足しの音が聞こえてきます。
他にもベッドのスプリングや色々な生活音が気になって夜眠れません。
どう対処すればよいですか?
A. 窓に関しては内窓の設置をおすすめします。
こちらをご参照ください。
【ガラスでの防音は難しい!ガラス窓の防音方法を徹底解説】
トイレの音は、壁が薄い場合や壁の中に断熱材の充填などが無いと響きやすくなります。
加えて出入り口のドアも部屋同士の遮音性の低下に繋がっています。
トイレとの間の壁の強化や建具の交換などが有効な対策になるでしょう。
こちらをご参照ください。
【壁の防音性能をDIYで上げる方法】
【トイレからの音漏れを防ぎたい!トイレの防音対策】

Q. 自宅の壁がモルタルで薄く、隣の家のテレビの音が聞こえてきます。
そこで床用の厚さ3 mmの耐震遮音マットを遮音シートの代わりに使用しようと思っています。
(耐震遮音マット+石膏ボード12.5 mm)×2か(耐震遮音マット+コンパネ15 mm)×2を考えていますが防音性はどうでしょうか?
A. 石膏ボード12.5 mmとコンパネ15 mmは同等の性能と考えていただいてかまいません。
素材が変わると防音の効果が高まるので、可能であれば石膏ボード2枚やコンパネ2枚より、石膏ボード×1+コンパネ×1にしてください。若干ですが効果が高まります。

Q. 居室同士を隔てる壁の防音対策として、両側の壁に(石膏ボード+遮音シート+石膏ボード+グラスウール充填)を施工しようと思っています。
主に話し声やテレビの音を防ぎたいのですが、効果としてはいかがなものでしょうか?
A. どんな時間帯の音を防ぎたいかによって、実施すべき内容は変わってきます。
一般的な話し声は60 dB程と想定してよいでしょう。TVの音はもう少し小さい音となります。
昼間であれば35 dB減衰できれば、同居家族にもほぼ聴こえない音量ですが、夜間になると40~45 dBの減衰が必要となります。
昼間の声対策であればお考えの施工を行う事で大丈夫でしょう。
夜間から深夜に関しては、下記のような集合住宅の間仕切りに近い構造を考えましょう。
https://yoshino-gypsum.com/system/%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%82%A3%E3%83%BB60
そして夜間は周囲が静まり返るので、壁だけではなく廊下からの音の回り込みも考える必要が出てきます。
ドアに関しては、話し声程度の防音であればDAIKENさんの木製防音ドアで十分です。
引き戸は隙間が多いのでNGです。

Q. 集合住宅に住んでいます。家の生活音がうるさいらしく、階下の住人からトントンと叩いて警告されます。
階下からのトントン音もこちらからの音も、なるべく伝わらないようにしたいです。
A. 階下から叩かれる衝撃音は、防振+重さを掛けないと「聞こえない」というレベルまでにはならないでしょう。
何層も敷けるのであれば、パズルマットが効果的と思われます。
ただ床全体に敷くと高さがかなり上がってしまうため、ドアの開閉などできるよう調節してください。
防振効果もあり床に利用しても潰れない商品としては、高密度のグラスウール、ロックウールやフェルトなども効果的です。

Q. これから間取りを替えるリフォームをします。どうしても浴室の隣に寝室がきてしまうのでシャワー等の音を防ぐ防音壁を施工依頼しようと思います。
浴室側、寝室側どちらも(石膏ボード+遮音シート+石膏ボード)だと音を防げますか?
A. シャワーの音は70~80 dBなので、記載の施工ができれば40 dB程の減衰が見込め、寝室に聴こえるのは30~40 dBになります。
深夜でも、エアコンなどが点いていればほぼ気にならないレベルを期待できるでしょう。
内装下地部には断熱材を充填するとより効果的です。
ただし、ユニットバスのサイズによっては石膏ボードを2枚貼れない可能性があるので、リフォーム会社にご確認ください。

Q. エレキギターとエレキベースをやっています。
演奏スペースの周りを石膏ボードで囲うのと、隣人の住んでいる壁側に石膏ボードを設置するのはどちらがよいでしょうか?
A. 石膏ボードで壁を強化するより防音ブースの方が、同じ材料を同じ量だけ使った場合は効果を高く得られます。
防音ブース作成の際は、壁からの距離をできるだけ取るとよいでしょう。

Q. 窓から聞こえてくる近所の犬の甲高い声に迷惑しています。
対処法を教えてください。
A. 窓を防音したい際には

  • 採光を確保したい場合 → 内窓の設置
  • 完全に塞いでよい場合 → 防音壁を造る

という対処法が効果的です。
小型犬の鳴き声であれば、費用はかかりますが内窓に防音合わせガラスを利用すればかなり軽減するはずです。
窓の防音やガラスの選び方についてはこちらをご参照ください。
【ガラスでの防音は難しい!ガラス窓の防音方法を徹底解説】
窓を塞いでも問題ない場合は、こちらのDIYをご参照ください。
【壁の防音性能をDIYで上げる方法】

Q. 向かいの家のボイラーの低周波音に悩まされています。
窓や壁に石膏ボードを貼ることで音を防げるでしょうか?
A. ボイラー音は空気で伝わってきている音と地面や壁など固体から伝わってくる音の両方が発生していると思われます。
空気で伝わってくる音に関しては窓を石膏ボードで塞いだり、内窓にするといった対策が有効ですが、固体から伝わってくる音は壁や床への防振対策が必要になります。

Q. ガレージの中で85〜90 dBほどの振動音の出る機械を使って作業をしています。
外に60〜65 dBほど音漏れしている状況ですが、防音するとしたらどうしたらよいでしょうか。
A. 現状20~30 dBの減衰値であるようなので、あと15~20 dB ほど向上させたいですね。
現存のガレージの壁などに防音材を貼り付けても効果は僅かしか得られないので、ガレージの内側に新たな防音ブースをもう一つ創るのが効果的です。
シャッターは防音性を確保する事ができないため、シャッターを開けたら壁!そこにドアが付いているという構造が理想です。
施工法に関しては、どうぞこちらをご参照ください。
【【10万円】完全解説!防音のプロがDIYで防音室を創る】
【壁の防音性能をDIYで上げる方法】

Q. 音楽(ピアノ、声楽)を専門とする者です。
現在の住まいは木造で、27年前に2×4で約9畳のレッスン室を建てました。
この度、自宅の建て替えをすることになり、「35 dB減衰」を目標にしたいのですが、何を施せばそれが可能になるかをお聞きしたいと思います。
予算を少しでも抑えるためにどこまで取り入れればよいのか迷っています。
A. 演奏スタジオには

  • 建物外部に対しては55 dBの減衰値
  • 建物内部に対しては35 dBの減衰値

が必要と考えます。
DIYで可能なレベルではないので、詳しい内容は是非LINEからお問い合わせください。
また、もし関東近県にお住まいでしたら一度弊社のショールームへ音の体験にいらしてください。

Q. 石膏ボードを貼れない環境なので、ロックウールボードに鉛シートを貼ることを検討していますが効果はあるでしょうか?
A. 鉛の密度は石膏ボードの約16倍なので遮音効果は高いのですが、厚さ1 mmでも1 m2あたり11 ㎏あるので、一人では接着できないでしょう。
また接着剤が剥がれたりロックウールが剥離したりする心配もあります。
合板などに鉛板を貼り木の下地に固定するのが望ましいでしょう。

Q. 鉛は放射線も防げるのですか?
A. はい。鉛は医療や工学分野で、放射線の中でもγ線やX線のようなエネルギーが高く短波長の電磁波を遮蔽するのに用いられています。

Q. 鉛よりももっと重い金や白金だったら鉛以上の防音効果が得られるのですか?
A. はい。

  • 鉛の密度:11.4 kg/m2・mm
  • 金の密度:19.3 kg/m2・mm
  • 白金の密度:21.4 kg/m2・mm

ですので、金や白金なら防音面でも高い性能を実現できるでしょう。
とてつもなく高額でしょうが^^;
昔の王様の生活はお城で金の装飾品などに囲まれていたので、防音も自然となされていたのかもしれないな、と思いを馳せてみました^^

Q. 音楽室のカーテンが黒くて重いベルベット素材なのも重さが重要だからでしょうか?
A. はい、その通りです。

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並木 勇一 株式会社Budscene代表取締役
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