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クローゼットは防音室に向かない?!注意点と性能についてわかりやすく解説

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皆さん、こんにちは。
防音アドバイザーBudscene並木、改め名探偵ナーミック・ホームズです。

宿敵・怪盗ノイズから暗号が届きましたが、さっぱりわかりません(><)
皆さん力をお貸しください。

暗号

 

ん?アルファベット列の最後だけ黒い?黒をZに置いた?クローゼットに置いた?
そういうことでしたか!皆さん、ご協力ありがとうございました♪

ということで今回は、非常に多く寄せられる「クローゼットを改造して防音室として活用できないか」というご質問にお応えします。
クローゼットを防音DIYする際の注意点や得られる性能について解説していきますね。

クローゼットを施工する際の注意点

クローゼットにはその性質上、施工のネックとなる問題点が2つあります。
その際の注意事項や解決策がこちらです。

棚板、枕棚、ハンガーパイプなど

クローゼットは本来収納スペースなので、物を置く棚板や枕棚、服をかけるハンガーパイプなどが付いています。

クローゼット

 

これらは全て撤去するのがベストです。

壁に凸凹があると施工しにくいし、そこを省いて対策しても意味がないからです。

音は、少しでも防音対策が甘い箇所があればそこから漏れてきます。
そのため、全体の防音性能を合わせて均一にする必要があるのです。

詳しくはこちらをご参照ください。
【「防音室の風呂桶理論」その音、漏れてますよ!】

棚板など出っ張っている部分に施工しない場合、いくら他の個所に施行しても、ドアの開閉音や足音のような衝撃音に対する効果は全くといっていいほど得られないでしょう。

けれど撤去作業も中々大変ですし、賃貸住宅なら復旧もしなければなりませんよね。
そういった、どうしても撤去が難しい場合には、苦肉の策にはなりますが棚板などを厚み10 mm以上のゴムシートで覆ってください
防音壁を設置するよりは効果が落ちてしまいますが、棚板自体がなるべく振動しないように防振効果を保つことができます。

折れ戸

クローゼットの扉は、開口部が広がりスマートに利用できる折れ戸という建具が主流です。
しかし、折れ戸に対してそのまま防音対策することはおすすめしません。

理由は

  • 折れ戸は上からボルトで支えているため、防音材を貼ろうとして重さをかけると壊れてしまう
  • 戸を稼働させるために上下左右に隙間が空いているが、音が漏れないように隙間を埋めると動かなくなる

という点からです。

このため、もし折れ戸がついていたら利用せずに別の種類の扉に替えてください。
内側からも外側からも施工しやすい開き戸を推奨します。

クローゼットのドア

施工法

施工法は、石膏ボードを利用した複構造(異素材を使って何層か重ねたミルフィーユのような構造)がよいでしょう。

具体的な施工法はこちらが参考になるかと思います。

DIY① → 【【10万円】完全解説!防音のプロがDIYで防音室を創る】
DIY② → 【壁の防音性能をDIYで上げる方法】

なお、クローゼットは内側からしか施工できずスペースが限られるため、性能向上に限界があります。予め留意しておいてください。

クローゼットを防音DIYして得られる性能

では実際にどのくらいの遮音性能が得られるかについて解説します。

遮音性能は音を遮る材料の重さが、重ければ重いほど上がります。

ただし、遮音性能と重さは単純な比例関係ではありません。
元々のクローゼットの遮音性能から5 dB向上させたい場合は、遮音材の重さを加えて元のクローゼットの約2倍の重さにする必要があります。

おもり

遮音性能と重さの関係については、こちらで詳しく述べています。
【防音室に最も重要な「重さ」と「防振」の話】
どうぞご参照ください。

つまり、遮音性能は元々の部屋の重さが重いほど(=遮音性能が高いほど)、後から付け足して向上させることが難しくなります。

一般的なクローゼットにDIYで施工する場合、元からのクローゼットの重さも考慮すると、向上させることができる遮音性能はおそらく10 dBほどになるでしょう。

用途としては、ボイスチャットなど日常会話程度の声なら深夜でも大丈夫ですが、楽器演奏には難しくなるはずです。

クローゼットの防音DIYにあまり過度な期待はしない方がよいでしょう。

防音室に必要な防音性能を明確に把握しておくことも大切です。
簡易的な方法で自分の出す音の大きさを測定することができるので、是非確認してみてください。

簡易的な測定方法に関しては、こちらで詳しく述べています。
【スマホの騒音計アプリで防音対策!】

せっかくDIYに取り組むのなら、求めている防音性能を実現できるように計画を立て進めていきましょう。

まとめ

クローゼットを改造する際には、棚板やパイプハンガーの撤去がベストです。
もし撤去せずそのまま防音DIYを施すなら、棚板などは10 mm以上のゴムシートで覆ってください。

また、扉が折れ戸だった場合は、開き戸へ付け替えることを推奨します。

DIYによりおそらく10 dBほどの性能向上が見込めますが、楽器演奏などできるほど劇的な効果を得られるわけではありません。

クローゼットを改造して防音室に変えたい場合は、以上を踏まえて挑戦しましょう。

私たちBudsceneは暮らしの中での音との上手な付き合いを応援しています。
ご相談やご質問がありましたら、是非気軽にお問い合わせください。

最後までご覧いただきありがとうございました。
防音アドバイザーBudscene並木でした。

質問コーナー

Q. 建具って何ですか?
A. 建具とはドア、窓、障子、襖(ふすま)など、開口部に設ける開閉可能な仕切りの総称です。

Q. DIYせずにクローゼットを防音面で有効活用する方法はありますか?
A. クローゼットや納戸などの収納スペースは、音源となる部屋と音を伝えたくない部屋(寝室など)の間に配置すると効果的に利用できます。
詳しくはこちらをご参照ください。
【【防音】コストをかけずに間取りで防音する方法】

Q. 収納カラーボックスでも近隣への防音に役立ちますか?
A. 隣室に対しては、カラーボックスを利用して壁を全面覆う事ができれば効果があります。
しかし上下階に関しては壁面を強化してもあまり効果がありません。
特に上階に対しての防音性能の向上は最も難しく、DIYで行うのは非常に困難だといえます。

関連動画

【【防音室】クローゼットを有効活用して防音室にするには「この方法」しかありません!】

【防音アドバイザー 並木勇一チャンネル】

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【壁の防音性能をDIYで上げる方法】
【防音室に最も重要な「重さ」と「防振」の話】
【スマホの騒音計アプリで防音対策!】
【【集合住宅】防音しやすい音と防音しにくい音の違いと対策方法】
【【防音】コストをかけずに間取りで防音する方法】

 

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並木 勇一 株式会社Budscene代表取締役
防音室・ホームシアターの専門家として、防音室の設計デザインから音響空間のデザインまで手掛けています。 音に関するお悩みを解決するきっかけになればと考え、正しい情報を元に防音に関するノウハウや情報を発信しています。
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