外からの騒音をDIYで防音したい!必要な防音性能の求め方とおすすめ対策
皆さん、こんにちは。
防音アドバイザーBudscene並木です。
かねがね不思議に思っていたことがあるんです。
松尾芭蕉の有名な一句、「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」。
蝉の声がするのに静かとは、どういうことなんでしょう???
騒がしいほどの蝉の声と対比することによって静かさを強調している、という解釈で合っているのですかね?!
一方、防音俳人の松音芭蕉さんの一句、「静かさを!!! 壁にしみ込め! 外の音」。
私に静かさをくれ!!!・・・と心の叫びをそのまま詠んだような切実さですね。
ということで、今回は「外からの音を防ぐために事前準備しておいたほうがよいこと」についてお伝えしていきたいと思います。
目次
ゴールを明確にしよう
外の騒音に迷惑している時にまずすべきことは、「自分が求める静かさはあとどのくらいの遮音性能があれば手に入るのか」を把握することです。
現状からどのくらい遮音性能をアップさせれば快適な生活をおくれるのか、具体的な数値を調べてゴールを明確にしましょう。
手順は次のようになります。
<手順>
- スマホの騒音計アプリをダウンロード
- 3ヶ所の測定ポイントで騒音測定
- 3つの数値を計算
- 防音対策の方向性を決定
1つひとつ詳しく説明していきますね。
スマホの騒音計アプリをダウンロード
最初にスマホの騒音計アプリをダウンロードしましょう。
騒音計アプリも色々なものがでています。
どれがいいか迷ってしまう方は、こちらをご参照ください。
【スマホの騒音計アプリで防音対策!】
3ヶ所の測定ポイントで騒音測定
次の3ヶ所で騒音を測定してください。
- ポイントA=騒音が発生している状態の建物の外(室外で騒音がどのくらい聞こえるかを確認)
- ポイントB=騒音が発生している状態の部屋の中(室内で騒音がどのくらい聞こえるかを確認)
- ポイントC=騒音が発生していない状態の部屋の中(室内の普段の状況で騒音以外の雑音がどのくらい聞こえるかを確認)
詳しい測定方法はこちらをご参照ください。
【プロが教えます!必要な防音性能を確実に調べる方法とは】
3つの数値を計算
次の3つの数値を計算してください。
A値、B値、C値とはそれぞれ、ポイントA、B、Cで測定した音量の値を指すこととします。
- ①( A値-B値)=建物の現状の遮音性能
- ② (B値-C値)=騒音を聞こえなくするためにこれから必要な防音性能
- ③ (A値-C値)=施工後、性能測定する時に最終的に出てほしい、元からの建物の性能を含めた減衰値
音量どうしの関係をグラフ1. に表します。
グラフ1. 各音量の相関性
「必要な防音性能」により防音対策の方向性を決定
②(B値-C値)の「必要な防音性能」の数値により防音対策の方向性を決めていきます。
数値別に次の方法が有効です。
- 20 dB以下 → 【壁の防音性能をDIYで上げる方法】(500 Hzで19 dBほど減衰)
- 30 dBほど → 【【10万円】完全解説!防音のプロがDIYで防音室を創る】(500 Hzで28 dBほど減衰)
- 窓からの騒音の場合 → 【窓への音対策!こんなに防げるDIY施工法2パターン】
(パターン1. 500 Hzで19 dB ほど減衰、パターン2. 500 Hzで31 dBほど減衰)
これ以上の防音性能が必要な場合は、専門の防音業者へ依頼しましょう。
闇雲に正体不明の防音アイテムを購入したり、自己流DIYを開拓したりするのはおすすめしません。
費用・時間・手間の無駄遣いになってしまいます。
まとめ
快適な暮らしには住居の音環境が整っていることが必要です。
しかし、いざ入居してみると意外と周囲がうるさかった、今まで閑静な住宅ライフを満喫していたのに急に隣から爆音が響きはじめた・・・など色々なケースで崩されることがあります。
騒音に迷惑していても、トラブルに発展したら・・・となかなか言い出せない場合も多いでしょう。
そんな時、「どう動けば自分の満足する静けさを手に入れられるか」をわかっていれば、速やかに問題を解決することができます。
外からの騒音に困っていたら、是非必要な防音性能や現状の遮音性能を数値化して適切な対策をし、悩みから解放されましょう。
私たちBudsceneは皆さまが少しでも快適に過ごせるように、音の悩みを減らすことでお役に立てればと思っております。
音について心配ごと・トラブル・疑問などありましたら、いつでも気軽にご相談ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
防音アドバイザーBudscene並木でした。
質問コーナー
Q. 近所の大型犬の鳴き声が早朝・深夜とうるさくて眠れず困っています。
窓などの部分的な工事を御社に依頼することはできますか?
A. 申し訳ございません、弊社は部分的な工事は実施しておりません。
部分的な工事では音が他所から漏れてしまうので、性能保証を行うことができないからです。
そのため、部屋全体の工事のみをお請けしています。
遮音性能の低いところからの音漏れについてはこちらで詳しく述べているので、是非ご参照ください。
【防音室の風呂桶理論】
Q. 信頼できる防音業者を選ぶポイントなどありましたら教えてください。
A. ポイントとしては、
- 複数社の見積もりを比較
- 今までの実績をチェック
などがあります。
特に見積もり時の「〇〇一式」という表現がある場合は、不明な料金がないように具体的な使途をはっきりさせましょう。
また、自分でも防音について詳しくなり、色々と業者に質問して違和感を覚えないところに決めるとよいでしょう。
口コミや評判などを参考に、顧客と真摯に向かい合ってくれる誠実な業者を見極めましょう。
どうぞ、こちらもご参照ください。
【見積もりは金額で決めるな!防音室の目的を達成できなければ意味がない】
【防音室の見積もりのチェックポイント】
【効果のない防音工事をする業者に注意】
Q. 隣の家のシャッターの開閉音がうるさいのですが、窓に防音サッシを使うのは効果ありますか?
A. 一般的にシャッターを開け閉めする音は70~80 dBほどで、防音サッシの内窓を付け加えても、元からの窓と合計で30 dBほどしか減衰できません。
そのため40~50 dBほどの音量(一般的な話し声程度)にまでは抑えられますが、それ以上は難しいでしょう。
関連動画
【外がうるさい!防音したい! 最初に理解すべき騒音を解説!】
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